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【この記事のエキスパート】
Cha Tea 紅茶教室代表:立川 碧

Cha Tea 紅茶教室代表:立川 碧

紅茶はワインと同じように産地により香りや味が異なり、楽しむ器の形状によって風味も変化しますが、まだまだ知識の普及が進んでおらず「紅茶」とひとくくりにされてしまうことが多い飲みものです。

飲む紅茶、文化としての紅茶、皆さまが自分好みの紅茶を探すお手伝いが出来れば嬉しいです。


香り高く芳醇な味わいから世界中で愛されているダージリンティー。この記事では、Cha Tea 紅茶教室代表・立川 碧さんへの取材をもとに、おすすめのダージリンティーをご紹介します。記事後半には、通販サイトの最新人気ランキングもあります。

美味しい飲み方も紹介
ダージリンティーとは?

ダージリンティーは、インドのダージリン地方の茶葉を使った紅茶のことです。香り豊かで「紅茶のシャンパン」とも呼ばれ、セイロンのウバ、中国のキーマンと並んで「世界三大銘茶」と称されます。

美味しい飲み方は、やはりストレートティー。その豊かな香りを楽しんで、美味しく飲むことができますよ。

ダージリンティーは希少なもの

【エキスパートのコメント】

ダージリンティーは北インドのダージリン地区で栽培されており、同地区はEUで地理的表示保護地域(産品の名称を知的財産として登録・保護されている地域)に指定されている希少な紅茶産地です。

その生産量はインド全体で収穫される紅茶のたった1%弱。つまり市場に出まわっているダージリンの多くは、果汁数%のジュースと同じように、ブレンドされたものなのです。

海外では、100%のダージリンティーでない限り「ダージリン」を名乗ることはできませんが、日本ではまだ容認されています。ですのでダージリンを購入する際には、100%なのか一部のみを使用したブレンドティーなのかを確認することが大切です。

市場に出回っているダージリンはほぼ「ブレンド品」!

【エキスパートのコメント】

ダージリンティーは山岳地帯で生育するため、香りが豊かで渋みも強く、かなり個性的な風味になります。ファースト、セカンド、オータムナルそれぞれ旬の時期のダージリンティーは100gで5,000~1万円近い金額がつくことも。

さらに、茶園名、収穫時期がはっきりしているシングルオリジンティーのみに限ってしまうと、日常用にするには金額的にやや手が出しにくい銘茶でもあります。

そのため、若干品質の落ちるモンスーンシーズンのダージリンと旬の時期のダージリンをバランスよく混ぜた「ダージリン・ブレンド」の需要が高く、各ブランドが一流のブレンダーの技を持って、風味豊かなダージリン・ブレンドティーをプロデュースしています。

味わいの違いを感じて
ダージリンティーの選び方

紅茶教室代表の立川 碧さんへの取材をもとに、ダージリンティーを選ぶときのポイントをご紹介します。

季節で変わる風味
収穫時期で選ぶ

ダージリン地区は紅茶の産地にしては珍しく、四季を持つ産地です。収穫時期は「ファーストフラッシュ」「セカンドフラッシュ」「オータムナル」という3つに分かれ、それぞれ香りや味が変わってきます。特徴をチェックしましょう。

3~4月に収穫される「ファーストフラッシュ」

その年の春一番に摘まれた紅茶を「ファーストフラッシュ」といいます。収穫時期は3~4月。若々しいフレッシュな茶葉は、発酵が浅く春らしい風味を楽しむことができます。

【エキスパートのコメント】

春一番の新芽で作った紅茶は「ダージリン・ファーストフラッシュ」。フレッシュで、若葉の香りがするダージリン・ファーストフラッシュは、和菓子にもとても合う味わいです。

5月下旬から6月に収穫される「セカンドフラッシュ」

夏場に収穫される「セカンドフラッシュ」の特徴は、マスカテルフレーバーと呼ばれる独特の香り。茶葉の生育にとって恵まれた気候条件になる時期なので、味も香りも最高のクオリティーになるといわれます。甘みのある口当たりも魅力です。

【エキスパートのコメント】

5月下旬から6月にかけて収穫される2番茶「セカンドフラッシュ」は、フルーツを完熟させたような甘い香りを持っています。コクもある印象的な茶葉で、バターを使用したお菓子との相性が抜群です。

秋に収穫される「オータムナル」

秋になると収穫される「オータムナル」。その年最後のシーズンです。芳醇でまろやかな風味が特徴的で、渋みが少なく初心者でも飲みやすいですよ。3つのシーズンのなかでは、比較的お手ごろ価格で手に入るのも特徴です。

【エキスパートのコメント】

品質の落ちるモンスーンのシーズンを経て、秋を迎えると「オータムナル」の収穫シーズンがやってきます。ファースト、セカンドに比べるとまろやかで、渋みの少ないオータムナルはどのお菓子にも合わせやすく重宝します。

好みの味を探して
茶園を選ぶ

ダージリン地区の中でも、茶園によって味わいが微妙に異なります。いろいろな味を試して、好みの茶園を見つけるのも楽しいですよ。

【エキスパートのコメント】

ダージリンには現在、約90ほどの茶園があります。茶園の位置する場所、各茶園が植樹しているお茶の品種、製茶の方法により、その風味はダージリン地区のなかでも微妙に異なります。そのためシャンパンの愛好家がメゾン(生産者)にこだわるように、ダージリン好きのなかにも、茶園へのこだわりを持っている人もたくさんいます。

紅茶は農産物ですので、茶園ごとの味も毎年変化します。どこが一番とは決めにくいのですが、ダージリンを飲まれた際に茶園名を記録しておく習慣をつけると、自分好みの味に辿り着きやすいかもしれません。

新年初出荷は「DJ-1」
ロットナンバーで選ぶ

ダージリンでは各茶園が紅茶を出荷する際に、ロットナンバーをつける決まりがあります。通称DJナンバーと呼ばれており、DJはダージリンの意味です。ロットナンバーに注目した選び方を教えてもらいました。

【エキスパートのコメント】

茶園の大小があるため、オータムナルの時期になると大きな茶園では400番台などの番号まで、小さな茶園だと100番台で収穫を終える茶園もあります。そのすべての茶園で共通しているのが、新年最初の出荷はロットナンバーを「DJ-1」とすることです。

長い冬を経て待ち焦がれたDJ-1の茶葉は、その年の茶園の出足を評価される茶葉でもあるため、各茶園が全精力を傾けて製茶をします。ロットナンバーにこだわりを持って選んでみることも1つの方法です。

紅茶教室代表からのアドバイス
まずは本物を飲んでみよう!

【エキスパートのコメント】

ダージリンで作られる紅茶は非常に個性的で、一度飲んだら記憶に残るすばらしい風味です。収穫量の少なさや価格の高さから、残念ながら日本では紅茶の専門店でない限り、なかなか100%の茶葉や旬の時期に製茶されたダージリンを楽しむことはできません。

しかし一度その魅力を知ると、自然が生み出したすばらしい芳香に感激してダージリンが特別な紅茶になる方も多数います。少しでも興味がある方はぜひ勇気をだして、100%オリジナルのダージリンを楽しんでみてください。紅茶の奥深さに感動するはずです。

選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)