デルは6月18日と19日、最新のビジネス向けパソコンを中心にスマートワークを体感できる「Dell Cafe」を、東京の虎ノ門で開催。2019年3月から順次発表されているビジネスPCブランド「Latitudeシリーズ」の新モデルに、実際に触って確認できました。あわせて、USB-C接続による追加モニターソリューションや周辺機器も展示されていました。
イベント開始に先立ち行われたメディア向けの説明会では、デルの飯塚祐一氏が製品を紹介。PCが壊れるとビジネスも止まってしまうので、デルのLatitudeシリーズは8種類の米軍MILスペック基準に沿ったテストを行っているそうです。
Latitude 7400 2-in-1はIntel Context Sensing Technologyに基づき、PCの前に人がいるかいないかを判定。離席時には自動でスリープ状態になり、PCに接近するとWindows Helloによる迅速なサインインが行えます。これによって、省電力性とセキュリティ性を高めます。
ナローベゼルの液晶を採用したことで、13インチクラスの本体に14インチの液晶画面が収まっています。加えて、ナローベゼルにも関わらず、小型化したカメラユニットを画面上部に配置。ビデオ会議の多いリモートワークに配慮しています。Windows Hello対応のログインはカメラとだけでなく、オプションの指紋センサーでも可能です。
そして、フル充電から26時間以上使えるスタミナと、20分で最大35%(Dell ExpressCharge Boost)、60分で最大80%(Dell ExpressCharge)まで急速充電できるのも特徴です。
上位シリーズのLatitude 7000シリーズは、7300と7400の2モデルをラインナップ。ナローベゼルのほか、Wi-Fi 6とWWANによる「いつでもどこでも無線接続」をアピール。また、サスティナビリティに配慮して、梱包材の一部に海辺・河川・沿岸地域から回収したプラスチックを処理した「海洋プラスチック素材」を使っています。
ミッドレンジとなるLatitude 5300・5400・5500は、要望の高いというフルHDモデルを用意したほか、カメラを物理的に使用不能にするシャッターを装備。同様に、エントリークラスの3000シリーズでも、新開発のLatitude 3301でナローベゼルのフルHDモデルを用意しています。Latitude 3301は、デルのオンラインストアで67,980円から(税別・配送料込)という価格も魅力です。
今回紹介された7000シリーズはQualcomm X20モデムのLTE、5000・3000シリーズにはIntel 7360のLTE接続にも対応しています。さらに、5000シリーズ以上は顔認証によるWindows Hello対応、電源ボタンに指紋認証機能を搭載可能(オプション)といったように、モビリティとセキュリティの進化が印象的でした。
今回のLatitude、USB Type-Cが全面的に利用できるようになり、接続性が大幅に向上しました。一方、本体スペースの関係から、VGA(D-Sub)出力と有線LANコネクタが省かれました。これら2つのレガシーコネクタ、オフィスの現場では根強いニーズがあります。VGAはプロジェクタ用途、有線LANは「ネットワーク接続は有線のみ、Wi-Fiはセキュリティ上の理由で禁止」という企業もあります。
NGAと有線LAN、省略した背景を飯塚氏に聞いたところ「(薄型化を進めた結果)コネクタが物理的に入らなくなった。ポップアップ型のような解決策もあるが、故障率が高くなってしまう」とのこと。ドッキングステーションでカバーするのが現実的です。
そのドッキングステーション、面白い製品が展示されていました。例えば、USB PDの仕様上は100Wの給電が可能ですが、今のところ現実的には65Wまでがいいところ。そこで、2つのUSB PDコネクタを使って、一層の電力供給を可能としたドッキングステーションが展示されていました。より電力を消費するワークステーション対応の製品です。
USB-C接続の液晶ディスプレイも多く紹介していました。USB-Cでの電力供給と映像信号のやりとり(DisplayPort Alt Mode)が可能となり、USB Type-Cケーブルを1本つなげば、ノートPCの電力供給と外部ディスプレイ接続を両立できます。ディスプレイ製品では、一般的なアスペクト比16:9のワイド画面だけでなく、32:9のウルトラワイド製品もも展示していました。
複数のディスプレイを接続したとき、画面上でウィンドウ表示を管理する「Dell Display Manager」も便利。ウィンドウ配置をパターンで指定することによって、開いているウィンドウの並びをすばやく変えたり、再接続時に前回のウィンドウ配置を復元したりする機能があります。マルチモニターの便利さを簡単かつ十分に享受できます。
このDell Display Managerは「2013年以降に開発されたデル製モニターでのみ動作」という条件がありますが、「他社製のPCでは動作検証をしていないものの、多分動く」(担当者談)ということです(ただしサポート外)。