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【この記事のエキスパート】
防犯アドバイザー:京師 美佳
学校卒業後百貨店のエレベーターガール、商社の営業職に就き、2001年3月錠前師資格取得。
町の鍵屋さんではなく、トータル防犯アドバイザーを目指し、セキュリティ企業へ就職。
法人営業部の責任者を務める中、2002年10月 防犯設備士取得。
その後は、防犯ガラスメーカーに勤め、セキュリティ事業部長、そして、防犯アドバイザーとして、防犯診断や電話での相談受付、セミナーなど、幅広く活動を行う。
2005年5月独立。京師美佳セキュア・アーキテクトを設立し、2009年11月には、一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事に就任し、現在も、講演、テレビ、新聞、雑誌など、多方面で防犯の啓蒙活動を展開中。
突然の侵入や犯罪、護身用に役立つのが防犯カラーボール。人や逃げる車などに向けて投げると、ボールのなかのインクが飛び散り逃走犯の追跡や逮捕の手がかりになります。今回は、防犯アドバイザー監修のもと防犯カラーボールの選び方とおすすめをご紹介します。
防犯アドバイザーに聞く
防犯カラーボールの選び方
防犯アドバイザーの京師 美佳さんへの取材をもとに、防犯カラーボールを選ぶときのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
ポイントは以下のとおりです。
【1】蛍光色の派手なものを選ぶ
【2】使用期限の長いものを探す
【3】用途によって大きさを考えて購入する
【4】腕に自信のない方は銃タイプを
【5】練習用も用意する
【6】保険が付帯するかもチェックする
【7】ニオイやルミノール反応など色以外の効果も確認する
上記のポイントを押えることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】蛍光色の派手なものを選ぶ
蛍光色なので、強盗犯が逃げても目立ちやすい色です。
【エキスパートのコメント】
カラーボールは、一度付着すれば、除去するのはきわめて難しい特殊塗料でできており、強盗犯などを識別するために使用します。洗濯などでも落ちません。
防犯カラーボールは対象物に投げるのではなく(直接あてても割れない場合やあてるのが難しい)、足もとに投げてボールを割り、飛散した塗料を足もとなどに付着させて追跡に役立てますので、蛍光色などのものがより目立ち効果的です。
【2】使用期限の長いものを探す
【エキスパートのコメント】
コンビニや銀行など店舗に置いておき、強盗などが押し入ってきた際に使用するもので、いつ使用するかわからないものです。明日必要になるかもしれませんし、1年後に必要になるかもしれません。頻繁に触るものではありませんので、できるだけ交換の手間とコストがかからないように、3年など使用期限の長いものを探してください。
逆に、頻繁に触らないものだけに、使用期限が切れていないか、1年に1回は確認するようにしてください。
【3】用途によって大きさを考えて購入する
直径5cmとやや小さめサイズのカラーボール。
6つで1セットなので、複数人で分けて持ち運ぶのにもおすすめです。
【エキスパートのコメント】
集金作業の警備員や金融機関に入金へ行く従業員などが持ち運んで使用するものは、通常店舗などに置いて使用する防犯カラーボールよりも、ひと回り小さいものがあります。持ち運びの際には通常サイズよりこちらのサイズの方がおすすめです。
店舗などに置いて使用するものは、通常サイズのしっかり特殊塗料の入った防犯カラーボールを選んでください。
【4】腕に自信のない方は銃タイプを
【エキスパートのコメント】
運動神経や器用さ、コントロールに自信のない方は、銃タイプの防犯カラーボール発射装置を選んでください。自分の手で投げると上下左右どこにいくかわからないということも大いにあります。
しかし、銃タイプの防犯カラーボール発射装置を使用すれば、真っ直ぐ発射されますのである程度の正確さを保つことはできるため、命中率がアップします。あとは、向きや距離などを確認してご使用ください。
【5】練習用も用意する
【エキスパートのコメント】
いきなり強盗などが現れて、その場で上手に投げられるようなものではありません。防災訓練とともに、防犯訓練も行ない、練習用を必ず用意して、練習を重ねてからお使いください。
足もと近くに投げて、上手にズボンなどに付着させるのは、かなり難しいことです。練習用の防犯カラーボールも販売されていますので、そちらを購入して必ず備えてください。
【6】保険が付帯するかもチェックする
カラーボールは逃走する犯人や車に向けて投げて使用しますが、間違えてまったく関係のない方やものにあたってしまう場合もあります。そのような場合を考慮して、購入時に保険に加入することができます。
保険に加入しておくことで、万が一、本来あてるべきでない人やものにあたってしまって、保険会社に対応してもらえるようになります。
また、すでに保険加入済みの状態で販売されているカラーボールも少なくありません。ただし保険には期限が設けられているので、購入時には必ず確認しましょう。
【7】ニオイやルミノール反応など色以外の効果も確認する
ニオイつき
カラーボールのインクには、独特で強力なニオイがついているものがあります。チーズ腐敗臭や唐辛子臭、バニラ香料など、ニオイの種類はいくつかありますがいずれも特徴的です。これによって犯人の衣類や、逃走時に使用したものについたニオイをもとに、警察犬での捜査が可能です。
もしも、犯人がついたインクを水で洗い落としてしまっても、ニオイの成分は残るので追跡する手がかりとなり、メリットのひとつとなります。
ルミノール反応
カラーボールのインクは、市販されている多くのものが水溶性塗料でできており、乾く前に水で流せば落とすことができます。ですが、ルミノール反応は残るのでそれが目印となり、捜査の手がかりとなるのがポイント。
化学発光を起こす物質が含まれた特殊塗料のため、ブラックライトをあてるとルミノール反応が起こり青白く、または紫青色(あおむらさきいろ)に光ります。これが重要な証拠のひとつとなります。
防犯アドバイザーからひとこと
【エキスパートのコメント】
実際に使う方の性別年齢などでタイプを考える
店舗や銀行などの金融機関ではあたり前のように設置されるようになってきた防犯カラーボールですが、通常の玉タイプと、銃タイプのものがあります。実際に使うかもしれない方の年齢や性別などから、飛距離や正確なコースで投げられるかなど検討して、玉タイプか銃タイプを選択してください。
玉タイプの方が安いことが多くオーソドックスですが、力の弱い女性やお年寄りだと距離が10m以上投げることができないなどの問題が発生します。その場合は、銃タイプのほうが球の飛ぶ直線距離も伸びて使いやすくなります。練習用カラーボールを利用するなどして、実際に設置するものを決定して購入してください。