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【この記事のエキスパート】
猿田彦珈琲 インテリジェンスマネージャー:村澤 智之
大学生時代にコーヒーの面白さに目覚め、趣味が高じてブログを開設。
スペシャルティコーヒーの美味しさと面白さ、携わる人たちの情熱に感化され、2011年よりコーヒー業界入り。
2012年に雑誌:BRUTUSに掲載。2015年5月より猿田彦珈琲(株)入社、同6月、監修の「珈琲語辞典(誠文堂新光社)」刊行。自社のコーヒーの焙煎、社内のインテリジェンストレーニングに携わる。
簡単で手軽に美味しいコーヒーを淹れられる「コーヒープレス(フレンチプレス)」の選び方とおすすめの商品を厳選して紹介しています。 おしゃれなものや洗いやすいものまで幅広くピックアップ。またコーヒープレスの上手な使い方や洗い方なども解説しています。
コーヒープレスとは?
コーヒープレス(フレンチプレス)は、日本では紅茶用の道具として認識する人が多いようですが、実はコーヒー用の道具としてフランスで生まれたものです。フィルターのついた棒(プランジャー)を押し下げる仕組みから、英語圏の国では単に「プランジャー」と呼ばれることもあります。
コーヒープレスのメリットは、ドリップ経験などのコーヒーを淹れる技術がほとんど必要ないことです。適量の挽いたコーヒー豆(中挽き~粗挽き)に沸騰直後のお湯を注いで、プランジャーつきのフタをして、数分経ったらプランジャーを押し下げて注げば、かんたんにおいしいコーヒーを淹れることができます。
コーヒープレスの選び方
誰でもかんたんにおいしいコーヒーが淹れられる「コーヒープレス」。コーヒーを淹れる方法のひとつですが、さまざまなメーカーやブランドから豊富な商品が販売されています。たくさんの商品のなか、自分に合うコーヒープレスはどのように選べばよいのかわからず、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コーヒープレスの選び方をご紹介します。ポイントは以下の通りです。
【1】淹れ方の種類
【2】フィルターの素材
【3】一度に抽出したい容量(杯数)
【4】コーヒープレスの素材
【5】お手入れのしやすさ
【6】デザイン
【7】メーカー
上記のポイントをおさえることで、あなたに合った商品を見つけることができます。ぜひ参考にしてみてください。
【1】淹れ方の種類で選ぶ
コーヒープレスには、淹れ方によって大きく分けて3つの種類があります。使いやすさや洗い方など特徴が異なるので、自分にとって使いやすいものを見極めるためにも、特徴をおさえておきましょう!
ラインナップが豊富な「フレンチプレス」
コーヒープレスのなかでも主流なのが、このフレンチプレス。容器のなかにお湯とコーヒーを入れ、上からプランジャーで圧力をかけていくだけでコーヒーを抽出することができます。
金属製のフィルターを採用しており、コーヒーの油分までしっかり抽出できるのが魅力。ほかの2タイプより商品のラインナップが多いので、デザインなども好みのものを選びやすいでしょう。
ただ、パーツが多いのでお手入れはやや大変かもしれません。
オリジナルの味を楽しむなら「エアロプレス」
エアロプレスとは、空気圧を使うことでコーヒーを短時間で抽出できるもの。酸味と甘みのバランスのよいコーヒーを淹れることができ、後味はすっきりしているのが魅力です。
豆の量やお湯を注ぐタイミングを変えるなど、淹れ方の自由度が高いのも特徴なので、自分好みのコーヒーをかんたんに淹れることができます。
たくさんの量をすぐに作りたいなら「アメリカンプレス」
アメリカンプレスは、フレンチプレスと同じように圧力をかけてコーヒーを抽出するタイプ。フレンチプレスと異なるのは、プランジャーのフィルター部分にコーヒー粉を入れるポッドが搭載されている点です。コーヒー粉の入ったポッドをお湯に通し、圧力をかけてコーヒーを抽出します。
フレンチプレスよりも短時間で抽出できるものが多く、一度に淹れられるコーヒーの量も多いのが特徴です。
【2】フィルターの素材をチェック!
コーヒープレスのフィルターは、ドリップ式で使う紙のフィルターと違って、金属や樹脂のメッシュでできています。このメッシュフィルターによって、コーヒーに含まれている油分をそのままカップに抽出することができ、フレーバーが豊かなコーヒーを楽しむことができます。
耐久性の面からのおすすめは、メッシュの金属フィルターです。ただし、使用後はこのフィルターについたコーヒーの油分をしっかり洗い流さないと、酸化したニオイがついてしまうので、中身を長時間入れっぱなしにしないようにしましょう。付着したコーヒーの粉や油分は、浸けおき洗いなどしてきれいに管理してくださいね。
【3】一度に抽出したい容量(杯数)で選ぶ
350mlのコーヒープレスならカップ2杯分のコーヒーが淹れられるので、1~2人用に適しています。
コーヒープレスの容量は商品によってさまざまです。飲みたいコーヒーの量や淹れる人数に合うものを選びましょう。1〜2杯分なら350ml、3〜4杯分なら500mlを目安にするのがおすすめです。
コーヒープレスは、容量分のコーヒーを淹れる目的で作られています。容量が大きいコーヒープレスで少量のコーヒーを淹れようとしても、コーヒー豆までプランジャーが届かず、うまく抽出できないことがあるので注意してください。
【4】コーヒープレスの素材で選ぶ
見た目の美しさだけではなく、機能性も充実。本体ステンレスは二重構造になっていて保温効果が高くなっています。
コーヒープレスのポットは、耐熱ガラス製のものが多く販売されています。メーカーによってはステンレス製のものもあるので、使用シーンに合うものを選ぶのがおすすめです。
中身が見えて便利な「耐熱ガラス製」
耐熱ガラス製は、ステンレス製よりリーズナブルな価格のものが多いのが特徴。中が見えるので使いやすいのもうれしいポイントです。抽出の色合いがよく見え、淹れたてのコーヒーを目でも楽しむことができます。
ただし、耐熱ガラス製は衝撃に弱く、ぶつけたり落としたりすると割れやすいため注意が必要です。やさしくていねいに扱いましょう。
アウトドアで使うなら「ステンレス製」がおすすめ
キャンプなどアウトドアで使いたいなら、ステンレス製やチタン製などのコーヒープレスがおすすめです。耐熱ガラス製よりも高価なものが多いですが、割れにくいのがメリット。耐久性が高く、持ち運びにも適しています。
もちろん、ふだんのティータイムにも使えるので、長く愛用できる丈夫なコーヒープレスがほしい人にもぴったりです。
【5】お手入れのしやすさも重要
フレンチプレス、アメリカンプレス、エアロプレスの3タイプのなかでお手入れしやすいのは、アメリカンプレスとエアロプレスです。
主流のフレンチプレスですが、容器の底にコーヒー粉が押し固められるため、こまかい粉が残ることが多く、掃除に手間がかかります。パーツが多くて洗いにくいのも欠点です。
そんなフレンチプレスの欠点を改良したものがアメリカンプレスで、使用後にプランジャーを引き抜くだけでコーヒー粉をそのまま取り出せる仕組みになっています。
エアロプレスは紙フィルターを採用しており、お手入れがよりかんたんです。使用後は紙フィルターごと捨てることができます。
【6】好みのデザインで選ぶ
コーヒープレスには、いろいろなデザインがあります。インテリアとしてそのまま置いておけるおしゃれなものや、かわいいポップなデザインのもの、シンプルなものなど。
好みやキッチン、お部屋の雰囲気に合わせて選ぶのもおすすめです。
【7】人気メーカーで選ぶのもひとつの手
どれを選べばいいか迷ってしまったら、人気のブランドやメーカーで選ぶのもおすすめです。ここでは、コーヒープレスの有名メーカーをいくつか紹介していきます。
ボダム
デンマークのキッチンウェアブランドである「ボダム」。北欧らしいおしゃれなカラーとデザインが魅力です。コーヒー関連のアイテムを多く取り扱っていて、コーヒープレスのラインナップも豊富です。
なかでも注目したいのが、タンブラー型のフレンチプレスコーヒーメーカー「トラベルプレス」。コーヒープレスとタンブラーの一体型で、自宅でも外出先でもおいしい本格コーヒーが手軽に楽しめます。
ハリオ
日本の耐熱ガラスメーカーの「ハリオ」。コーヒープレスをはじめ、さまざまなコーヒー器具を取り扱っています。バリスタやコーヒー愛好家から多くの支持を得ており、日本のみならず海外でも人気です。
ハリオのコーヒープレスは、耐熱ガラスの本体にステンレスや木などを組み合わせたシンプルで上質なデザインが特徴。バリエーション豊かなデザイン、容量、価格から、自分に合ったものが選べます。
メリタ
世界ではじめてペーパーフィルターを採用するなど、コーヒーに関する歴史を持つ「メリタ」。コーヒープレスをはじめ、コーヒーメーカー、コーヒーミル、グラスポットなど、コーヒーに関連するさまざまな商品を取り扱っています。
メリタが販売するコーヒープレスは2種類のみ。どちらもフレンチプレスで、ガラスの取っ手がついたシンプルな「スタンダード」と、ステンレスフレームがおしゃれな「プレミアム」があります。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)