Appleの開発者イベント「WWDC」では、初日に行われる基調講演で新機能・新製品が発表されます。WWDCの会期中は、新機能を利用したプログラミングの要点をレクチャーする開発者向けセッションが中心ですが、基調講演は位置付けが異なり"世界中のAppleユーザと報道メディアに向けての発表"となります。

この基調講演は内容が濃く、何をどう見せるかが周到に計算されています。世界中のエンドユーザに知って欲しいことを約2時間の中に詰め込むため、情報の取捨選択が行われるのは当然です。優先順位の高い機能・新製品に割かれる時間は長く、優先順位の低い機能は短くなるのはやむを得ないことでしょう。

そのため、触れられない機能・新製品は少なくありませんが、エンドユーザ視点では画期的な機能がないわけではありません。たとえば、iOS 13の「電話」アプリに追加された「Silence unknown callers」と呼ばれる機能は、「連絡先」と「メール」、「メッセージ」のいずれにも情報がない(送受信履歴がない)番号からの着信があった場合には、呼び出し音を鳴らさずそのまま留守番電話機能に誘導します。迷惑電話対策には画期的と思える機能ですが、基調講演では触れられていません。

このように、新機能・新製品に関する注目点は、Appleとエンドユーザの間で若干のギャップがあります。それを埋めるためには、エンドユーザ自身が目を皿のようにして情報を追うしかありません。

基調講演直後に更新されるAppleのWEBサイトは、その最大の情報源です。前述した「Silence unknown callers」も、WEBにはしっかり掲載されています。基調講演のスライドも見逃せません。各コーナーの終盤では、新機能/変更点をずらり並べたスライドを映すのが恒例となっていますから、チェックしましょう。自分にとっては重要と思える機能名があるかもしれませんよ。

  • WWDCの基調講演で紹介されなかった機能は、大したことないの?

    約2時間の基調講演には、情報がすき間無く詰まっています