昨年10月期に放送された日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』を手掛けた脚本家の野木亜紀子氏が、「第37回(2018年度)向田邦子賞」を受賞し28日、都内ホテルで行われた贈賞式に出席。受賞のスピーチで喜びを語った。

  • 新垣結衣、野木亜紀子

    新垣結衣と野木亜紀子氏

向田邦子賞委員会と株式会社東京ニュース通信社が主催する同賞は、テレビドラマの脚本を対象に、優れた脚本家を表彰するというもの。今回、新垣結衣と松田龍平がW主演を務めた『獣になれない私たち』の野木亜紀子氏が受賞し、表彰状に加え、本賞の特製万年筆、副賞300万円が贈られた。

野木氏は受賞のスピーチで、2010年にフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞してデビューのきっかけをつかんだときに開いた飲み会で、「10年後か20年後に向田邦子賞をとります」と宣言していたことを明かし、「仕事をしているときは、そのためにやっているわけではありませんが、言ってみるもんだなと思いました」と笑った。

昨年1月期に放送されたTBS系ドラマ『アンナチュラル』でも野木氏は数々の賞を受賞したが、「向田邦子賞は惜しくも…惜しいのか知らないですけどいただけなかった(笑)。TBSのみなさんは、なんで去年とってくれなくて今年なのかって思っているわけです」と笑いを誘い、「フジテレビでデビューしてお世話になったんですけど、そのあとしばらくTBSの人みたいになって、連ドラを本格的に全話自分で書かせていただいたのはTBSで大変お世話になっている。でも、日テレは『掟上今日子の備忘録』もやらせていただいて、日テレにもお世話になった」と、ユーモアあふれるスピーチでさまざまな関係者への気遣いを見せた。

そして、「私は『けもなれ』でとれたことがとてもうれしくて、主演の新垣結衣さんとは4回目のドラマで、私がほしかった賞を新垣さん主演のドラマでとれたことはなんかよかったなという気がとてもしています」としみじみ。「もう1人のW主演の松田龍平さんも素敵に演じてくださって、私としてもとても思い出深いドラマ。わかりやすいドラマではないし、ドラマ的にウケるポイントを避けて作ったチャレンジした作品でしたが、そのチャレンジが賞という形で評価していただけたことが心からうれしいです」と喜び、「ここからがまた新たなスタートだと考え、今後も一作一作大切に、面白いと思えるドラマを作っていきたい」と決意を新たにした。

贈賞式には新垣も駆けつけ、花束を贈呈。「いつも野木さんが書く本に、これから生きていく上でこういう風に物事をとらえたらいいのかなとか、何にでもなれるんだなとか、希望をいただいています。野木さんはとても愛情深い人で、さまざまなキャラクターやキャストがいるなかで、隅々まで物語の中に愛情を感じます」と伝え、「出会ったときから愛情深いところと強さに憧れています。いち大ファンとしてこれからの野木さんの作品を楽しみにしていますので、いっぱい書いてください」とメッセージを送った。

野木氏と新垣のタッグは、『空飛ぶ広報室』(TBS)、『掟上今日子の備忘録』(日本テレビ)、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)、『獣になれない私たち』(日本テレビ)の4作品。なお、贈賞式には新垣のほか、松田、田中圭、犬飼貴丈、近藤公園、一ノ瀬ワタル、山内圭哉も駆けつけ、『獣になれない私たち』キャストが集結した。

  • 向田邦子賞
  • 左から一ノ瀬ワタル、近藤公園、田中圭、新垣結衣、野木亜紀子、松田龍平、山内圭哉、犬飼貴丈
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