先日、5月だというのに真夏日を記録しました。今年も暑いですね。昨年(2018年)のエアコン出荷台数は、猛暑の影響で過去最大の981万台でした。あまりに売れ行きがよかったので、設置工事の予約がなかなか取れず、購入から何週間も待つ家庭もあったそう。この夏に向けてエアコンを買うなら、早めがオススメですよ。
エアコンは長く使うため、インテリア性も備えたものを選びたいところ。ダイキン工業は5月29日にサンゲツと共同で、パネルデザインを選べるエアコンシリーズ「risora(リソラ)」の新サービス発表会を実施したので、その様子をレポートします。
ダイキン工業が「リソラ」シリーズを発売したのは2018年3月のこと。室内機の奥行きを185mmと薄くし、圧迫感のない形状としました。全体的にシンプルなデザインで、運転ランプ、リモコン受光部など、細部のデザインまでこだわっています。発売当初は有料オプションとして、7種類のカラーパネルを展開し、インテリアにあわせてカラーを選べることで話題となりました。そしてダイキンは2019年現在、選べるカラーパネルを600色まで拡充し、有料オプション「risora custom style」として提供しています。
ダイキン工業がリソラの購入者に行ったアンケートによれば、ユーザーがエアコン購入時に重視したポイントとして、40%が「室内機の薄さ」、27%が「パネル(デザイン・色・質感)」と答えています。
リソラ購入者のうち、33%はオプションのカラーパネルを購入しているデータもあります。ダイキン工業の空調営業本部 事業戦略室 商品戦略担当部長 萩原良彦氏は「予想以上にカラーパネルの需要が多かった。インテリアのように選べるエアコンが求められている」と話します。
こうしたユーザーの声を踏まえ、ダイキン工業は6月1日から「risora custom style」の新メニューとして、木目、大理石、レザーなどの素材感を追求した10種類のパネルを追加します。
新たなパネルは室内機本体に、サンゲツの粘着剤化粧フィルム「REATEC」を真空・圧空成形で接着するかたち。受注生産なので、オーダーから出荷までに約3週間かかります。価格はエアコン本体とは別で4万円(税別)です。
「壁紙が白、だからエアコンも白」がスタンダードだった日本
白以外のエアコンは、リソラが初めてではありません。2005年には三洋電機のエアコン「四季彩館」というシリーズで、レッド、シルバー、オレンジなどを取り扱っていました。しかし、白以外のエアコンは市場になかなか定着しなかったのです。
サンゲツのインテリア事業本部・壁装事業部長の作本昭彦氏は、「これまで日本住宅の壁紙は白やベージュが主流だった」と話し、エアコンもそれに合わせた白が定着していたと分析します。
しかし最近、壁紙トレンドに変化が起きています。「日本の住宅は、シンプルな白い壁紙で統一するのがずっと主流でしたが、近年はアクセントクロス(部屋の壁の一部に白以外の壁紙をアクセントとして取り入れること)が流行しています」と作本氏は強調しました。
壁紙で遊ぶ余裕が出てくると、問題になるのが白いエアコンの存在。「部屋全体の調和を考えてアクセントクロスを取り入れるのですが、白いエアコンの存在がやっかいなことがあります」と話すのは、ホテルや展示会などのデザインを手がけるColor Design Firm 代表の網村眞弓氏です。
インテリアコーディネーター泣かせともいえる白のエアコンですが、リソラは質感や色を選べるので、そんな心配もなくなりそう。網村氏は「リソラが壁紙のアクセントになり、新しい空間を演出します」と語りました。
リソラに使われている粘着剤化粧フィルム「REATEC」は、家具や建具、柱にも使えるため、室内全体をトータルコーディネートできるのもうれしいポイントです。ゆっくりデザインを考えながらエアコンを選べるのも、本格的な夏がはじまる前だからこそ。ぜひ、今のうちに自宅のエアコンを見直してみてはどうでしょうか。
なお、「risora custom style」で室内機をカスタマイズしたい場合、家電量販店ではなく、全国の「ダイキンプロショップ」に行く必要があるので注意してください。