俳優の志尊淳らが14日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーシアター1で行われた映画『潤一』の公開記念イベントに出席し、舞台あいさつを行った。
直木賞作家・井上荒野の連作短編集を原作に、是枝裕和氏を中心に設立された制作者集団・分福が手掛ける同作。住所不定無職の青年・潤一と、彼の妖艶な魅力に翻弄される6人の女性たちを描く。フランス・カンヌの国際ドラマ祭典「カンヌシリーズ」のコンペティション部門に日本作品として初めて出品されたことでも注目を集めた。ドラマ配信・放送に先駆け、14日から同所で1週間限定公開されることを記念し、主要キャストが集結した。
本作で自身初となるヌードに加え、官能的なベッドシーンにも体当たりで挑んだ志尊。「このお話をいただいて小説を読ませていただき、今まで自分が感じたことがない感情だったり、自分の中で感じていたものを覆される瞬間がありました」と明かし、「僕が感じたイメージの潤一を遥かに超えるものを、このすばらしいキャストとスタッフのみなさんと作り上げられたら」という思いで臨んだという。
この日は志尊のほか、藤井美菜、夏帆、蒔田彩珠、伊藤万理華、原田美枝子、北原栄治監督、広瀬奈々子監督が出席。一瞬で女性の心をつかんで満たして雲のように去っていく、その自由で不安定な潤一と自身の共通点を問われ、志尊は「違う部分の方が多いと思います」と自己分析した。
一方で、女性キャストからは「ギャップが多い方。かわいらしい方なのかなと思ったんですけど結構男っぽい面があったりとか。カンヌではずっと炭酸飲料を飲んでいたり」(藤井)、「常に潤一として現場にいらっしゃるという印象がありました」(夏帆)、「見る度に顔の印象が違う。きっとこの役はすごく合っていると思います」(原田)、「潤一はたくさん何かを話す人じゃなくて、優しさを持っている男性。現場での志尊さんは常に周りを見ていて」(蒔田)、「志尊さん本人という状態よりずっと潤一の状態で。潤一みたいな方なのかなとずっと思ってたんですけど……どうなんでしょう。猫っぽいというか。本能的なイメージ、潤一そのままという感じです」(伊藤)という意見。
結果的に、ひたすら褒められるのを聞くコーナーになってしまい、志尊が思わず「最後まで聞きますか? ちょっときつくなってきました」と助けを求めて笑いを誘う場面もあった。
『潤一』は1週間限定公開の後、6月26日からAmazonプライム・ビデオ、iTunesほかにてデジタル先行配信、7月12日25時55分から関西テレビ(関西ローカル)、7月13日23時から日本映画専門チャンネルで放送される予定となっている。