東京五輪を来年に控え、薄型テレビは4Kモデルが好調に売れているが、レコーダー(BDレコーダー)は4K対応モデルがイマイチ売れておらず、いまだにフルHDモデルが主流――。調査会社のBCNが、このような興味深い調査データを発表しました。

チューナー代わりの需要が減少、高画質化機能の存在も

単体で番組の録画ができる薄型テレビが増えたことなどを受け、ここ数年売れ行きが芳しくなかったレコーダーですが、2019年2月以降、販売台数、販売金額ともに前年を上回るなど好転しています。ハードディスクの大容量化や内蔵チューナー数の増加を受け、古いモデルからの買い替えが進んでいるためとみられます。

  • レコーダーの対前年比での販売台数と販売金額のグラフ(左)。2019年2月以降、前年を上回る状況が続いている

しかし、薄型テレビは4K対応モデルが主力になったのとは対照的に、レコーダーはいまだフルHDモデルが主力となっています。新4K8K衛星放送チューナーを搭載した4Kモデルの販売台数構成比は、テレビが右肩上がりで30%を超えたのに対し、レコーダーはわずか5%程度にとどまっています。

  • 新4K8K衛星放送チューナーを搭載した4Kモデルの販売台数構成比。薄型テレビは右肩上がりで3割を超えているが(右)、レコーダーはわずか5%にとどまる(左)

4K対応レコーダーは価格が高いという理由もありますが、現行の4Kテレビは大半の機種が新4K8K衛星放送チューナーを搭載するようになり、「テレビにチューナーが搭載されていないから、チューナー代わりに購入する」という需要が減ったことが伸び悩みにつながっている、とBCNの担当者は分析しています。

  • 4Kチューナー代わりに使いたい人の需要が減ったことも、4K対応レコーダーの苦戦の理由となっているようだ

また、ほとんどの4Kテレビは、フルHDの映像を4K並みの画質に高めて表示するアップコンバート機能を備えていることから、「レコーダーはフルHDでも画質に不満なし」と考える人が多いこともあるでしょう。「テレビは4K、レコーダーはフルHD」という組み合わせが、今後しばらく主流になりそうです。