JR東日本は4日、水素をエネルギー源としたハイブリッド車両(燃料電池)試験車両を製作し、営業路線で実証試験を実施すると発表した。
同社は「エネルギーの多様化」をめざし、その一環で水素エネルギーの利活用を進めている。これまで水素をエネルギー源とする燃料電池車両の開発を進めてきたが、このたびハイブリッド車両(燃料電池)試験車両としてFV-E991系を製作し、営業路線で実証試験を実施することになったという。
FV-E991系は2両1編成(1M1T)で、水素を燃料とする燃料電池、蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載した試験車両となる。世界で初めて70MPaの高圧水素を利用できる燃料電池鉄道車両であり、これにより走行距離を延ばすことが可能に。水素を燃料とすることにより、「将来にわたり安定的にエネルギーを確保するエネルギーの多様化の実現や、CO2排出量の削減など」のメリットがあるとのこと。
実証試験では、実使用環境下での走行試験も実施し、安全性・環境性能・車両性能などを確認するとともに、燃料電池制御技術の最適化や地上設備に関する技術開発項目の検討など、将来の燃料電池車両実用化に向けたデータを収集していく。
試験車両FV-E991系は2021年度内に落成し、鶴見線と南武線の浜川崎~尻手~武蔵中原間で実証実験を行う予定。2021年度の試験開始に向け、実証試験開始スケジュールを今後調整する。