キリンビールの社内ベンチャーとして発足したスプリングバレーブルワリーは、希少な日本産ポップ「MURAKAMI SEVEN」を使用した「MURAKAMI SEVEN IPA」を数量限定で発売する。
その発売を記念して6月26日に、代官山のスプリングバレーブルワリー東京にて「キリン日本産ホップ栽培 100周年×新商品発表会」が開催された。
「MURAKAMI SEVEN IPA」は、キリンのホップ博士こと村上敦司氏が育成した希少な日本産ポップ「MURAKAMI SEVEN」を使用したIPAタイプのビール。「MURAKAMI SEVEN」由来のイチジクやミカンを感じさせる香りと質の良い苦みがしっかりとした心地よい飲みごたえにつながり、上質な味わいが楽しめる。
ポップは苦みや、香り、泡持ち、ビール混濁菌の増殖を抑制する役割があり、ビールの製造過程において、麦汁煮沸にホップを添加するが、品種、添加期間、添加量により、天文学的な香味の組み合わせがあるという。
日本のホップ栽培は1970年代にピークを迎えるが、ビール各社がコスト削減のため安価な輸入ホップを使用するようになり、国内のホップ生産は落ち込んでいった。そんな背景から危機にあった日本産ホップだが、キリンビールは2002年にエポックメイキングとなる「毬花一番搾り」を発売する。乾燥させない生のホップを使用し、「ホップ」を苦みから香りへと価値を変化させたこの製品は、村上氏によると「ビールのトレンドを香りの新時代へと突入させた」という。
日本産ホップは、クラフトビール人気で価値が再評価されている一方、生産者の高齢化は後継者不足により、生産量は最盛期に比べて大きく落ち込んでいる。キリンビールでは、100年前よりポップの国内試験栽培を開始。日本産ポップの育成に取り組みを進めており、近年ではクラフトビールの関心が高まり、ホップ栽培の新規就農者も増えている。
現在では、日本産ポップの約7割をキリンビールが購入し、1939年に開発した「IBUKI」や、2017年に開発した「MURAKAMI SEVEN」などの個性的で希少な日本産ポップの開発も行っている。またキリングループでは農業法人BEER EXPRIENCE社へ出資し、経営参画することで「MURAKAMI SEVEN」を中心とした日本産ホップの持続的生産やブランド価値への向上、地域経済の活性化という社会的価値への貢献とともに、日本産ホップの安定調達、クラフトブルワリーへの外販やクラフトビールカテゴリーの育成を通じた経済的価値の創造を目指すとしている。
「MURAKAMI SEVEN IPA」は、キリンオンラインショップでDRINXでは6月20日(木)から予約を開始し、7月2日(火)から出荷を始める。7月8日(月)に「Tap Marché(タップ・マルシェ)」で発売し、6月27日(木)からは、SVB東京、横浜、京都およびBEER TO GOの各店舗でも販売する。