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【この記事のエキスパート】
フリーライター、小物王:納富 廉邦(のうとみ やすくに)
文化、飲食、メディア、ガジェット、雑貨、伝統芸能など、娯楽全般をフィールドに雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、講演などで活動する。
文具系、カバンなどの装身具、お茶、やかん、ガジェット、小説、落語などに関する著書もある。テレビ「マツコの知らない世界」ではボールペンの人、「嵐にしやがれ」ではシステム手帳の人として出演。
5000円以下の万年筆の選び方とおすすめ商品をご紹介します。ペン先や軸径、軸の材質、インクの充填方法など選ぶポイントはさまざま。この記事の選び方を参考におすすめ商品を眺めてみると、自分が欲しいと思える万年筆がわかってくるでしょう。
5000円以下の万年筆の選び方
目利きライターの納富廉邦さんに、5000円以下の万年筆を選ぶときのポイントを教えてもらいました。初めて万年筆を購入する方はもちろん、2本目以降で新しいものをお探し方も、エキスパートが注目するポイントをチェックして購入する際に役立ててみてください。ポイントは下記になります。
【1】持ち方・書き方の違い
【2】ペン先の素材
【3】ペン先の太さ
【4】インクの補充方法
それぞれについてご紹介しますので、購入するときの参考にしてみてください。
【1】持ち方・書き方の違いから選ぶ
書き心地、安定性にすぐれています。また、万年筆の正しい持ち方や使い方が書かれた説明書がついているため、万年筆に慣れやすい商品です。
【エキスパートのコメント】
万年筆はボールペンや鉛筆と違って、ペンを寝かせ気味にして筆圧をかけずに書きます。そのため、ふだんの調子で持ってみて、それで購入しても実際に書くときには思ったような持ち心地ではない場合があります。
寝かせて持つと重心のバランスも変わりますから、まずは安い万年筆を買って、寝かせて筆圧をかけない書き方に慣れてからあらためて選ぶのもいいでしょう。
【2】ペン先の素材で選ぶ
金
万年筆のペン先に金を用いているものが多く見られますが、その理由はインクの成分にあります。万年筆のインクには、硫酸や塩酸などかなり腐食性の強い成分が含まれています。そのため、ペン先には腐食に強い素材が用いられてきました。
金のペン先は書き味に弾力がある、という表現をする方が多くいます。書き味は好みによりますので、実際に店頭で試せる場合は試してみて、実際に確認するのが一番です。
ステンレス
ステンレスは、金に比べて安価で腐食に弱いですが、金以外の金属に比べれば腐食に強いので、金の次にペン先でよく用いられています。価格が安価になるため、安い価格帯の万年筆はステンレスのペン先になっていることがほとんどです。
ステンレスのペン先は、金に比べてかための書き味が特徴。金とどちらがいいかというと、好みによるため一概にはいえません。さまざまな種類のものを試して自分自身の好みを探っていくのも、万年筆の醍醐味です。
【3】ペン先の太さで選ぶ
【エキスパートのコメント】
意外に誤解されることが多いのですが、万年筆は特殊な形状のペン先でない限り、筆記時に筆のように筆圧で描線の太さを変えることはできません。そのため、購入前に自分の用途にあわせて、細字(F)、中字(M)、太字(B)などのペン先の種類を選ぶ必要があります。
ボールペンでいえば、0.5mmくらいが細字、0.8mmくらいが中字、1.2mmくらいが太字といった感じです。しかし、メーカーや製品によって違うのであくまで目安として考えてみてください。
【4】インクの補充方法で選ぶ
カートリッジ式
もっとも手軽にインクを補充できる方法です。インクがなくなったカートリッジを抜き、新しいカートリッジを万年筆の本体に差しこんで使用します。手があまり汚れずラクなのですが、豊富な色のボトルインクが使えないという点がデメリットです。
好きな色のボトルインクを使いたいと考えている場合は、ほかの方法でインクを補充できる万年筆を選びましょう。
吸入式
ペン先からインクを吸いあげて補充する方法が吸入式です。昔からあるインクの補充方法で、好きなボトルインクを使うことができます。吸入式のデメリットは、インクを吸入した後にペン先をきれいにするなど、少し手間がかかり手が汚れることもある点。ただ、手間をかけてメンテナンスすることで、愛着がわいてくるという側面もあります。
コンバーター式
カートリッジ式と吸入式のハイブリッド型をコンバーター式と呼びます。コンバーターと呼ばれる吸入器でインクを吸いあげられるだけでなく、コンバーターを外してカートリッジを装着することでもインクを補充できます。近年は、この仕組みを持っている万年筆が主流ですが、使い方は商品によって違いがあります。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)