米Appleは6月3日 (現地時間)、Retina 6Kパネルを搭載した32インチ液晶ディスプレイ「Pro Display XDR」を発表した。2016年6月に「Apple Thunderbolt Display」の販売を終了してから、空白期間が続いていたAppleの純正ディスプレイの復活だ。フルスクリーン輝度で1,000nitsを実現。同じ日に発表された新しい「Mac Pro」との組み合わせでは、最大6台のPro Display XDRをつないで最大1億2000万ピクセルの広大な画面を得られる。価格は4,999ドル。2019年秋の受注開始を予定している。
32インチのRetina 6Kディスプレイは、Retina 5Kディスプレイよりも画面面積が約40%広い。解像度は6,016×3,384ピクセル、218ppi。アスペクト比は16:9だ。P3色空間と10bitの色深度の表示が可能。一般的なデスクトップディスプレイの輝度が350nitsぐらいであるのに対して、576個のブルーLEDを配列した直下型バックライトシステムを搭載するPro Display XDRは全体輝度が1,000nits、ピーク輝度は1,600nits。コントラスト比は100万:1だ。幅広いダイナミックレンジ。その表現力はHigh Dynamic Range (HDR)を超えて「Extreme Dynamic Range (XDR)である」としている。
作業用ディスプレイは様々な角度から見られることが多いが、Pro Display XDRは偏光子技術によって正面以外からでも広い視野角で同じように正確な色でコンテンツを確認できる。反射防止コーティング技術で反射率を下げてグレアを抑制。さらに光の反射を抑えられないような厳しい環境向けに、ディスプレイ表面のガラスにナノレベルの微細なエッチングを施す「ナノテクスチャー」と呼ばれるマット(非光沢)オプションも提供する。
アルミニウム製のエンクロージャには高輝度LEDの熱を効率的に逃がすように、新しいMac Proと同じ格子パターンの穴が背面に並ぶ。ベゼルは9ミリと狭額。背面にThunderbolt 3 (USB-C)ポートと、3つのUSB-C (USB 2)ポートを備える。
ユーザーが使い方に合わせて柔軟に設置できるようにスタンドなどが別売りになっている。Pro Stand (999ドル)はスタンド部分から伸びる1本のアームでバランスよくPro Display XDRを支え、ユーザーはディスプレイの重さを感じることなく、自在に傾きと高さを調整できる。回転させてポートレート(縦長)モードに切り換えることも可能。Pro Stand以外では、VESAマウントアダプタ (199ドル)が用意される。