「Pripara Friendship Tour 2019 プロミス!リズム!パラダイス!」の千秋楽が、4月28日、舞浜アンフィシアターにて開催された。
2月にスタートした『プリパラ』シリーズのライブツアーも、いよいよ千秋楽。この日は牧野由依(黒須あろま役)・渡部優衣(白玉みかん役)・真田アサミ(ガァルル役)のチーム「ガァルマゲドン」と、田中美海(真中のん役)・大森日雅(月川ちり役)・山下七海(太陽ペッパー役)のチーム「ノンシュガー」、伊達朱里紗(夢川ゆい役)・大地葉(虹色にの役)・山田唯菜(幸多みちる役)のチーム「マイドリーム」、山下誠一郎(夢川ショウゴ役)/小林竜之(三鷹アサヒ役)/土田玲央(高瀬コヨイ役)のチーム「WITH」、そして佐藤あずさ(緑風ふわり役)・斎賀みつき(紫京院ひびき役)・朝比奈丸佳(華園しゅうか役)の計15人が出演。舞浜、いや“マイパマ”で、ツアーの集大成にふさわしい煌めくライブステージをみせてくれた。本稿ではそのうち、夜の部の模様をお届けする。
■千秋楽の幕開けは、必殺ナンバー2曲とともに
アイドルたちが順にプリパラチェンジをするOP映像を経ての1曲目は、いきなり全出演者が登場してのシリーズアンセム「Make it!」。アイドルたちはステージ縁にまで出て歌い、Dメロ明けにはお立ち台に登る者も。いい意味でのっけからどこを観ればいいかわからない、賑やかな幕開けだ。
そして続く「Love friend style」は、頭サビ最初のフレーズを田中・山下七海が順に担当。本来は田中演じるのんの姉・らぁら役の茜屋日海夏が担当するパートを田中が歌うところも、非常にアツい。その頭サビが明けてからは、イントロ中のコールでまたも場内は大盛り上がり。加えてサビ前のWITHによる「いっくぜー!」など、この日ならではのバージョンでのアツさも感じることができた。
曲明け、それぞれの自己紹介では「ジェルジェルー?(渡部)」「エーンジェルー!(観客)」をはじめとした、キャラクターに紐付いたコール・アンド・レスポンスも次々飛び交う。しかもそれも、ちりそのものの大森の「かしこまりなさーい!」のシャウトに対応して“かしこまった”り、土田のリクエストに対する“囁きのいいぜ”などバリエーションも様々なものに。
それを最後に伊達が「今日はチームを超えて、ゆめスペシャルなライブを!」とまとめると、マイドリームのミドルポップ「ピュア・ハート・カレンダー」から各アイドルのステージがいよいよ始まっていく。この曲は客席通路へと降りて歩きながらの披露となり、中でも伊達は、観客とハイタッチを交わしながら通路を進んでいく。
そして3人は1サビを通路上のお立ち台で歌うと、2番ではさらに後方の通路へ。山田はミーチルらしく優雅に微笑みつつ、大地は楽しそうにサビなどの要所で跳ねたりしながらキャラクターの楽しさと自身の楽しさの両方を発露させたステージングをみせる。また、メインステージに戻っての大サビでは、伊達のダンスのクオリティがさらに上がった印象。細部での身体の沈ませ方なども、大きくなっていた。
曲が終わると山田だけがステージに残り、ガァルマゲドンの3人との「し~くれっと!ラタトゥイユ」へ。Bメロの山田のソロは、脚でサークルを描くなど曲に合わせたキャラらしい優雅なフリが印象的。やはり渡部のダンスはみかんの天真爛漫さとリンクした非常に大きなものだし、真田もガァルルらしい無邪気さが、歌声・ダンスに乗っている。ファンのコールも、どこをとっても完璧だ。
最後にポーズを決めると山田が降壇し、ガァルマゲドン3人での「神曲! ~Gaarmage Tourism~」へ。冒頭からセリフに合わせての佇まいが、もう完璧にガァルマゲドン。ここでもふんだんに織り込まれたコールで、観客を巻き込み楽しく遊んでいく。歌声での表現や遊びでは、特に牧野のものにあろまらしが出ていたように思う。また、2サビではセンターステージが回転し始め、『プリパラ』のステージらしさがさらに表現されていた。
続いてメインステージに登場したのは、朝比奈。ダンスナンバー「メイクマニー・メイクドリーム」をキリッとした表情で、頭サビ明けから動きの一つひとつに抜群の切れ味をもたせながら歌い踊ってみせる。
サビでは「メイクマニー」のフレーズに合わせ親指と人差し指でマルを作る部分など、芸の細かい振付もバッチリ魅せて、しゅうかが歌う意義も見せつけた。さらに「友達はいちばんかけがえのないもの」という2サビ明けのセリフには華園しゅうかという人物の成長も感じられ、胸が熱くなる。
そこに大森が加わってのダンス・ポップ「ゴー!ゴー!ゴージャス!」では、イントロ中のふたりの「頭が高ーい!」のセリフが印象的。Aメロはメインを片方が歌い、もう片方がセリフで返していくというやりとりも。サビの「ゴー!ゴー!ゴージャス!」のフレーズでの扇子を振るような振付にも、歌詞通りまさしくゴージャス感があった。
■新曲連発! 息もつかせぬステージが次々展開
そしてWITHの登場を予告するムービーに続いて「好きにしてI-I-Z-E」のイントロが流れると、場内には歓喜の声が。リフトアップで3人が登場すると、冒頭のセリフでまたも場内に黄色い歓声が響き渡る。ここではバッキバキのEDMに乗せて、キレキレのダンスと爽やかなボーカルで観客を魅了。1サビ明けのラップをスタイリッシュに決め、2番でセンターに出てきて微笑みながらのパフォーマンスはまさに王子様そのものだった。
歌唱後、“男プリ”と化した場内に「いいぜ!」の声が響き続けるなか、3人はタオルを手にして通路に降りて「ALWAYS WITH YOU!!!」へ。まさにタイトルを体現するような形で披露したこの曲では、1サビ後に小林がカメラに向かってピースを決める場面も。また、山下誠一郎の観客とハイタッチを交わしていく姿が、実は“夢川兄妹”のパフォーマンスで重なった部分。ひたすら楽しく盛り上がるアツいナンバーの中に、そんなエモさも生んでいた。
そしてメインステージ上には、かわってノンシュガーの3人の姿が。まずは歌声・ダンスの双方にキュートなキャラクター性を織り込んだスパイシー♪ホット*ケーキ!!!」から。ソロがフィーチャーされる2-Aメロでも3人のコンビネーションはバッチリで、わちゃわちゃ感の強めなメロディなのにもかかわらず決め所を3人とも外さないところが、“甘くない”感があってよい。曲明け、再び大森が「まだまだ頭が高いですわ!」と観客を“かしこまらせる”と、さらに「新曲で、もーっとかしこまらせてあげますわ!」と宣言して新曲「リバーブ・ザ・リバース!」へ。
よりハイテンポでなデジタルチューンは、セリフも織り込まれた早口なAメロに、テンポに比例したステップの細かさにと確実に過去曲から難易度UPしたナンバー。しかし、2サビ明けの田中の「少しだけオトナになった私たちの新曲、まだまだ甘くないよー!」のセリフ通り、歌詞も含めて成長の見られるこの曲を、3人ともバッチリこなしている。そのうえで、歌詞や振付でグー・チョキ・パーをしっかり押さえてくれているのも、また嬉しいポイントだ。
そして流れるひびきのナレーション。そのなかで彼女も新曲を披露すると告げると、センターステージに斎賀がリフトアップで登場。さらに一段と高いお立ち台状にまでせり上がったステージの上で、ダンサーふたりを従えながら少しジャジーでオトナな新曲「嘘つきはTomorrowの始まり」を歌唱。
1番はスタンドマイクで、2番はハンドマイクにして左右の観客も向きながら、麗しく歌っていく。歌唱後には、入れ替わりに佐藤が登場。こちらもスタンドマイクを前に「地球が恋するうたうたい」を初披露する。少々ゆったりめのナンバーでありながら、手の振りはピッピッと機敏なもの。また、サビ明けにはサウンドにマッチするしとやかなステップも披露し、従来の持ち歌「コノウタトマレイヒ」とはまた違う魅力をみせてくれた。