6月5日、Googleは日本国内でスマートディスプレイ「Google Nest Hub」(以下、Nest Hub)を6月12日に発売することを発表した。発売に先駆けて、限られた時間ではあるが、都内で開催された製品発表会場で実機に触れることができたので、Nest Hubの面白かった点を紹介しよう。
7インチ液晶でも意外とコンパクト
Nest Hubは2018年10月に米国で「Google Home Hub」として発売された後、2019年5月になって、Google傘下でサーモスタットやホームセキュリティ機器などのスマート家電「Nest」ブランドにリネームされたものだ。日本で「Nest」は好事家以外に知られていないが、米国ではかなりの知名度がある。
本体は7インチ(1,024×600ピクセル)のディスプレイを搭載し、マイクとスピーカーを搭載しているが、カメラ機能は搭載していない(米国ではカメラを搭載した10インチの上位モデル「Nest Hub Max」が2019年5月に登場している)。
ディスプレイは「Amazon Fire 7」などの小型タブレットと同等のサイズで、使用パネルは不明だが、上下左右の視野角がかなり広いところを見ると、おそらくIPSパネルだろう。明るさも十分だ。
7インチ級ということでスマホよりはやや大きめだが、設置面積自体はさほど大きくない。例えば台所とリビングの間にあるカウンターなどに置いて使うのにピッタリだ。
本体に、電源ボタンに相当するものはなく、万が一フリーズなどが発生したときは、電源ケーブルを抜いて再起動することになる。音量ボタンの上下を同時に長押し(約10秒)するとリセットされるが、工場出荷状態に初期化されてしまうので、これは最後の手段にしたい。
上下左右からスワイプして設定
設定は基本的に「Google Home」アプリから行う(iOSとAndroidに対応)。この点は既存のGoogle製スマートスピーカーと同様だ。利用にはGoogleアカウントが必要になる。
音声アシスタントというと、一度にひとつの命令しかできない印象だが、実は「おはよう」「おやすみ」などのキーワードに、照明を消す、機器の電源を切る、音量を下げるなど複数の命令セットを登録できる「ルーティン」機能がある(ルーティンはGoogle Homeでも利用可能)。このルーティンの設定もアプリから行える。
ホーム画面では壁紙となる写真に加え、時計と天気が表示される。画面を上端から下にスワイプすると、スマートホーム機器の操作コントロールが、下端から上にスワイプすると音量や明るさの調節コントロールが表示される。右端から左は過去に使った操作が表示され、左端から右はカレンダー表示となる。
Googleフォトとの連携に注目
画面操作のレスポンスは、厳しい目で見ると少し遅いかな? という感じも受けるが、そこまで悪いものではない。よほど焦って操作することでもなければ誤操作はないだろう。音声入力についてはネットワーク環境にも依存するため難しいが、Google Homeとほぼ同等といったところで、十分快適だ。
画面が付いたことで面白いのが、Googleフォトに登録した写真をフォルダーで共有できる機能。発表会では祖父母にNest Hubをプレゼントして、孫の写真をアップロードすると祖父母側のNestにも表示される、フォトスタンド的な利用法を提案していた。
家族それぞれがより使いやすくなる
また、最大6人までの音声を識別して、それぞれの個人向けアカウントからデータを参照してくれる「Voice Match」も、画面が付いたことで実用度が増した。
Googleアシスタントの声をオフにする機能があるので、個人アカウントのスケジュールなどをチェックする際、画面表示だけにして、Googleアシスタントの声を出さずにいれば、プライバシーが守れるのだ。このVoice Match機能はかなり便利そうで、個人的には、子どもたちの時間割をスケジュールに登録して登校前にチェックする、という使い方を思いついた。Nest Hubを導入したらぜひ試してみたい。
このほか、レシピ検索やYoutubeなどの動画配信サービス、AWA、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスも利用できる。据え置き型タブレットとしても使えるので、ただのスピーカーよりも活用しやすいのはうれしい点だ。
短い時間の試用だったため、Nest Hubのすべての機能を網羅することはできなかったが、筆者はすでにGoogle Home miniを導入していることもあり、すぐに慣れて快適に使うことができた。
百聞は一見にしかずというが、Nest Hubは画面があることで情報を目からも得られる。既存のGoogle Homeユーザーははもちろんだが、初めて音声アシスタント付きスマートデバイスを導入する人にこそ、おすすめできる1台だ。これから量販店の店頭などで見かける機会も多くなると思われるが、ぜひ一度体験してみてほしい。