6月11日、第91期ヒューリック杯棋聖戦一次予選の対局に藤井聡太七段が登場し、東和男八段、伊奈祐介六段を連破して決勝に進出しました。
1日2勝! ダブルヘッダー制す
本棋戦の一次予選はプロ公式戦としては少ない持ち時間各1時間で行われ、10時に開始された対局の勝者がそのまま14時から2局目に臨む、いわば「ダブルヘッダー」が組まれることが多く、11日も東八段に勝った藤井七段が5月7日にすでに準決勝に勝ち上がっていた伊奈六段と続けて対局し、これにも勝って、1日2勝を挙げての決勝進出となりました。このところ、5月28日の第45期棋王戦予選決勝・対都成竜馬五段戦、6月3日の第67期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦・対佐々木大地五段戦と、タイトル初挑戦に直結する対局で痛い敗戦を喫した藤井七段でしたが、引きずることなく、本棋戦はひとまず一次予選決勝までたどり着きました。
とは言え、挑戦権獲得まではまだまだ長い道のりが残されています。仮に一次予選決勝に勝つと、一次予選免除の棋士が待つ各組例年6~7人、8~10ブロックに分かれた二次予選に参加。それも勝ち抜くと二次予選各組の優勝者とシード棋士、合わせて16人が挑戦権を懸けて争う決勝トーナメントに進出できます。そして、猛者の集まる16人トーナメントで優勝して、ようやく挑戦者として名乗りを挙げることができるのです。現在の藤井七段の位置から挑戦権獲得までに必要な勝星は7と予想され、しかも上に行けば行くほど、当然相手は強豪棋士、好調棋士となります。
藤井七段は本棋戦出場3回目。初参加となった第89期は一次予選決勝で大橋貴洸四段に敗れ、一次予選で里見香奈女流四冠との対局が実現し話題となった前期90期は、二次予選決勝で久保利明九段に討ち取られています。今期は一次予選と二次予選を抜け自身初の決勝トーナメント入りを果たし、そしてその先、ファンの待つ挑戦権獲得となるでしょうか。 藤井七段の一次予選決勝の相手は平藤眞吾七段―竹内雄悟五段戦の勝者となります。