WWDC 2019の基調講演で発表されたデスクトップ型Mac「Mac Pro」は、現在最高峰といえる高速CPUや高速グラフィックス、大容量メモリーを搭載可能なモンスターマシンに仕上がっていました。性能の高さもさることながら、特徴的なデザインのタワー型ボディも目を引きます。WWDCの会場にMac Proの実機が展示されていたので、いち早くチェックしていきましょう。

  • デザインも性能も圧巻のデスクトップ型Mac「Mac Pro」(右)。左にあるのは、32型の高性能液晶ディスプレイ「Pro Display XDR」

  • 背面もしっかりデザインされているのがアップルらしい。吸排気口は単純に穴を開けただけでなく、大きな穴の中に小さな穴が3つ刻まれているなど凝っている

アップルらしい個性的なデザインのMac Pro

Mac Proは、一般的なミドルタワーの自作デスクトップパソコンぐらいの大きさがあります。CPUやグラフィックスカードなどが発する大量の熱を効率よく排出するため、前後には円形の吸排気口が無数に開けられており、デザイン上の特徴にもなっています。実際に動いているMac Proの近くで耳を澄ませてみましたが、不快な風切り音は感じられず、駆動時の騒音はかなり低く抑えられているようでした。

  • 円形の吸気口が特徴的なフロントパネル。本体は大きいが、光学ドライブはもちろん搭載していない。前面パネルのすぐ奥に大型のファンを内蔵しており、空気をケース内に送り込む仕組み

  • 背面は多くの拡張スロットが並ぶ。騒音は感じられなかったが、内部から排出された熱で背面付近はムンムンしていた。Thunderbolt 3端子はUSB端子は最上段に用意されている

  • 横から見たところ。アップルマークが付いたケースは筒状になっていて、上方向にすっぽりと取り外せる仕組み

上部のハンドルをつかんで持ち運びできる点は、現行モデルの1つ前のMac Proと同じコンセプトといえます。天板にあるツマミをひねればケースを簡単に持ち上げて外せるので、内部に簡単にアクセスできます。底面はオーソドックスなスタンドが取り付けられていますが、スーツケースのようなキャスターにも交換できるようになっていました。

  • 上部には、かつてのMac Proをほうふつとさせる大型ハンドルが前後に設けられており、デザインのアクセントにもなっている

  • 半円形のツマミをひねるとケースが取り外せる。上部には電源ボタンのほかに2つのThunderbolt 3端子がある

  • 消費電力が大きいため電源ケーブルはかなり太く、直挿しとなっている

  • オプションで、底面のスタンドをキャスターに交換できる

スタンドがすごい高性能ディスプレイ「Pro Display XDR」

表示性能を追求した32型の液晶ディスプレイ「Pro Display XDR」も展示されていました。こちらもMac Proに合わせたデザインで、近ごろのトレンドである狭額縁となっていました。背面には4基のThunderbolt 3端子を搭載するだけと、かなりシンプルになっています。

  • 久々のアップル純正ディスプレイとなる「Pro Display XDR」。最大6台のディスプレイを同時に接続できる

  • 直線基調のパネル部は比較的スリムに仕上がっている。パネル部には反射防止の処理が施されている

  • 背面には4基のThunderbolt 3端子が備わっている。Pro Display XDRの製品名は背面に配置されている

液晶ディスプレイとしては珍しく、専用スタンド「Pro Stand」は別売となっています。このスタンド、角度調節機構が特徴的で、パネル部をどのようなポジションにも柔軟に調整できるようになっています。価格はなんと999ドル(約10万8000円)と、スタンドとしてはきわめて高価ですが、それだけの使い勝手を提供してくれると期待しましょう。

  • 専用スタンド「Pro Stand」は別売となる。このスタンドだけで、お値段はなんと10万円超!

  • 独自の角度調節機構は複雑な構造になっていて、重いパネルをどんなポジションでもしっかり固定してくれる

  • Mac ProとPro Display XDRのいずれも、この秋に販売を開始する予定。パソコンでできることの常識が大きく変わりそうだ