メルシャンは6月19日、白ワインの魅力を訴求する取り組み「HAPPY WHITE WINEプロジェクト」の概要と狙いを発表した。
白ワインに特化した理由とは?
HAPPY WHITE WINEプロジェクトは、メルシャンが全国で5月31日からスタートさせた取り組み。特設サイトを開設してSNSと連動することで、白ワインを楽しむ時間を共有・発信し、同時にSNS投稿キャンペーンで白ワインのフルボトル3種セットを提供。このほか、量販店・飲食店にも積極的にPOP展開や商品提案を行っていくとしている。
HAPPY WHITE WINEプロジェクトの狙いは、ヘビーな愛好家に支えられてきたワイン市場のさらなる拡大。そこで、その間口となる20~30代のミレニアル世代に「白ワイン」の魅力を強く発信していく考えだ。
メルシャンでも、ここまで"白ワイン"に特化した取り組みは初めてだという。背景にはワイン市場の伸び悩みによる危機感がある。
その原因について、メルシャン 営業部 営業推進グループ 韮沢奈津美氏は「例えば、暑い日が続くと消費者はアルコールよりソフトドリンクを手に取るようになります。また、ここ最近はストロング系の缶チューハイなどが人気です。ワインから、RTD(Ready to Drink:栓を開けてすぐ飲める低アルコール飲料)に消費が流れていることはデータからも見て取れます」と分析する。
ではなぜ、夏に白ワインなのだろうか。メルシャンによれば、夏場には赤ワインの消費が落ちるが、白ワインは落ちないという。「赤ワインは、どちらかと言うと"重い"イメージを持たれます。暑さが続くと、食事もさっぱりしたものが食べたくなる。お刺身、そうめん、そういったものに赤ワインは合いません。でも白ワインなら軽くて、食事とも合わせやすいんです」(韮沢氏)。実際のところ、夏場には白ワインの構成比が高まる。そこで夏季に白ワインを訴求することで、市場の活性化をはかろうというわけだ。
とは言え、若年層のワイン初心者には「何を選んだら良いのか分からない」という不安がつきもの。そこでメルシャンでは「飲みやすい味」の紹介と、「選びにくさの解消」のためSNSを最大限に活用する。
具体的には、第1弾としてTwitterで白ワインのイメージを、Instagramで白ワインの飲用シーンを投稿してもらい、市場の雰囲気を醸成。「テラス席で白ワインを飲むの、気持ちよさそう」「頑張った自分のご褒美に白ワインを飲むのも良いな」「人気のブロガーが投稿していたワインが気になる」というような効果を期待する。そして第2弾として、SNSで投稿された情報を元に白ワインの魅力紹介を行っていきたい考えだ。
ワインと消費者の重要なタッチポイントとなるのが、量販店や飲食店。そこでメルシャンでは、ワイン消費のボリュームゾーンである都市圏を中心に商品提案を行っていく。
商品提案、と言ってもワインの難しい知識ではない。韮沢氏は「働き方改革にともない残業が減ると、まだ明るい夕方の時間帯から飲み始めることが可能になります。そこで、ちょっとした白ワインとおつまみの楽しみ方を伝えていきたいと思っています」と説明する。東名阪のワインバル、ビストロ、チェーンや個人の居酒屋に、アペリティフ(食前酒)の楽しみ方を提案できれば、と話していた。