JR北海道は12日、観光列車「風っこ そうや」号とともに宗谷本線を満喫できる取組みを行うと発表した。新たな観光列車「風っこ そうや」号は、JR北海道・JR東日本・JR貨物の連携により、7~9月にかけて宗谷本線で運転される。

  • 「風っこ そうや」号の1号車先頭に掲出するヘッドマークのデザイン(提供 : JR北海道)

同列車はJR東日本から借り受ける「びゅうコースター風っこ」に、JR北海道の「北海道の恵み」シリーズ車両を連結した編成で運転。「びゅうコースター風っこ」は窓ガラスを外した車両から風を感じられ、車内は木製のボックスシートとテーブル、白熱灯を使用し、レトロなあたたかみを感じられる。沿線の地域住民が監修した専用のヘッドマークを掲出して運転し、デザインをあしらった乗車証明書も用意する予定という。

1号車先頭のヘッドマークは、北海道遺産の天塩川、広大な敷地のサロベツ原野と鮮やかな黄色のエゾカンゾウ、夏季に道北の湿原で繁殖するツメナガセキレイを描き、その奥に存在感のある利尻富士を配置して雄大かつ可憐な宗谷本線沿線の自然を表現したデザインに。4号車先頭のヘッドマークは、青空の下に広がる田園風景のパッチワーク、手前には木々が生い茂る塩狩峠とひまわり畑を表現したデザインとした。

  • 「風っこ そうや」号の4号車先頭に掲出するヘッドマークのデザイン(提供 : JR北海道)

「風っこ そうや」号の運転に合わせ、宗谷本線を満喫できる取組みも実施。沿線地域住民と実施するおもてなしとして、停車駅にてご当地キャラクターによる出迎え・見送り、ご当地ならではの特産品の販売などを行うほか、車内でも車掌による沿線の案内、沿線地域住民による観光案内や特産品販売を行う。運転に合わせて特別に開催されるイベントに加え、夏の地元ならではのイベントも開催する。

7月27日から稚内~音威子府間1往復、8月17日から旭川~音威子府間1往復の運転が開始され、それぞれ運転初日に出発式が開催される。旭川~音威子府間の運転では、身を挺して乗客を守った鉄道員を題材にした三浦綾子の小説『塩狩峠』で知られる宗谷本線塩狩駅を停車駅に追加した。