できるだけバッテリーを長もちさせたいのは、スマートフォンユーザ共通の願いです。アプリに不要不急の機能があれば、それを必要とするときまで無効化しておきたい、と考えるのは無理もありません。端末の現在地を測定する位置情報機能(GPS機能)は、そのような節約の対象とみなされる機能のひとつです。
GPS機能は、内蔵のGPSチップにアクセスするだけでなく、セルラー回線にアクセスして位置情報の精度を高める機能(A-GPS)を併用することが一般的です。そのため、位置情報を必要とするアプリでGPS機能を無効化すれば、電力消費量を多少なりとも節約できると考えられます。
Android端末(Android 8.0)の場合、「設定」アプリの「アプリと通知」→「アプリと権限」→「位置情報」の順に画面を開くと、GPSへのアクセス権限を変更できます。しかし、設定できるのは「オン」か「オフ」の2択で、システムのバックグラウンド(アプリが前面に表示されていない状態)でGPS機能を動作させるかどうかはアプリの設計次第、ユーザが決める余地はありません。
しかし、次期のAndroid OS(Android Q)では、アプリが使用中の場合のみGPSへのアクセスを許可するという選択肢が増えます。これにより、ユーザはアプリの位置情報機能を「常に許可」と「アプリが使用中の場合のみ許可」、「許可しない」の3つから選べるようになり、結果的にシステムのバックグラウンドで位置情報をひんぱんに測定し電力を消費するアプリを減らすことが可能になります。iOSではすでに導入されている機能で、節電に効果的なことは証明済ですから、Android Qのリリースに期待しましょう。