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【この記事のエキスパート】
サウンドクリエーター / キーボーディスト:内藤 朗
キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。
S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIプロジェクトでのレコーディング、ライブなどから、イベント、キャンペーンソング、放送メディアのテーマ曲、BGM製作等、その活動の幅は多岐に渡る。
また、DTM黎明期より音楽制作系ライターとしても広く知られ、近著は「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ音作り大全」(技術評論社刊)など。
数多くの音楽専門学校、ミュージック・スクールなどでおよそ30年以上に渡り講師を務め、数多くの人材を輩出する実績を持つ。
有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会委員。
さまざまなモジュールを組み合わせて、システムを構築できる「モジュラーシンセ」。自分好みの音作りを追求できるので、楽曲制作やステージでの演奏などで大活躍!本記事では、モジュラーシンセを選ぶうえでのポイントやおすすめ商品をご紹介。ぜひ参考にしてください。
モジュラーシンセの選び方
それでは、モジュラーシンセの基本的な選び方を見ていきましょう。ポイントは下記の4つです。
【1】現在の主流はユーロラックタイプ
【2】最初は主要モジュールがセットになった基本的なシステムを
【3】基本機能が操作パネルにあるセミモジュラータイプで仕組みを知ろう
【4】音作りへの慣れで柔軟に配置を考えていこう
上記の4つのポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】現在の主流はユーロラックタイプ
モジュラーシンセはラックに設置して使用しますが、異なる大きさのモジュール同士は同じラックにセットアップすることができません。ラックケースは電源供給を行なう機能もあるため、同じ規格のモジュールでそろえることにより電源管理もシンプルにできます。
近年ではユーロラックタイプの大きさのものが主流です。多くのメーカーがこの規格に準じたユーロラックのモジュラーシンセを発売していますので、ユーロラックタイプのモジュールでモジュラーシステムをそろえていくとよいでしょう。
【2】最初は主要モジュールがセットになった基本的なシステムを
モジュラーシンセは、ひとつのモジュールを購入しただけでは充分な音作りを行なうことができません。一から始める場合には、いくつかの主要モジュールがセットになったベーシックなシステムを最初に手に入れるといいでしょう。
そして、ある程度音作りに慣れてきたら、自分の作りたい音を表現するのに必要なモジュールを順次追加していくことで、音作りの幅を広げていきましょう。
【3】基本機能が操作パネルにあるセミモジュラータイプで仕組みを知ろう
「モジュラーシンセがほしいけれど、その前にシンセサイザーの仕組みなどを覚えたい」という人は、セミモジュラータイプから始めてみるのもいいでしょう。セミモジュラーシンセの場合は、シンセサイザーを構成する基本的な機能が操作パネル上にまとまっていますので、ケーブルのパッチング(機器類の端子と端子を接続すること)を行なわなくても、ある程度の音作りが楽しめます。
また、モジュラーシンセのように各機能の入出力端子を装備しており、パネル上の操作だけでは作れない応用的で緻密な音色なども作成できます。また、セミモジュラーシンセは、モジュラーシンセと組み合わせて活用できるものも多々ありますので、共存させながら、音作りの幅を広げていけるでしょう。
【4】音作りへの慣れで柔軟に配置を考えていこう
モジュールの配置方法は、自分の使いやすいようにするといいでしょう。各モジュールの信号の流れを把握しやすくしておくことがポイントです。たとえば音作りに慣れていない場合、1段ラックのシステムなら左から「オシレーター(※1)→フィルター→アンプ」といった、アナログシンセサイザーの音作りの流れに沿った形で配置しましょう。
音作りに慣れてシステムが大きくなってきたら、音が作りやすい配置やパフォーマンスしやすい配置にしましょう。また、パッチケーブルをそろえていく際には、使用頻度の高いケーブル(15~30cm程度)を中心に、それ以上の長さをその都度、必要な数だけそろえていくのがベターです。
(※1):発振器の事。シンセサイザーでは音の元となる波形を作り出す部分に当たる。
エキスパートのアドバイス
【エキスパートのコメント】
音量調整が必須、モニター環境もしっかり準備しよう
モジュラーシンセサイザーは、音楽プレイヤーやステレオコンポなどのようにヘッドフォン出力やライン出力などの端子がありません。加えて、大きな音量を扱うことなどが多いため、音量調整が必須になります。
また、パッチング状態によって音が出力される場所が異なりますので、ミキサーやモニタースピーカーなどの環境がない場合にはこれらも整えておくことが必要です。その場合には、最初の購入時にアッテネーターモジュール、ミキサーモジュールなどモジュラーシンセの出力をマネジメントできるモジュールも同時に用意しておくことをおすすめします。