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【この記事のエキスパート】
キャンプ/釣りライター:中山 一弘
青年期に始めた釣り新聞への寄稿を始めとして、サイトAllAboutでのフィッシングガイドを務める。
ほかにも雑誌『Salty!(ソルティ)』やアウトドア系の雑誌やWeb媒体などでの執筆多数。
今も休日には必ず海山湖を駆けまわっている自然派で、あらゆるジャンルの釣りを体験し、季節に合わせて日本中の旬な魚を追っている。
キャンプ用品は、あえて払い下げのミリタリー系ギアで揃えるマニアな一面も。
アジングやメバリング、エギング、シーバス釣りなどジギングで使うことの多い釣り糸「PEライン」。強度が高く感度に優れているのが特徴ですが、リーダーを結ぶ必要もあり、初心者は敬遠しがち。本記事ではPEラインの選び方とおすすめ商品、ユーザーの口コミを紹介します。後半にはリーダーの結び方も動画で解説。
PEラインとは?
釣り糸(ライン)の種類は大きく分けて3種類。ナイロンライン、フロロカーボンライン、そして本記事でご紹介するPE(ポリエチレン)ラインがあります。
●ナイロンライン
ナイロン素材で比較的安価なライン。クセがつきにくい仕様で、ビギナーでも扱いやすい
●フロロカーボンライン
ポリフッ化ビニリデン素材で作られ、耐摩耗性が高いのが特徴。主にバス釣りや磯釣りなど、障害物のあるポイントで使われることが多い
●PE(ポリエチレン)ライン
ポリエチレン素材で作られ、引っ張り強度に優れている。ルアーによるシーバス釣りやエギング、船釣りなどに使用されている
上記3種類の中でも、PE(ポリエチレン)ラインは引っ張り強度に優れています。使い方にコツが必要ですが、シーバスやエギングをはじめ、ルアーフィッシングや船釣りなどに使用され、たくさんの釣りファンに愛されています。
PEラインの4つの特徴
PEラインの大きな特徴は4つあります。一つひとつ詳しく見ていきましょう。
特徴1:撚り糸であるため引っ張り強度が強い
大きな特徴としては細い糸が編み込まれて作られる撚り糸であること。一般的に4本編み、8本編み、12本編みと種類があります。そのため引っ張り強度が強いです。ターゲットがヒットしたら、少々強引でも引き寄せることが可能です。
強度が高い分、細い号数のライン(釣り糸)を使うことができるので、キャスティング(ルアーなどの仕掛けを投げること)の際、摩擦抵抗を減らし、飛距離が伸びることもあります。
しかしその分、ナイロンラインやフロロラインと比べ、価格が高めになる傾向があります。さらにシーバス釣り用、エギング専用など、専門ラインになるとさらに高価です。低価格の製品もありますが、あまり品質がよくない場合もあるため、ある程度の価格のものを選ぶほうがよいでしょう。
特徴2:比重が軽く、水面に浮く
PEラインの大きな特徴の一つとして、その比重の軽さがあげられます。真水の比重を1とした比較が下記になります。
PEライン......0.98程度
真水......1
海水......1.02〜1.03程度
ナイロンライン......1.14程度
フロロカーボンライン......1.78程度
上記で分かる通り、PEラインは最も比重が軽いので水面に浮きます。そのため浮力が高くなり、ルアーが自重で落ちていきます。逆に軽さの分、ルアーが浮かされやすいという特徴もあります。
特徴3:ラインにコシ(弾力)がなく、風や潮の影響を受けやすい
PEラインにはしなやかさがありますが、コシ(弾力)がありません。とても柔らかいラインです。
そのため風の影響を受けて竿の穂先に絡まる、糸よれやコブができるといったライントラブルが起こる可能性があります。潮の流れによっては仕掛けがポイントに止まらない場合もあります。扱いが難しく、コツが必要なのが難点です。
※「コシ」とは......弾力のある様。ライン・釣り糸の形を保とうとする力のこと。フロロカーボンラインを結ぶ際、元に戻ってしまう状態をイメージしてもらうと想像しやすいでしょう。
近年では、上記のデメリットが少ない「高比重PEライン」も登場するなど、日々アップデートを繰り返していますが、基本的に扱いが難しいことを把握しておきましょう。
特徴4:伸縮性がなく、アタリがわかりやすい
伸縮性がないのも特徴。ライン(釣り糸)がピンと張るので、小魚の動きに似せるルアーアクションがしやすいです。また、アタリの振動が伝わりやすいので、魚の口へ針を掛けるフッキングなどもしやすいです。
しかし、伸縮性がない分、大きな衝撃が加わったり、根ズレや魚の歯による歯ズレで傷つくことで切れやすくなっています。
PEラインを使用する際は、根ズレや歯ズレによる糸切れを防ぐためにリーダー(PEラインとルアーの間に結ぶ補強のための釣り糸)を結ぶのが一般的です。リーダーにはナイロンラインやフロロラインを使用することが多いです。事前に確認し、当日に慌ててリーダーをセットすることのないよう注意しましょう。
PEラインのメリット・デメリットまとめ一覧
PEラインの特徴(メリット・デメリット)を端的にまとめました。ライン選びに迷ったら、まずはこの部分を確認してみてください。
PEラインの選び方
PEラインの大まかな特徴がわかったところで、基本的な選び方のポイントを見ていきましょう。
ポイントは下記。
【1】編み込みの本数をチェック
【2】ターゲットに合った号数かチェック
【3】スタイルに合うボビンの糸巻き量をチェック
【4】スタイルに合うボビンの糸巻き量をチェック
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】編み込みの本数をチェック
PEラインは大きく「4本編み」と「8本編み」に分けられます。
●4本編み
4本編みはひとつひとつの繊維が太く、廉価であるかわりに、ロッドやリールとの摩擦で、なにかと気になる音鳴りがしやすくなります。
●8本編み
8本編みは繊維が細く、高価になりますが、摩擦が少なく飛距離が伸びやすい傾向があります。
釣行回数が多く頻繁に交換するなら4本編み、細な釣りや飛距離にこだわりたいときは8本編みといった感じで使い分けるといいでしょう。
(★)4本編みと8本編みのユーザー比率はほぼ同じ
ユーザーアンケートによると、使用している編み込み本数は4本編みが39.2%、8本編みが45.7%、その他12本編みなどは15.1%となりました。
一般的にユーザーに使用されているのは、4本編みや8本編みが多いようです。どちらを使うかはターゲットや飛距離、釣行回数などで判断してみましょう。
【2】ターゲットに合った号数かチェック
PEラインを使う釣りはたくさんありますが、特にソルトルアーのジャンルでは対象に合った「号数」というものがあるのでラインアップにそれが含まれているか見ておくことが大切です。
例えば、アジ・メバルの場合は0.1~0.6号、エギングは0.6~1号、シーバス(スズキ)なら0.8~1.2号、青物なら1号以上といった具合。また、船釣りなどでは2剛のラインを使用することも多いです。
せっかく廉価なラインを見つけても、目指すターゲットにあった号数がなければ釣りがやりづらくなってしまうので、ラインアップに存在しているかよく確認しておきましょう。
(★)魚種に特価したPEラインも販売されている
PEラインは、対象魚ごとに細分化された商品が発売されています。その対象魚を釣るために工夫が加えられているため、魚種専用のPEラインを選ぶのもひとつの手でしょう。
なお、魚種専用タイプは、そうでないタイプより価格が高くなっています。岩場の魚釣りたいということであれば、耐摩耗性を強化したものを、遠投して遠くの魚を釣りたいということであれば、飛距離が稼げるよう、よりしなやかさを強化したものといった目線でも大切にしましょう。
【3】釣りスタイルに合うボビンの糸巻き量をチェック
PEラインは巻き癖が付きづらいので、スプールに巻いた状態から裏表をひっくり返して使うこともできます。
ただし、アベレージで50m以上の飛距離があるような釣りをしているときに100m巻きのラインだと、半分以上が海水に触れるので裏返しても劣化した部分が出てしまうこともあります。なるべく長持ちさせるには釣りのスタイルに合わせた糸巻き量の製品を購入したいですね。
【4】ラインの交換頻度をチェック
釣行頻度が多ければ、それだけラインの交換頻度も多くなります。年間を通じてフィールドに通うのであれば、コストはとても重要な要素です。考え方としては、高価なラインをメンテナンスしながらなるべく長く使うか、廉価なラインでどんどん巻き替えるかの2パターンがあります。
▼高価なラインをメンテナンスして使う場合
釣行後は必ず真水でラインの塩気を抜き、陰干ししてからコーティング剤などを塗布するなど手間が掛かりますが、コンディションを長く保てばかえってリーズナブルになることもあります。
メインラインのコストは自身のスタイルに合わせて決めるとよいでしょう。
(★)半年に一回の巻き替えをするユーザーが多い
ユーザーアンケートによると、最も多い巻き替え頻度は「半年に1回」で50.5%。約2人に1人は半年を目処に巻き替えているようです。その他、3ヶ月に1回は22.0%、1年に1回は26.3%となっています。
釣りに行く頻度やメンテナンスの問題もありますが、比較的高価なものを使用し、長く使う工夫をしているユーザーが多いことがわかります。
【※】PEライン選択上の注意点
PEラインは使用する頻度が高いものです。消耗品なのでコストパフォーマンスにすぐれているものを選ぶことが望ましいです。
リーズナブルな商品を選ぶ際の注意点
PEラインを選ぶにあたり、目的があまりない場合や、とりあえずいろいろな魚に使えるものがよいという場合は、大量巻きの安価な商品をまずは購入してはいかがでしょうか。
安価な製品を使用し、PEラインの扱いに慣れた後、目的別のPEラインを購入するのもいいでしょう。ただし、安い商品の中には品質がよくないものもあるので十分注意して選ぶ必要があります。
ラインカラーは好みで選んで問題ない
PEラインの色は、地味なものからカラフルなものまでさまざまあります。水面などで視認性を高めたいのであればカラフルなもの、目立たせたくない場合は地味な色がよいですが、よく釣るためにはルアーの操作が重要です。
ラインの色でそこまで釣果が変わることはないため、ラインの色は自分の好みで選んでも問題ありません。
【エキスパートのコメント】
あえて目立つ色を選択するのもコツ
PEラインを選ぶときにラインカラーについて聞かれることも多いのですが、海のルアーフィッシングの場合、ラインで魚が怯えるようなハイプレッシャーな状況にはなりづらいので、自分が見やすいと思うカラーを選んで問題ないです。
特にナイトゲームが多い釣りでは視認性が高くないとトラブルが多くなります。海中や空中での見やすさだけでなく、手元で見やすい色を選択するのもコツです。