検証でRPA導入効果を実感
日本にとどまらず、アジアに向けてインターネットサービス基盤事業やビジネスコンサルティング事業を展開するクララオンライン。ソリューションビジネス部 サービスサポート リーダーの内田浩史氏は「RPAを自社のサービスとして展開するため、まずは自社での導入を検討することにしました」と語る。
クララオンラインでは昨年12月からRPAの導入を検討し、今年2月に、RPAテクノロジーズが提供しているRPAツール「BizRobo!」を利用することを決定した。「BizRobo!」を選んだ理由について、内田氏は「RPA製品を検証する際に、プリセールスの方がしっかりとフォローしてくれたことが決め手でした」と話す。
現在は、顧客の問い合わせやサービス申し込みに関わる作業にRPAを導入して、検証を行っているところだ。検証では、通常1人が1時間から2時間かかる作業を10分で完了できているという。「トライアンドエラーを繰り返すことで、用途によって、RPAの導入効果があることがわかりました」と内田氏は話す。
検証によってRPAの効果が見えた一方、RPAの機能が多いため、社内のリソースだけではRPAを使いこなすことが難しいこともわかった。そこで、クララオンラインではMAIAが派遣している「RPA女子」を活用することにした。
離職した女性に復職の機会を与える「RPA女子」
では、「RPA女子」とは一体何者なのか。RPAテクノロジーズ、MAIA、Waris、ブイキューブは昨年5月、RPAを活用したい企業や団体に対し、RPAスキルを身に着けた女性をマッチングすることで、子育て・家族の転勤・介護などで離職した女性の復職を支援する「RPA女子プロジェクト」を始動した。同プロジェクトの下、RPAの技術を学び、RPAにまつわる業務を担う女性を「RPA女子」と呼んでいる。
「RPA女子」になるには、MAIAでオンライン教育を約20~30時間受講し、約60~80時間のOJTを行う必要がある。あわせて、SlackやBacklogによるオンラインコミュニティに参加することで、相互連携を強化できる。
MAIA 執行役員兼アートディレクターの森山譲治氏は、RPA女子の仕事について次のように語る。
「RPA女子の仕事は3種類あります。1つ目は、顧客でRPAの導入やコンサルティングを行う開発業務です。2つ目は、オンラインでの受講生のサポートです。3つ目は、RPAのコンテンツを作る業務です」
現時点で、認定資格を取得できた人は教育を受講した人の約6割だという。認定資格がとれない人について聞いてみたところ、「RPAを正しく理解していない、PCのスペックが不足している、フリーランスとしてのマインドが十分ではないケースが多いです」と、森山氏は話す。
ちなみに、70代で認定資格を取得した女性がいらっしゃるそうだ。その女性は現役時代に汎用機のエンジニアだったとのこと。今は、人生100年時代とも言われており、いくつになっても、自分の能力を生かして働くことができる場があるのは素晴らしいことだ。