俳優の杉野遥亮が、MBS・TBSの連続ドラマ『スカム』(MBS:6月30日スタート 毎週日曜24:50~、TBS:7月2日スタート 毎週火曜25:28~)で連続ドラマ初主演を務めることが3日、明らかになった。振り込め詐欺に手を染める若者たちを描く物語で、詐欺師役を演じる。
このドラマは、『週刊モーニング』で連載中の『ギャングース』の共同原作者を務めるルポライターの鈴木大介氏が巨大犯罪・振り込め詐欺に従事する若者たちの実態を取材した『老人喰い』を原案とし、社会的要因により振り込め詐欺に手を染めざるを得なかった若者たちのドラマを克明に描く社会派詐欺エンタテインメント。舞台は、リーマンブラザーズの経営破綻により日本でも多くの失業者が生まれ、若者の貧困率が高齢者を大きく上回るなど世代間格差という言葉が取りざたされた2008年の東京近郊。タイトルの「スカム」は、英訳すると「詐欺」「人間のクズ」となる。
主演を務めるのは、2017年公開の映画『キセキ -あの日のソビト- 』で俳優デビューを果たし、数々の映画やドラマに出演を続ける人気急上昇中の杉野遥亮。順風満帆な勝ち組人生を歩んできたが、新卒切りにより無職となり、時を同じくして発覚した父親の難病治療のため、振り込め詐欺をはじめる主人公・草野誠実役を演じる。裏社会を舞台に等身大の若者から犯罪者へ身を堕としていく役どころを、葛藤や苦悩を織り交ぜながら演じており、詐欺師としての才覚を発揮して詐欺グループのリーダーへと成長し、裏の世界にどっぷりと堕ちていく演技に注目だ。
杉野は、連続ドラマ初主演に「うれしさと巡り合わせを感じました。杉野遥亮としても一俳優としても、今後の財産になる方との出会いや経験がここにあるんじゃないか、と思いました」とコメント。座長としての思いを聞かれると「自分なりの現場の雰囲気の作り方やメリハリ、熱量、ものづくりの楽しさが視聴者の皆様に伝わるよう心がけています。尊敬する共演者の皆さんと現在も撮影していますが、未だに座長と言われると照れます」と答えた。
また、演じる主人公について「誠実の深い想いに同調できる部分が多々あります。社会に対して思うこと、不条理、悔しさが誠実の反骨心に繋がりますが、僕自身も納得できない事や悔しさが前に進むきっかけにもなっています。その根底にあるものは今を生きる人々に突き刺さると確信しています」と話し、「社会の不条理に対する考え方とそれに立ち向かう手段としての詐欺、何が正解で何が不正解かわからないパラドックスですが、そこに懸命に生きる僕たちを笑っているうちに、気がついたら切なくなってくれたら勝ちだなと思っています。誠実たち詐欺グループの姿を通してカタルシスを感じて欲しいです。勢いのある攻めたカットが1話からふんだんに存在します。監督曰く勝ちの画です。あわせてお楽しみください!」とアピールした。
演出を手掛けたのは、本物の不良少年たちを出演させ、数々の国内映画祭に出品を果たした映画『孤高の遠吠』や、間宮祥太朗の演技も話題を集めた映画『全員死刑』などで知られる小林勇貴監督。杉野の俳優としての魅力を「草野誠実という役はお金の事情で追い詰められてしまった若者なんですが、その役の気持ちに寄り添いながら、役の痛みを受け取りながら演技をするという共感能力の高さが監督として本当にうれしいですし、役者として非常に信頼しています。また、ともすれば、詐欺=罪=悪いことという方程式でモノを考えがちですが、想像力をもっているからこそ、そんな単純な方程式で割り切れないことがこの世の中に存在することを本能的に理解しているのは彼の人間としての柔軟性であり魅力だと思います」と語っている。
(C) 「スカム」製作委員会・MBS