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【この記事のエキスパート】
山岳/アウトドアライター&プロデューサー:高橋 庄太郎
1970年宮城県仙台市出身。高校山岳部で山歩きを始め、早稲田大学卒業後は出版社に勤務。
その後、フリーランスのライターに。著書に『山道具 選び方、使い方』(枻出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)などがあり、近年はテレビ番組やイベントへの出演も増えている。また、アウトドアメーカー各社とのコラボレーションを行なう自身のブランド「SCREES」を立ち上げ、製品開発にも取り組んでいる。
この記事では、登山などに役立つトレッキングポール(ストック)の選び方とおすすめ商品を紹介。モンベル、シナノ、ブラックダイヤモンドなど多数の人気メーカーから発売されており、収納しやすい折りたたみタイプや軽量なカーボン製などがあります。自分に合う長さかも確認!
足への負担を減らし疲れを軽減!
トレッキングポールとは
トレッキングポールを両手に持つことで、2足歩行から4足歩行になり、バランス感覚がアップ。歩く際の推進力アップにもつながるため、登山時に歩きやすくしてくれます。
上り坂や下り坂といった傾斜の変化がある道で、体重をかけることができるため、あるのとないのでは疲労感が全く異なってきます。
ただし、急すぎる上り坂や下り坂での使用は危険なのがデメリット。たたんでバックパックにしまうようにしましょう!
トレッキングポールの選び方
それでは、トレッキングポールの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の7つ。
【1】身長に合わせたサイズ(長さ)
【2】素材
【3】グリップの形状
【4】収納方法
【5】シャフトのロック方法
【6】足部分のキャップとチップが交換できるか
【7】安全を高める機能
上記の7つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】身長に合わせたサイズ(長さ)を選ぶ
トレッキングポールは斜面の傾斜に合わせ、登り道では少し短く、下り道では少し長くして使います。
商品を選ぶときは、平地に立ってグリップを握ったときに肘が直角になる長さが基本です。つまり、適した長さは使う人の身長によって異なります。
多くのポールは数本継がれたシャフトを伸縮させて長さを調整できますが、伸縮の幅には限度があるため、自分の身長に合わせたものを選ばなければ効果的に使えません。
モデルによっては2~3種のサイズ展開があるので、自分に適した長さのものを選びましょう。
女性用のシャフトは身長が低い方が多いのを考慮して短く設計されているため、小柄な男性にも向いています。
【2】素材で選ぶ
アウトドア用途のトレッキングポールのなかには、トレイルランニング用や山岳レース用もあります。どれも軽量性を重視して華奢(きゃしゃ)な作りになっており、強度の面では一般的な登山には向いていません。
軽量なほうが腕は疲れにくいものの、ある程度の重さがあったほうが振り子のようにリズミカルに使うことができ、むしろ疲れにくいという方もいます。このあたりは使う方との相性もあるので、できれば一度は実際に現物を握ってみて、自分に一番しっくりくるものを選ぶとよいでしょう。
ここでは、主な2種類の素材についてご紹介します。
価格で選ぶなら「アルミ」
価格が安いアルミ。カーボンと比べるとやや重量があります。強い力を入れれば曲がることはありますが、完全に折れるようなことはほとんどなく、安心して使えます。
ただし、使用後に濡れたままにしておくと、サビが生じて固まってしまうのが問題です。
強度で選ぶなら「カーボン」
最近増えているのはカーボンで、軽量なのが大きな長所です。サビの心配がなく、メンテナンスもかんたんと、いまやメリットはアルミ合金以上です。
価格はアルミ合金よりもカーボン製のほうが高価なため、セレクトする際は予算との相談になるかもしれません。
【3】グリップの形状で選ぶ
トレッキングポールの使い心地は、直接肌に触れるグリップやストラップの素材や太さにも大きく左右されます。肌触りがよく、腕に負担がかかりにくいものを探しましょう。
雪山でも使う可能性がある方は、深雪の中に先端部が深く突き刺さらないようにするために、先端のリング(バスケット)をスノーバスケットというパーツに交換できるものが適しています。
ここでは、I字型とT字型の2種類のグリップ形状についてそれぞれ解説していきます。
上りで疲労の軽減に力を発揮するI字型
I型のトレッキングポールは、スキーのストックのようにストレートな形状で、傾斜の激しい道などに向いていて、平坦な道では前への推進力が増します。
ただし、握る際に力が入りやすいので、不慣れだと先に腕が疲れてしまうことがあるので、注意が必要です。
体力に自信がある経験者は1本で使っている場合が多く、体力に自信がない初心者は2本セットで使った方がいいでしょう。
のんびり歩くならT字型
ステッキのように持ち手がT字型になっており、上から握って使用します。1本で使用する場合が多く、下りや平坦な道に向いていて、体重をかけやすく、初心者におすすめ。また、I型と異なり腕が疲れにくいと言われています。
なお、片手が空くため、登山中に写真撮影などがしやすくなります。
【4】収納方法で選ぶ
トレッキングポールには2種類の収納方法があります。ひとつは伸ばした際も収納時も1本の棒のような「テレスコーピング式」、もうひとつは伸ばすと棒状で、収納時は数本に分割されてZ字型になる「折りたたみ式」です。
雪山登山などのハードな環境下でも問題なく使えるテレスコーピング式に対し、軽量コンパクトになる折りたたみ式。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
テレスコーピング式|雪山登山などハードな環境下でも安心
昔から使われていて、雪山登山や険しい山道といったハードな環境下でも安心して使用できる高い強度が魅力なのが、テレスコーピング式。
地形に合わせた長さ調節も可能で、安価で選択肢が多い反面、コンパクトさには欠けます。大きめのザックまたはザックの外側に取り付けて持ち運ぶことになるため、携帯性を重視するなら折りたたみ式が向いています。
折りたたみ式|超軽量コンパクト
軽くてコンパクトになるので、登山時の荷物を減らしたいならとても便利。ただし、強度は高くないためテレスコーピング式のように雪山登山などのハードな環境には向いておらず、ゆるやかな低山の登山での使用がおすすめ。
また、価格も高価で長さが固定されているポールもあるので、購入時には自分がどんな使い方をするか事前に決めてからにしましょう。
【5】シャフトのロック方法で選ぶ
長さの調節ができる伸縮性のトレッキングポールは、スクリューロック式、レバーロック式、ピンロック式、ハイブリッド式の4種類のロック方法があるので、それぞれ解説していきます。
シャフトを回して長さを調節するスクリューロック式
一般に浸透しているのがスクリューロック式で、シャフトを回して長さの調節を行う、昔からあるロック方法になります。使い方がかんたん、壊れにくい、安価な価格、種類も豊富です。
しかし、シャフトをゆるめたり、固定する際に、力を入れすぎると壊れてしまう場合があるので、注意が必要です。長時間・長距離歩いて体力を消耗した状態では、若干面倒に感じてしまうかもしれません。
力が弱くてもかんたんに使えるレバーロック式
ワンタッチでロックのオンオフができるため、スクリューロック式よりもさらにかんたんで、力が弱い女性にも人気なのがレバーロック式になります。
グローブをしたままでもサッと操作ができ、長さの調節が頻繁にある際におすすめですが、レバー部分が枝などに引っ掛かったりして邪魔になる場合があるので、気が生い茂った場所では注意して歩きましょう。
コンパクトに収納できるピンロック式
シャフトを伸ばしてピンで固定するのがピンロック式になります。コンパクトに収納できる点が魅力ですが、強度が弱く、ロックをしっかり行わないと体重をかけた時に縮んでしまいケガの危険性があります。
そのため、事前に使用方法やピンが確実にロックされているか、しっかりと確認しておく必要があります。
いいとこどりをしたハイブリッド式
スクリューロック式、レバーロック式、ピンロック式のいいとこどりをしたのがハイブリッド式。その分、構造は複雑になっていますが、信頼性が高く扱いやすくなっています。
組み合わせの中でも「ピンロック式×レバーロック式」は、操作がかんたんであまり力が必要ないので、女性におすすめです。
【6】足部分のキャップとチップが交換できるかも確認
トレッキングポールの足部分にあるのが石突きです。この石突き部のチップは使用していると壊れてしまうことがあるので、長く使うならこのチップが交換できるトレッキングポールを選びましょう。
なお、石突きは岩場などで滑らないよう鋭利に作られているため、地面や植物を傷つけてしまうため、必要な時以外は石突きにキャップをして使うのがマナーになります。
【7】安全を高める機能もある
トレッキングポールを購入する際は、便利な機能を搭載しているかも忘れずにチェックしましょう。ここでは、2種類の便利機能についてご紹介します。
アンチショック
シャフトの中にスプリングが内蔵されていて、トレッキングポールが地面に設置した際の衝撃を吸収してくれます。手にかかる負担の軽減になり、手首の痛みを和らげてくれます。ハードな登山で、その効果を発揮してくれるでしょう。
バスケット
トレッキングポールが地面に設置する際、過度に刺さらないようにしてくれるのがバスケット。雪山やぬかるんだ地面を歩いていると、思っていたよりも刺さり転んでしまう可能性があるので、バスケットが搭載されていると安心です。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)