サンスター文具は5月26日、サンスター文具プレゼンツ「第24回文房具アイデアコンテスト」の表彰式を都内にて実施した。今回は「OPEN」をテーマに計4,507点の応募が寄せられ、その中から計20点が選出された。
同コンテストはプロ・アマチュア問わず応募できるコンテスト。同社は創業者の「創造し続ける」という精神に基づき、6月1日を「挑戦の日」と定めており、その活動の一環として行われている。文房具コンテストとしては日本で最も古いものとなり、2007年には日本記念日協会から6月1日を「アイデアの日」として認定されたという。
小林大地代表取締役社長は、表彰のあいさつで「今回のテーマは『OPEN』で、先月新しい元号の令和がオープンしました。そして、このコンテストのアイデアを商品化したブランド『ロクイチブング』もオープンします。今回の受賞作品も積極的に商品化していきたいですし、皆さんのアイデアが新しい文具業界を切り拓き、まさにオープンすることを期待しています」と、枠のとらわれないアイデアが文具業界に新しい風を吹かせることに期待を寄せた。
今回の審査員には、音楽クリエイターのヒャダイン氏や作家の山崎ナオコーラ氏、テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏らも参加しており、それぞれが審査員特別賞を選出した。
ここからは、各受賞品のアイデアの一部を紹介しよう。
ジュニア部門
グランプリ 「タイムスリップ!? レッツゴマシン」
「タイムスリップ!? レッツゴマシン」は、勉強机の3方向にスクリーンをつけ、勉強している内容の映像をDVDで流すことができ、関連する香りを出す器具もついている。授業の生中継ができれば、入院している子どもも教室で勉強しているような気分になれる。
このほか、時刻などを設定することで休みなどの残り日数や筆箱をあけた回数を知らせてくる「『リアル』のふで箱~なんだか追いつめられていく~」や、本物のハムスターが回し車を回して鉛筆をけずる「ハムくるけずり」などが優秀賞および佳作に選ばれた。
一般部門
グランプリ 「色が現れるカッティングマット」
「色が現れるカッティングマット」は、1層目をカットすると、2層目に施された色鮮やかなグラデーションが現れるカッティングマット。使うほどに色鮮やかに、楽しく、明るい気持ちへと導いてくれる。
このほか、二つ折りにして立てると設置部にアイコンが現れて、開く前に意図を伝えることができる「アイコン付箋」や、消しゴムが小さくなってきたら、カバーを切り拓いていくことでタコの形になる「使うのが楽しくなる消しゴムカバー」などが優秀賞に選ばれた。
「この人たちの脳はどうなってんの?」
各界の著名人も、独自の視点や感性をもとに審査員特別賞をセレクトした。
ヒャダイン氏は、おしりの穴に入れてえんぴつを削ると、鉛筆の先がうんちの形になって出てくる「おしり型えんぴつけずり」をチョイス。「実用性や便利さを追求する作品が多い中、真逆のばかばかしさ。ズボンを下げておしりを出すとか、学校にあったらバカ受けしそうで、もうエンタメの塊です」と、その奇抜なアイディアをほめちぎった。
山崎氏は、思わず手に取って触りたくなるブックカバー「Aミism」がお気に入りだという。「タブレットなどの電子化が進む中、紙の本はどのように生き残ったらいいのかと考えたときに『これだな』と。コンパクトなどとは逆方向の魅力を探ることに、私も作家として希望を持てました」
佐久間氏は、時間に追われるテレビ業界らしく? 時計にちなんだ「腕時計型印鑑ケース」を特別賞に選んだ。書類に手を置いた瞬間に印鑑を押す態勢が整い、ストレスなく瞬時に印鑑を取り出せるという「逸品」に「一見馬鹿らしい。でも、よく考えると役に立つ。もう少し考えてくると、『日本の印鑑文化ってどうなんだ?』という批判や皮肉も見えてくる。何重にもユーモアと驚きがありました」と評した。
表彰式を終えたヒャダイン氏は「どのアイデアも素晴らしく、『この人たちの脳みそどうなってんのかな? 』と思いました。文具に関しては僕には才能がなかったみたいですが(笑)、他の人より変化球でいくなどしてクライアントをニヤリとさせたいですね。アイデアって、思いつこうと思ってもなかなか思いつかないもの。その気持ちを持って日常生活をしているときにひらめくので、常に思いつこうとする気持ちは持つようにしています」とコメントした。
なお、各受賞作品の試作版はサンスター文具のホームページから確認できる。