食費節約のキモは「安く買って、食べきること」です。食べきるためには、鮮度のいいものを買う必要があります。安くても新鮮で、長持ちして、しかも美味しい食材を見分けるコツを、定番食材を例にあげて解説します。
知っていそうで知らない食材鮮度の見極め方
安いからと飛びついて買っても、使いきる前に傷んでしまっては元も子もありません。お金を出して買った食材を捨てることはお金を捨てるのと同じこと。
賢い消費者になるためには、食材鮮度の見極めが重要。「産地直送」や「朝採り」をうたっているお買い得品でも、すべてが鮮度抜群というわけではないことも。鮮度の見分け方を知っているのと、知らないのとでは、同じ値段のものを買っても大きな違いがあります。同じお金を出して買うなら、鮮度がいいものを買った方がお得なのは言うまでもありません。
野菜の鮮度の見極めポイント
キュウリ
表面のイボイボがとがっているもののほうが鮮度が良いことはよく知られています。そのほか緑色が鮮やかでハリとツヤがあり、太さが均一なこともポイント。最近は、複数本をラップして売っているものが多いですが、バラ売りのものの方が鮮度が見分けやすいのでおすすめです。多少曲がっていても、鮮度や味には変わりがないので、安くなっていたらお買い得です。
トマト
ずっしりとした重みがあり、ヘタがピンとして緑色のものが鮮度〇。ヘタの反対側のてっぺんから白い線が放射状に延びており、ちょうど星のような形になったものは味も◎。
ナス
紫色が濃く、ハリとツヤがあるもの。ヘタのトゲが触るとチクッとするくらいとがっているものが新鮮。表面にシワや傷があるものはNG。鮮度が落ちているものは、水分が抜けてフカフカしてしまっています。
ピーマン
ツヤがあり、表面がみずみずしいもの。緑色が濃くて、色ムラがないものを選びましょう。ヘタも鮮度の見極めポイント。ヘタが緑色のものが新鮮です。鮮度が落ちると、ヘタが茶色っぽく変色しているほか、乾燥しています。
とうもろこし
皮の黄緑色が鮮やかなものを選びましょう。鮮度が落ちると、黄緑色が色あせてきます。ひげはめしべの一部で1本ずつが粒とつながっています。ひげがふさふさで、たっぷりあるものほど、粒がつまっている証拠。またひげの先が茶褐色のものはよく熟して、甘みがあります。
枝豆
最近は、サヤだけをネットに入れて売っているものが多いですが、できれば枝つきのものを購入しましょう。さやに産毛があり、ふっくらとしているものは鮮度がよく、実がつまっています。
レタス
見極めポイントは根本の切り口。切り口の断面がみずみずしく、白い液が出ているものが新鮮です。赤茶色に変色しているものはNG。また大きさに比べて重すぎないものを選びます。極端に軽いものは、葉の巻きがスカスカですが、逆に重いものは巻きが固くて、外葉をむくと白っぽくなっていることがあります。
しいたけ
カサの開き具合が6割から8割のものを選びます。カサの裏側のひだも要チェック。鮮度が落ちてくると、ひだが茶色っぽく変色してきます。軸が太いものは味がよい目安です。
ゴーヤ
緑色が濃くて、ハリがあるものを選ぶのが基本。イボが密集していて、イボの先がこすれていないものを選びましょう。重みがあるものは水分が抜けていないので新鮮な証拠です。
肉の鮮度の見極めポイント
牛肉
どの肉にも共通している見極めポイントは、パックを傾けたとき、ドリップ(肉汁)がトレイにたまらないこと。
牛肉は、赤身部分は淡い紅でツヤがあるものを。脂身は白いものを選びます。黄色っぽく変色しているものは、鮮度が落ちているので避けましょう。また、脂身と赤身の境目がはっきりしていると鮮度が良い証拠です。
豚肉
肉の部分は淡いピンク色で、みずみずしいツヤと粘りがあるものがオススメ。脂身は白いものを選びましょう。
鶏肉
鶏肉の鮮度の見極めポイントは皮。皮の毛穴のブツブツがはっきり盛り上がっているものを選びましょう。肉の色は淡いピンク色が鮮度がいい証拠です。
魚の鮮度の見極めポイント
一尾で売られている魚
鮮度の見極め方で共通しているのは目が澄んでいること。濁っているものは鮮度が落ちています。皮の色が鮮やかで、エラは鮮やかな紅色ものを。鮮度が落ちると、エラが黒ずんできます。アジはぜいご(尾近くにあるとげ状のウロコのこと)がしっかりして、触ると(店頭では触ることはできませんが)痛いくらいのものが新鮮です。
切り身で売られている魚
ドリップが出ていないことが基本。皮が鮮やかで、それぞれの魚特有の皮の模様がはっきりしていることも見極めポイント。鮮度が落ちてくると、皮の模様がぼんやりしてきます。
野菜、肉、魚の3大生鮮食材について、鮮度の見極めポイントを紹介しました。新鮮な食材を買えば長持ちするので、ムリなく食べきることができ、食費節約に役立ちます。もちろん味も栄養も満点です。
最初から見極めるのは難しいこともありますが、大事なのは経験知。自分で「買って」「保存して」「食べる」ことで、どんなものが鮮度が良いかが、だんだんとわかってきます。新鮮な食材で“おうちごはん”を楽しんでください。