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【この記事のエキスパート】
Cha Tea 紅茶教室代表:立川 碧
紅茶はワインと同じように産地により香りや味が異なり、楽しむ器の形状によって風味も変化しますが、まだまだ知識の普及が進んでおらず「紅茶」とひとくくりにされてしまうことが多い飲みものです。
飲む紅茶、文化としての紅茶、皆さまが自分好みの紅茶を探すお手伝いが出来れば嬉しいです。
自宅やオフィスなどで手軽に飲める「ティーバッグ紅茶」。この記事では、ティーバッグ紅茶の選び方と、おすすめ商品を厳選。アイスやミルク、レモンやチャイなどさまざまな飲み方を楽しめるものや、カフェインレスの紅茶もピックアップしています。
ティーバッグ紅茶の選び方
紅茶は、緑茶やウーロン茶などと同じ「チャの木」が原料です。これを完全に発酵させたものが紅茶となります。ひとくちに紅茶といっても種類や味わいはさまざま。まずは、主な紅茶の種類とその特徴や選び方のポイントを解説していきます!
茶葉の産地による違いで選ぶ
同じチャの木から作られる紅茶でも、産地や茶園によって味や香りは違います。標高や日照時間、雨量など少しの違いによって、味の要であるタンニンなどの成分や香りの成分が変化するためです。
ここでは、紅茶の代表的な産地の特徴を紹介します。
インド|世界三大紅茶のひとつ「ダージリン」
インド紅茶で広く知られているのはダージリン、アッサム、ニルギリです。
ダージリンはインド北東部、東ヒマラヤ山麓にあるダージリン地方で生産される紅茶です。マスカットや花のような香り高さが特徴で「紅茶のシャンパン」と呼ばれることもあり、世界三大紅茶として広く知られています。ダージリンは年3回収穫され、時期によって香りや味、水色(読みは「すいしょく」、紅茶の色のことを指します)などがことなります。
3~4月に収穫される「ファーストフラッシュ」、5~6月に収穫される「セカンドフラッシュ」、10~11月に収穫される「オータムナル」があります。なかでも「セカンドフラッシュ」はダージリンの最高クオリティとされています。
インド|芳醇な香りとコクのある味わいの「アッサム」
アッサムはインド北東部にある世界最大級の紅茶の産地、アッサム平原で生産されています。茶葉は濃厚な甘みとコクのある味わいで、芳醇な香りが特徴です。水色は濃く深い紅色になります。
ダージリンと同じく収穫シーズンによって味や香りが変わりますが、その違いはダージリンよりもわずかです。
インド|レモンやミルクとも合う「ニルギリ」
ニルギリはインド南部に位置しており、スリランカにも近い位置にあります。そのため、インドの紅茶の甘いコクと、スリランカの紅茶のすっきりとした爽やかさをあわせ持っています。レモンやミルクなどとの相性も抜群です。
スリランカ|標高によって種類が異なる
スリランカで生産される紅茶は、旧国名の「セイロン」を取ってセイロンティーと呼ばれています。
スリランカは標高の高低差が激しい土地で、茶園や加工工場の標高によって、ハイグロウン(標高約1200m以上で生産された紅茶)、ミディアムグロウン(標高約600~1200mで生産された紅茶)、ロウグロウン(標高約600m以下で生産された紅茶)の3つに分類されます。以下でそれぞれの特徴を紹介します!
ハイグロウン|ウバ・ヌワラエリア・ディンブラ
ウバはダージリンと同じく世界三大紅茶として知られ、明るい赤みのある水色と花香の刺激的なフレーバーが特徴。
ヌワラエリアは水色や淡いオレンジ色、緑茶のような独特な渋みで清涼感のある味わいが特徴です。
ディンブラは味や香りのバランスがよく、ブレンド向きの紅茶として広く知られています。
ミディアムグロウン|キャンディ
キャンディはスリランカ中央部、ミディアムグロウンで生産される紅茶でセイロンティー発祥の地といわれています。香りや渋みが控えめでクセがなく、飲みやすい味わいです。水色は明るめの紅色で、冷えても濁りにくいのでアイスティーにも向いています。
ロウグロウン|ルフナ
ルフナはスリランカ南部、ロウグロウンで栽培されている紅茶で、濃厚かつすっきりとした味わいとクセのある苦み、スモーキーな香りが特徴です。
中国|スモーキーな香りが特徴の「キームン」
中国の安徽省祁門県で生産されている世界三大紅茶のキームン(祁門)。キーモンやキームン、祁門紅茶とも呼ばれています。キームンの大きな特徴は特有のスモーキーフレーバーで、蘭やバラのような甘い香りと表現されます。ダージリンなどとはまたことなった香りで愛される紅茶です。水色は明るく澄んでいて、苦味は少なめです。
日本|各地で生産されている「和紅茶」
日本で生産されている紅茶を「和紅茶」と呼び、量は少ないながらも静岡や九州、沖縄など、各地で作られています。
和紅茶には緑茶用の品種を使用して作られるものと、紅茶用の品種から作られるものがあります。緑茶用品種の代表格は「やぶきた」や「さえみどり」で、爽やかな香りやすっきりした味わいで知られています。紅茶用品種は「べにふうき」や「べにほまれ」などがあり、甘い香りとコクのある風味が特徴です。
ブレンドによる違いで選ぶ
ブレンドティーは、複数の産地や時期のことなる茶葉を混ぜ合わせてつくられているものが多いです。複数の茶葉をブレンドすることで、1種類の茶葉だけでは出せない複雑な香りや味わいを表現できます。
よく知られているブレンドティーに「イングリッシュ・ブレックファスト」があります。イギリスの伝統的なブレンドティーで、アッサムとセイロンにケニア産の茶葉をブレンドしているものが多いです。キームンを入れる配合もあります。
同じ名前のブレンドティーでも、使用している茶葉や配合などはメーカーによって異なります。また、「ダージリン」「アッサム」など単一の茶葉の名称がつけられている紅茶でも、他の茶葉を少量ブレンドしているものもあるので、原産国などの表示をチェックしてみましょう。
香料による違いで選ぶ
紅茶には、紅茶自体が持つ特有の香りのほかに香料によって茶葉につけられたものがあり、「フレーバーティー」「フレーバードティー」と呼ばれています。
たとえば「アールグレイ」は、ダージリンやセイロンなどの茶葉にベルガモットという柑橘の香りをつけた紅茶です。本来の紅茶にはない独特な香りがあり、香りが飛びにくいのでお菓子作りに向いています。
このほかにも、ピーチやアップル、マスカットなどの果物系のフレーバーから、ナッツ系、シナモンやカルダモンなどのスパイス系などさまざまフレーバーティーがあるので、気分や好みで楽しめます。
飲み方で選ぶ
紅茶にレモンをいれたりミルクをいれたり、いろいろな飲み方ができます。ただ、それぞれの飲み方にも相性のよい茶葉とあまり向いていない茶葉があるので少し注意が必要です。向き不向きについて知っておくと、よりおいしい紅茶を味わえるでしょう。
ストレートティー
ストレートティーは、ミルクやレモンなどをなにも加えずに、紅茶本来の味と香りを楽しむ飲み方です。もっとも基本的な紅茶の味わい方といえます。
ですからストレートティーとして味わうには、別名「紅茶のシャンパン」とも呼ばれるダージリンや、ヌワラエリヤなどの香りがよく独特の風味があるものがいいでしょう。
ほかのものと混ぜず、紅茶単体として、そのおいしさを味わいたいものが適しているのではないでしょうか。
レモンティー
紅茶にレモンを入れて、さわやかな味と香りを加えたものがレモンティーです。お互いの香りを引き立てあうアールグレイなどで楽しむといいでしょう。
また、レモンにはクエン酸が含まれているので、紅茶に入れると紅茶の色を薄くしてしまう作用があります。
そのため、色の薄いタイプの紅茶だとさらに薄い色となり、美しさを損なってしまうことも。少し濃い色の出るディンブラやニルギリなどが向いているでしょう。
手軽にレモンティーを楽しめるよう、茶葉にレモンのフレーバーを加えてあるティーバッグもあります。
ミルクティー
ミルクティーは、いれた紅茶にミルクを加えたものです。鍋で煮だす方法もありますが、こちらは「ロイヤルミルクティー」と呼ばれています。
ミルクティーに向く紅茶は、「コクがあって芳醇なもの」。香りが強すぎるものや個性の強すぎるものは、ミルクティーには向きません。
アッサムやウバ、ディンブラなどが適しているといえるでしょう。
アイスティー
アイスティーにおすすめなのは、渋みや苦みの少なく濁りにくい紅茶です。紅茶はゆっくり温度が下がると、タンニンが結合して白く濁る「クリームダウン」という現象が起きます。何も入れていないのにミルクティーのようなみた目になり、風味や味も損なわれてしまいます。この現象は、タンニンの多い紅茶ほど起きやすくなります。
インドの「ニルギリ」やセイロンの「キャンディ」は、タンニンが少なめなのでアイスティーに向いています。また、「ダージリン」はアイスティーにしても華やかな香りや味わいが損なわれにくいのでおすすめです。
チャイ
チャイは、紅茶にカルダモンやシナモン、ジンジャーなどのスパイスを入れ、煮込んで作るミルクティーです。チャイに使う茶葉は、スパイスの風味を妨げないようなクセのないものや、ミルクとの相性がよいものが適しています。
セイロンティーや、ダージリンは味や香りのクセが強くないのでスパイスの香りを存分に楽しめるでしょう。また、アッサムはミルクとの相性がよくおすすめです。
ティーバッグの袋に注目
現在、ティーバッグはさまざまな形状で製造されています。紅茶がよりジャンピング(湯の対流によって、葉が袋の内部でゆっくり回転)するピラミッド型や、昔からあるティーバッグの底をW型に織りこんだダブルバッグ型、紅茶がひとつの袋に詰められているシングルバッグ型などなど。
さらに、最近注目されているスティック型や、茶葉がガーゼで包まれた、見ためもおしゃれなティーボウル型もあります。ピラミッド型は茶葉の広がるスペースが薄い袋型よりも広いので、紅茶の色や香りがより出やすいといわれています。
形状により抽出の仕方も変わってきますので、いれるときはきちんと各紅茶の説明文を読んでみてくださいね。
ティーバッグの外装もチェック
ティーバッグの賞味期限は、紙の袋に包まれている商品で2年、アルミの袋で包まれている商品で3年がひとつの基準になっていますが、その国の環境にも影響されます。
湿気の多い日本では、茶葉を湿気から守るため個包装は必須です。ひとつひとつ包装されていない場合でも、チャックがついたビニールの外装で包まれていると安心できます。
プレゼントを目的にティーバッグを選ぶ際には、外装にも注目してみてください。
価格を目安にして選ぶ
同じ種類の紅茶でも、産地や茶園、使われる茶葉の等級などによって価格は大きくことなります。低価格の茶葉はベーシックな価格帯のものよりもあっさりしているものが多いため、ふだんは低価格のもの、ミルクティーで飲むときはベーシックなものを選ぶとより経済的に楽しめます。
また、ティーバッグタイプは手軽に楽しめるのがメリットですが、茶葉を細かく砕いているので香りが弱くなりがちです。レモンを入れたり、チャイなどフレーバーをプラスして飲むのがおすすめです。
試飲をして選ぶ
紅茶選びで確実なのは、試飲をしてみることです。お試し用の少量の茶葉や、いろいろな種類の入ったアソートを購入してみるのがおすすめです。
とくにアソートは、自分がふだん選ばないような味わいの紅茶が入っていることもあり、選択の幅が広がったり今まで知らなかった自分の好みを発見したりと、思わぬよい出逢いに恵まれることもあります。今は店頭販売に限らずネット通販でも購入できますので、ぜひお試しください。
紅茶の人気ブランド・メーカーを紹介!
ここでは、紅茶の人気ブランドを紹介します。迷った時は人気のブランドから選んでみるのもおすすめですよ。
TWININGS(トワイニング)
トワイニングは、300年以上の歴史を持つイギリスの老舗紅茶ブランドです。常にイギリス王室の御用達として高い評価を受け続け、世界でもトップのシェアを誇っています。
また、「アールグレイ」を作ったり、ティーバッグ入り紅茶をはじめて販売するなど、紅茶の歴史と切っても切れない深い関係を持つブランドです。
Wedgwood(ウェッジウッド)
ウェッジウッドは、ティータイムを彩るティーカップ&ソーサーなどの茶器やインテリアなどでよく知られているブランドですが、ティータイムにぴったりの紅茶も手掛けており、上品な味わいが特徴です。
また、味はもちろんパッケージにもこだわっています。テーブルに置いておくだけでインテリアにもなるデザインなので、ギフトとしても喜ばれるでしょう。
ティータイムの紅茶と茶器をウェッジウッドでそろえれば、きっと気分が上がりますね。
LIPTON(リプトン)
リプトンは日本でとくに親しまれている紅茶ブランドのひとつです。日本にはじめて輸入された紅茶はリプトンのものだったといわれています。その特徴的な黄色のパッケージは、紙パックやペットボトルタイプなどさまざまな形態で販売されています。
ティーバッグは珍しいピラミッド型を採用しており、効率的に紅茶のおいしさを広げる工夫がなされています。オーソドックスでクセのない味わいから世界中で親しまれています。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)