デルは6月18日と19日、最新のビジネス向けパソコンを中心にスマートワークを体感できる「Dell Cafe」を、東京の虎ノ門で開催。2019年3月から順次発表されているビジネスPCブランド「Latitudeシリーズ」の新モデルに、実際に触って確認できました。あわせて、USB-C接続による追加モニターソリューションや周辺機器も展示されていました。

  • 期間限定で開設されたDell Cafe

  • 初日の17時過ぎには一般のお客さんも来場

  • 最近のデルが力を入れているバッグ類も展示。おそらくもっとも高価な「Dell Premier バックパック 15」でも10,500円(税別)と比較的リーズナブル。この製品は、空港の保安検査でPCをバッグから取り出さずに検査可能な「TSA-Friendly」に対応します

  • 周辺機器も多数展示。奥側に並んでいるUSB-PD 65W出力可能な「Dell Notebook Power Bank Plus - PW7018LC」や、45Wの電源+ACアダプタの「デル・ハイブリッド・アダプタ + 電源バンク - PH45W17-CA」があれば、長時間のPC利用を実現できます

イベント開始に先立ち行われたメディア向けの説明会では、デルの飯塚祐一氏が製品を紹介。PCが壊れるとビジネスも止まってしまうので、デルのLatitudeシリーズは8種類の米軍MILスペック基準に沿ったテストを行っているそうです。

  • デル クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品マーケティング本部 フィールド・マーケティング・マネージャー、飯塚祐一氏

  • ビジネスPCには堅牢性が重要で、8種類の米国防省調達基準をクリア

  • Latitudeシリーズのラインナップ。今回は幅広い製品をリニューアル

  • 全製品、ナローベゼルの液晶でフットプリントが小さくなったほか、セキュリティも強化。クールでスタイリッシュになっています

Latitude 7400 2-in-1はIntel Context Sensing Technologyに基づき、PCの前に人がいるかいないかを判定。離席時には自動でスリープ状態になり、PCに接近するとWindows Helloによる迅速なサインインが行えます。これによって、省電力性とセキュリティ性を高めます。

ナローベゼルの液晶を採用したことで、13インチクラスの本体に14インチの液晶画面が収まっています。加えて、ナローベゼルにも関わらず、小型化したカメラユニットを画面上部に配置。ビデオ会議の多いリモートワークに配慮しています。Windows Hello対応のログインはカメラとだけでなく、オプションの指紋センサーでも可能です。

そして、フル充電から26時間以上使えるスタミナと、20分で最大35%(Dell ExpressCharge Boost)、60分で最大80%(Dell ExpressCharge)まで急速充電できるのも特徴です。

  • Latitude 7400 2-in-1は「全部入り」。ディスプレイ上部が光っているのはWindows Helloの顔認証中であることを意味しているほか……

  • Intel Context Sensing Technologyという近接センサーソリューションを採用。ユーザーがPCに近づくと自動的にスリープから復帰し、離席するとスリープ状態になります

上位シリーズのLatitude 7000シリーズは、7300と7400の2モデルをラインナップ。ナローベゼルのほか、Wi-Fi 6とWWANによる「いつでもどこでも無線接続」をアピール。また、サスティナビリティに配慮して、梱包材の一部に海辺・河川・沿岸地域から回収したプラスチックを処理した「海洋プラスチック素材」を使っています。

ミッドレンジとなるLatitude 5300・5400・5500は、要望の高いというフルHDモデルを用意したほか、カメラを物理的に使用不能にするシャッターを装備。同様に、エントリークラスの3000シリーズでも、新開発のLatitude 3301でナローベゼルのフルHDモデルを用意しています。Latitude 3301は、デルのオンラインストアで67,980円から(税別・配送料込)という価格も魅力です。

  • 写真は、Latitude 7400と、液晶ディスプレイのDellデジタルハイエンドシリーズ「U4919DW」との連携ソリューション。U4919DWは、27インチQHD×2画面分という広大さ。2系統入力の同時表示も可能です

  • Latitude 7300

  • Latitude 7400/7300の主な仕様

  • Latitude 7400/7300のアピールポイント

  • Latitude 5500

  • Latitude 5400

  • Latitude 5300

  • Latitude 5500・5400・5300の主な仕様

  • Latitude 5500・5400・5300の主な特徴

  • Latitude 3301。3000シリーズでもナローベゼルです

  • Latitude 3301の主な仕様

  • Latitude 3301の主な特徴

今回紹介された7000シリーズはQualcomm X20モデムのLTE、5000・3000シリーズにはIntel 7360のLTE接続にも対応しています。さらに、5000シリーズ以上は顔認証によるWindows Hello対応、電源ボタンに指紋認証機能を搭載可能(オプション)といったように、モビリティとセキュリティの進化が印象的でした。

  • カメラのプライバシーフィルタ。左にあるツマミが「右の状態」でカメラが使えます。中央のカメラ部分に丸いレンズ部が見えます

  • ツマミを左に動かすとカメラ部分が赤っぽくなり、使用不能に。仮に、外部からPCが乗っ取られたとしても、カメラ撮影はできません

  • 横からのぞきこまれても画面が見えないプライバシーフィルタは、機種に合わせた専用品を用意

今回のLatitude、USB Type-Cが全面的に利用できるようになり、接続性が大幅に向上しました。一方、本体スペースの関係から、VGA(D-Sub)出力と有線LANコネクタが省かれました。これら2つのレガシーコネクタ、オフィスの現場では根強いニーズがあります。VGAはプロジェクタ用途、有線LANは「ネットワーク接続は有線のみ、Wi-Fiはセキュリティ上の理由で禁止」という企業もあります。

NGAと有線LAN、省略した背景を飯塚氏に聞いたところ「(薄型化を進めた結果)コネクタが物理的に入らなくなった。ポップアップ型のような解決策もあるが、故障率が高くなってしまう」とのこと。ドッキングステーションでカバーするのが現実的です。

そのドッキングステーション、面白い製品が展示されていました。例えば、USB PDの仕様上は100Wの給電が可能ですが、今のところ現実的には65Wまでがいいところ。そこで、2つのUSB PDコネクタを使って、一層の電力供給を可能としたドッキングステーションが展示されていました。より電力を消費するワークステーション対応の製品です。

  • ドッキングステーション「WD19TB」のUSB Type-Cコネクタは2つ用意されており、USB PDでの給電として、ワークステーションの消費電力にも対応しているのが特徴です。USB Type-Cコネクタが合体分離でき、USB Type-Cコネクタが2つ並んでいないPCでも利用可能になりました

USB-C接続の液晶ディスプレイも多く紹介していました。USB-Cでの電力供給と映像信号のやりとり(DisplayPort Alt Mode)が可能となり、USB Type-Cケーブルを1本つなげば、ノートPCの電力供給と外部ディスプレイ接続を両立できます。ディスプレイ製品では、一般的なアスペクト比16:9のワイド画面だけでなく、32:9のウルトラワイド製品もも展示していました。

複数のディスプレイを接続したとき、画面上でウィンドウ表示を管理する「Dell Display Manager」も便利。ウィンドウ配置をパターンで指定することによって、開いているウィンドウの並びをすばやく変えたり、再接続時に前回のウィンドウ配置を復元したりする機能があります。マルチモニターの便利さを簡単かつ十分に享受できます。

このDell Display Managerは「2013年以降に開発されたデル製モニターでのみ動作」という条件がありますが、「他社製のPCでは動作検証をしていないものの、多分動く」(担当者談)ということです(ただしサポート外)。

  • Dellデジタルハイエンドシリーズ「U2719DC」。USB Type-C接続で、ノートPCとケーブルを1本つなぐだけで、電源供給と外部モニター出力、USB接続を実現します

  • マルチモニターの例。USB Type-Cで片方のモニターに接続し、もう一台はモニターからモニターに接続しているので、この例では3台のモニター画面を即利用可能となります

  • マルチモニター時のウィンドウ管理は「Dell Display Manager」で。ウィンドウ配置を簡単に調整でき、前回の接続時に戻すことも可能

  • Dellデュアルモニタースタンド「MDS19」も用意。19~27インチモニター×2台を1つの台座でマウント可能

  • MDS19は、16:10までモニターを「縦画面」にも設定可能。縦長の書類やWeb画面を効率よくチェックできますね