5月31日、カメラ記者クラブは「カメラグランプリ2019」の贈呈式を都内で実施しました。カメラグランプリは、この1年間に発売されたカメラや交換レンズのなかから優れた製品を選ぶアワードで、5月17日に受賞機種を発表。6月1日の写真の日を前に、受賞メーカーの開発者や担当者に対してトロフィーが贈呈されました。
大賞に輝いたのが、パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S1R」。カメラ事業を統括する山根洋介事業部長は「各社が魅力的なフルサイズミラーレスをラインアップしているなかで大賞をいただけたのはうれしい。プロカメラマンや写真愛好家の方々に徹底的にリサーチを行い、ハイエンドカメラのあるべき姿を求めるべく設計した。被写体の生命力が感じられる絵作り、瞳で見ているような解像感、カメラと一体になるような操作感などをご評価いただき、LUMIXの存在感を示せたのではないか」と喜びを語ります。
レンズ賞を受賞したのが、ソニーのEマウントレンズ「FE 24mm F1.4 GM」。長らくレンズ開発を歩んできた長田康行氏は「とにかく最高のレンズを世に送り出したいという思いのもとに、サイズや描写性能、ボケの表現に妥協を許さずに開発してきた。世界中のプロカメラマンや写真ファンから叱咤激励を寄せていただいたおかげ」と振り返ります。
あなたが選ぶベストカメラ賞を受賞したのが、オリンパスの高性能ミラーレス「OM-D E-M1X」。杉本繁実氏は「2014年のOM-D E-M1から6年連続で受賞することになり、とてもうれしい。OM-D E-M1Xは、世界中のフォトグラファーの要求に応えるべく、オートフォーカス性能や高速撮影機能、画質を大幅に向上したほか、手持ちハイレゾショットやライブNDなどの独自機能も盛り込んだ。マイクロフォーサーズの長所を生かした歴史に残る名機、との声もいただいている」と喜びを語りました。
カメラ記者クラブ賞を受賞したのが、リコーの高画質コンパクトデジカメ「GR III」。リコーイメージングの高橋忍氏は「日本では20年来のファンに親しまれているGRだが、GR IIIは海外でも評価が高まってきているのがうれしい。中国やアジア圏では、GRを使っているのがクールだとSNSで注目されている。GRのコンセプトが認められず苦戦していた欧米でも、レンズ交換式カメラとは違う本格的なカメラだと評価する人が増えた。GRで本格的に写真を楽しむ動きがあると肌で感じている」と語ります。
カメラ記者クラブ賞を受賞したのが、タムロンのEマウントレンズ「28-75mm F/2.8 Di III RXD」(Model A036)。タムロンの沢尾貴志氏は「動きの速い市場に対応すべく、5名ほどの若手に商品企画を担当させて開発した。コンパクトなミラーレスのボディにマッチする小型軽量レンズのコンセプトのもとに広角側は割り切ったものの、営業からは28mm始まりのレンズなんか売れない、など厳しい声が寄せられた。もし失敗しても、若い開発者が学んでくれればよいと思っていたが、フタを開けたら大好評で、現在も半年先までバックオーダーを抱えている」とヒットの経緯を語りました。