6月18日、第78期順位戦C級1組1回戦の全18局が東西の将棋会館で行われました。
この組は今期36人が参加。全員が抽選によって選ばれた10人の相手とおよそ月1局のペースで対局、上位2人のB級2組への昇級枠を争います。また下位7人には降級点がつき、降級点が2つになるとC級2組へ降級となります。来期79期からは昇級枠が3人に、降級点が付く人数は現行の5人につき1人から4.5人に1人に改められます。
新参加組の及川六段、佐藤和六段、石井五段はそろって勝利
最年少棋士・藤井聡太七段の相手は関西の先輩、村田顕弘六段。対局は先手の村田六段が、互いに飛車の頭の歩を敵陣に向け突いてゆく「相掛かり」模様から、飛車を逆サイドに大きく転回する「ひねり飛車」戦法を採用しました。藤井七段は中盤、角を切って先手陣に切り込み、飛車の成り込みに成功しましたが、村田六段も藤井玉の弱点を攻めて熱戦となりました。最終盤、自玉をがんじがらめに縛られた藤井七段が相手玉への連続王手を開始します。王手を掛けること17回、詰将棋で無敵の強さを誇る藤井七段のこと、長手数の即詰みに討ち取るかと思いきや、次の手は一転、自陣に手を戻し自玉を安全にするものでした。連続王手は詰ます目的ではなく実は王手を掛けながら自玉の憂いを完全に消す目的で、手を戻した局面でまったく攻め味がなくなった村田六段の投了となりました。
前期9勝1敗の好成績ながら順位の差で昇級が叶わなかった藤井七段。今期は3位の好位置で幸先の良い白星です。
前期C級2組から昇級した初参加組の及川拓馬六段、佐藤和俊六段、石井健太郎五段はそれぞれ片上大輔七段、西尾明七段、門倉啓太五段を下し白星スタート。藤井七段と同様に前期「頭ハネ」に泣いた順位2位・船江恒平六段は都成竜馬五段に敗れています。
2回戦全18局は7月2日に行われます。
18日の全結果は以下の通り(左が先手)。
- 先崎 学九段○―●日浦 市郎八段
- 都成 竜馬五段○―●船江 恒平六段
- 村田 顕弘六段●―○藤井 聡太七段
- 青嶋 未来五段○―●高崎 一生六段
- 阿部健治郎七段●―○佐々木勇気七段
- 宮本 広志五段○―●北島 忠雄七段
- 真田 圭一八段●―○森下 卓九段
- 小林 裕士七段○―●宮田 敦史七段
- 高橋 道雄九段○―●金井 恒太六段
- 佐藤 秀司七段○―●豊川 孝弘七段
- 佐藤 和俊六段○―●西尾 明七段
- 千葉 幸生七段○―●高野 秀行六段
- 片上 大輔七段●―○及川 拓馬六段
- 島 朗九段○―●増田 康宏六段
- 堀口一史座七段●―○阪口 悟六段
- 安用寺孝功六段○―●青野 照市九段
- 塚田 泰明九段●―○平藤 眞吾七段
- 門倉 啓太五段●―○石井健太郎五段