北陸鉄道は29日、国土交通省北陸信越運輸局に鉄道旅客上限運賃の変更認可申請を行ったと発表した。実施予定日は2019年10月1日とされた。

  • 北陸鉄道石川線(野町~鶴来間)の電車

同社の鉄道線では、安全第一に運行を継続するとともに、鉄道利用者の増加と営業収入の確保をめざし、各種企画切符の販売や企画電車の運行、イベントなどの利用促進策に取り組んできた。一方、経費削減のために利用者が僅少な区間の廃止やワンマン運行の開始など、さまざまな経営改善にも努めてきたが、施設・車両修繕費の増加、運転電力料金の値上げ等により、損失の計上が拡大する傾向にある。

今後も諸経費の増大は避けられず、厳しい経営環境が続くことから、今回、鉄道線上限運賃の変更認可申請を行った。今後も安全・安心で地域の足を担う鉄道線をめざす。

申請の認可後、上限運賃の範囲内で実施運賃の届出を行い、普通旅客運賃および定期旅客運賃を改定する。平均改定率(上限運賃)は、普通旅客運賃(大人)が13.153%、定期旅客運賃(通勤・通学)が13.464%。たとえば、2.0kmまでの区間の運賃は現行の140円から改定後に160円、6.0~8.0kmの区間の運賃は現行の350円から改定後に400円、12.0~14.0kmの区間で現行500円だった運賃は改定後に550円となる。

  • 北陸鉄道浅野川線(北鉄金沢~内灘間)の電車

北陸鉄道の鉄道線は1990年の運賃改定以降、消費税率の改定にともなう税・転嫁を除き、運賃改定は29年ぶりの実施となる。