ニューヨークのマンハッタンで6月12日・13日の2日間、コンシューマーエレクトロニクスショー「CE Week」が開催されました。現地に足を運んだ筆者が、イベントで見つけたスマートガジェットや完全ワイヤレスイヤホンなど注目の製品をレポートします。
CE Weekは、2006年から毎年6月に開催されてきました。米国内の大手流通・小売業者をはじめとするトレードビジターを集めて、商談会を軸に据えたイベントでした。昨年(2018年)からは、メッセ・ベルリンが主催する世界最大級のエレクトロニクスショー「IFA」とパートナーシップを結び、グローバル化への一歩を踏み出しています。その成果がさっそく現れ、アメリカ国内のスタートアップやアジアからの出展が増え、世界各国から訪れた来場者が展示ホールを連日賑わせていました。
コダック、プリンターが一体化したインスタントカメラ「KODAK SMILE」
コダックブランドのデジタルイメージング製品を展開するC+A Globalは、プリンターを一体化したインスタントカメラの新製品「KODAK SMILE」を展示。デジタルカメラと、ZINKフォトペーパーという特殊紙を使うフルカラー印刷対応プリンターを一体化した、いわゆるインスタントカメラプリンターです。アメリカでは99.99ドルで販売されています。
本体はカラフルな5色展開。プリンター部分を独立させて、iPhoneやAndroidスマホで撮影したデータを読み込めば同じように写真をフィルムにプリントして楽しめる「KODAK SMILE Instant Digital Printer」も一緒に発売されています。コダックのスタッフによれば、スマホで撮影した写真をモノとして残せるプリント版にする楽しみは、友だちや家族とシェアするというスタイルでアメリカでも普及し始めているそうです。
インスタントカメラの好調を受けて、大判の写真プリントが楽しめる「KODAK PHOTO PRINTER DOCK」も発売されました。価格は139ドル。スマホを本体天面のドックに直接つないで、専用アプリで画像データのトリミング、明るさ、色のバランスなどを編集して手軽にプリントできるというすぐれもの。USB Type-Cのスマホとのドッキングにはまだ対応していないようですが、様々なデバイスとBluetoothで接続ができる汎用性も持たせています。
日本でも、キヤノンが同じタイプのプリンター搭載インスタントカメラを発売しています。コダックブランドの製品はまだ日本に上陸していないようですが、今後各社の競争が活発になれば、新たなカテゴリーとしてインスタントカメラまわりの商品が再び賑わいそうな気運の高まりを感じました。
セルフィ撮影をサポートするドローン「Air Pix」
アメリカのスタートアップ、AirSelfieは、セルフィ写真・動画を撮るためのドローン「Air Pix」を出展しました。こちらも今回のCE Weekで最も注目を浴びていた製品のひとつです。
“空飛ぶデジカメ”ともいえるAir Pixは、重さがわずか52gという超軽量設計のドローン。フロント側に12MPのカメラを載せて、内蔵バッテリーはフル充電からおよそ6~7分連続で飛ばせます。
被写体となるユーザーを認識しながら、常に1~1.5mの間隔を保ちながらユーザーの目の前を飛び続けてセルフィ写真、または最大1080/30p(1,920×1,080ドット/30fps)の動画を撮りまくってくれる仕様。シャッターは、カメラの前で手をかざすジェスチャーや、Wi-Fiで接続したスマホのアプリからのリモコン操作ができます。撮影した写真や動画のデータは、本体に内蔵するメモリーに保存。スマホアプリを経由してSNSに手早くシェアすることも可能です。
AirSelfieは、クラウドファンディングのプラットフォーム「Indiegogo」にて本機の開発資金を集め、無事に目標金額を達成。いよいよ7月から初期支援者に向けて出荷をスタートします。一般販売価格は99ドルを予定。基本はドローンなので、日本にはなかなか上陸が難しいかもしれませんが、自宅限定で使ったり、スマートトイのような感覚で楽しめたら面白そうです。