JR東海は30日、ホーム可動柵やエレベーターなどの機械設備をネットワーク化し、稼働状況や故障状況を遠隔でリアルタイムに把握できる設備状態監視システムを導入すると発表した。2020年度末から順次、使用開始する予定。工事費は約32億円。

  • 設備状態監視システムの概要

このシステムの導入により、故障発生時の復旧作業の迅速化を図るとともに、定期検査の省力化を実現する。将来的には状態監視によって得られる各種データを故障の未然防止などに活用し、さらなる設備の安定稼働の実現に向けた取組みも進めていく。

今回、導入が発表された設備状態監視システムでは、各設備をネットワーク化し、設備の稼働状況や故障状況を表す各種データ(電流値や温度など)を事務所で一元的に管理する。故障発生時は係員が事務所で各種データをもとに、故障状況をあらかじめ把握した上で現地に赴き、新たに導入するタブレット端末を活用しつつ、復旧作業を実施する。

おもな監視対象設備は、列車運行に関わる設備として「ホーム可動柵(新幹線・在来線)」「台車温度検知装置(新幹線)」「車両床下温度検知装置(在来線)」「融雪装置(新幹線・在来線)」、サービスに関わる設備として「エレベーター(新幹線・在来線)」「冷暖房装置(新幹線・在来線)」など、車両メンテナンスに関わる設備として「台車組立装置(新幹線)」「車輪旋盤装置(新幹線・在来線)」などを挙げている。

導入効果については、係員が事務所で故障状況をあらかじめ把握し、復旧に必要な部品を準備した上で現地に赴くことによる復旧作業の迅速化や、復旧作業に伴って必要になる各種データ確認の際、タブレット端末を介することによるデータ確認の迅速化が期待される。係員が現地に赴いて実施している定期検査の一部を事務所からの遠隔監視で代替することにより、定期検査を省力化も見込まれている。