米Appleは6月11日 (現地時間)、新しい「iCloud for Windows」の提供を開始した。Windows 10に最適化することで弱点だった同期の動作を改善した。Appleのサポートサイトからダウンロード入手できるほか、Window 10デバイスではMicrosoft Storeからダウンロード入手できるようになった。
iCloud for Windowsは、iCloudで管理するファイルや写真、コンタクト、カレンダー、タスク、ブックマークなどをWindows PCで利用できるようにする。MacとWindowsの両方を使っている人、MacではなくWindows PCとiPhoneやiPadを組み合わせている人に欠かせないツールだが、MacとiCloudまたはWindowsとOneDriveに比べてiCloud Driveの同期が遅いなど、不満を訴えるユーザーが少なくなかった。
新しいiCloud for Windowsは、OneDriveと同じCloud Syncエンジンを用いている。同エンジンによって、OneDriveはオンデマンド・ダウンロード機能を使えるようになった。クラウドにあるフォルダ/ファイルは全てFile Explorerに表示されるが、ダウンロードしておくか、または必要になった時にダウンロードするか、ユーザーが選択できる。iCloud for Windowsでも同様に、iCloud Drive内のフォルダ/ファイルをFile Explorerに表示するだけのオンデマンド・ダウンロードを利用できるため、ストレージ容量が限られるモバイルデバイスで使いやすくなった。Windowsで編集したファイルの同期についてもパフォーマンスと安定性の向上が期待できる。他の主な機能は以下の通り。
- File Explorerからファイルを共有 (iCloud Drive)
- コラボレーションに招待またはコラボレーションリンクを編集 (iCloud Drive)
- iCloud Photosの写真やビデオをWindows PCにダウンロード (Photos)
- Windows PCからiCloud Photosに写真やビデオをアップロード (Photos)
- 共有アルバムを作成 (Photos)
- iCloud Mail、コンタクト、カレンダー、リマインダーをアップデート
- カレンダーやタスクリストを他のiCloudユーザーと共有
- Windows版のInternet Explorer (11以上)、Firefox (57以上)、Google Chrome (73以上)と、Safariのブックマークをアップデート
- iCloudの設定をアップデート、iCloudストレージの使用状況を確認/不要なアイテムを削除、ストレージプランの変更
メール、カレンダー、コンタクトの機能にはOutlook 2016以降が必要。また、Windows PCにiCloud for Windowsを導入する前に、iOSデバイス (iOS 5以上)またはMac (OS X 10.7.4以降)でiCloudを設定しておく必要がある。