保険外交員から「RPA女子」に転身

「RPA女子」として、クララオンラインにおいてRPAの導入を進めているのが今田知枝氏だ。週に3回ほど、クララオンラインで働いている。同氏は「RPA女子」の1期生で、「RPA女子」になる前は保険外交員をしていたという。つまり、ITとはまったく関係のない仕事をされていたというわけだ。

「RPA女子」に応募した理由を聞いてみたところ、「キャリアアップをしたいと考えていたほか、子どもが小学校1年生になり、働き方について悩んでいました」という答えが返ってきた。

  • RPA女子 今田知枝氏。取材当日は、出勤日ではなかったので、Web会議システムで取材に対応いただいた

今田氏は、クララオンラインでRPAを導入するにあたり、ルールつくりから開始。現在は、俗人化している請求業務の自動化に取り組んでおり、検証を行うため、5つほどのロボットが動いている。同氏がクララオンラインの請求担当部署の人にRPAのトレーニングを行うことで、RPAを使える人材を増やしていく。

今田氏は、「RPAの仕事は問題を解決できるという点でとても楽しい。また、クララオンラインで働いてみて、現場の方が忙しい状況がわかりました。RPAによって現場の方の仕事の効率化を図ることにやりがいを感じます」と語る。

ちなみに、プライベートの面では、「RPA女子」になって、オンとオフを大きく切り替えることができるようなったことがメリットだそうだ。「今後もいろいろな企業にRPAを導入していきたい」と話す。

RPA導入で余剰人員の削減を実現

内田氏に、RPAの導入効果を聞いてみたところ「まだ本番稼働前ですが、特に請求処理関係はRPAによって自動化が比較的容易にできることが検証でもわかりました。また、その他の技術系の業務においても、夜間処理など、定期的に実施している業務がまだ残っているので、こちらも随時RPA化を進めることで、人でしかできない業務にリソースを 振り向けて行く予定です」と語った。

内田氏はRPA導入を担当しているが、本来の業務はサービスサポートであることから、RPAだけに時間を費やすことができるわけではない。そうした中、今田氏が社内に常駐することで、RPAの導入が円滑に進めることが可能になった。

また、新たな業務を始める際には、「RPAを自動化できるか」という視点が生まれたそうだ。内田氏は、RPAによって業務を効率化し、浮いた人手とコストを新たなサービスに振り向けることで、顧客に利益を還元するとともにアップセルを図っていきたいと話す。

森山氏は、「RPA女子を採用すれば、ITベンダーやコンサルティング会社にRPAの導入を依頼する場合のコストの10分の1で済みます。しかも、ITベンダーがRPAを導入する場合、ウォーターフォール型で作業を進めるので時間がかかります。一方、RPA女子の場合、アジャイル開発が可能なので、RPA導入をスピーディーに進めることができます」と語る。

RPAの専門部署を構える企業も増えているが、人手不足が進む昨今、RPAに専念できる人材を抱えることが難しい企業も多いだろう。そんな企業にとって、「RPA女子」はRPA導入を実現する手段の1つになるのではないだろうか。