ナレッジ・マーチャントワークスでは、サービス業における店舗運営のデジタル化を促すビジネスアプリ「はた Luck」を6月4日よりリリースしている。
同アプリは、既にドトールコーヒーやガストなど大手企業17社で採用され、のべ2万人が利用しているという。アプリの詳細を同社 代表取締役の染谷剛史氏に聞いた。
「はた Luck」は、外食、小売りなどの店舗サービスの従業員向けに開発されたアプリで、「働き方・生産性改革アプリケーションシリーズが一体になっている。
店舗内の生産性を高める様々なアプリがシームレスに繋がり、データを分析することで、生産性向上に寄与する施策を提供してくれる。
染谷によると「店舗サービス業従事者の『業務』と『心の負担』を楽にしたい」という考えから、労働環境を改善するプラットフォームとして開発したという。
現在、日本のサービス業界においては人間関係や業務過多などの諸問題が山積しており、アルバイトの定着率も低く約50%が半年から1年で辞めていく状況が続いている。
改善策としてアプリの導入も進んでいるが、既存のアプリは機能が限られていたり、1人あたりの価格が高く限られた従業員にしか入られないような現状が多いという。
「学生のアルバイトは毎年入れ替わり、毎年新しいチームを作っているようなもの。これがサービス産業の生産性を著しく下げている要因で、この業界のシフトワーカーをマネージメントするアプリを導入すれば、生産性を上げることができる」と染谷氏は語る。
「はた Luck」は、店舗マネジメントにおける4つの課題「業務改善」「タスク管理」「チーム開発」「人材開発」を支援。
アプリには映像教育やスキルチェックといったOJT業務、アルバイトへの連絡、自動シフト管理や評価や承認などの機能が集約しており、これらの業務を個人のスマートフォンで一元管理できるようになっている。また、外国人スタッフに対応した翻訳機能も有している。
アプリには、エンゲージメントの向上とスタッフの定着率をあげるための工夫もある。スタッフに感謝する「星を贈る」、行動を評価する「はたLuckポイント」、行動評価が信用スコアになる「はたLuckスコア」という機能があり、互いを褒め合い気持ちの良い職場作りを目指し「心の負担軽減」を実現する仕組みとなっている。
また、これらの信用スコアを利用し「非正規雇用者のマーケットプレイス」の構築を構想。勤務態度と情報開示で信用力を付与し、信用力で特典や割引が受けられる市場を考えているという。2025年までに、2万店舗55万人のユーザーを目標としているそうだ。
価格は店舗の規模に応じてプランが用意されており、基本機能は1店舗4,000円〜、IDは200円となっている。人の入れ替わりが多い業種を配慮して、基本機能は契約時に平均IDを算出して1年間固定としている。
また今後は、2019年11月頃を目処に、機能を限定した「ベーシックプラン」や小規模店舗向けの「フリー」のプランも展開していく考え。