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【この記事のエキスパート】
芸術大学教員/DIYアドバイザー:野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工全般と家具製造ノウハウを培いました。
その後東京では業界新業態の体験型DIYショップで店長として勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人にぴったりのDIY用品を提案してきました。
同時にDIYレッスンの企画と講師を行い、日本のDIY文化発展のために努めてきました。
現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、
学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えています。
面取りから、溝掘りや縁飾りなどの加工まで、効率的に木工ができる「電動トリマー」の選び方と、ユーザー・編集部が選んだおすすめの商品を紹介します。マキタやリョービ、ボッシュなどの人気商品から便利機能付きのものまでピックアップ。電動トリマーの上手な使い方も掲載しています。
電動トリマーとは
電動トリマーとは、木材の面取りなどのトリミングや溝切りを行なうための電動工具です。トリマービットをつけかえることで、さまざまなかたちの加工ができます。
電動トリマーを使うと、DIY作品の仕上がりに違いが生まれます。使いこなすには少し慣れが必要ですが、DIYの仕上がりを美しくするために使ってみましょう。
電動トリマーの選び方
それでは、電動トリマーの基本的な選び方を見ていきましょう。
【1】取り付け径
【2】回転数が変更可能か
【3】ベースプレート・加工精度
【4】電源をチェック
【5】便利な機能
上記のポイントをおさえることで、より具体的にほしい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】取り付け径をチェック
市販のトリマー刃は基本的に6mm軸の商品が多いため、電動トリマーを購入される際は取り付け径が6mmの機種を選ぶようにしましょう。トリマー刃はいろいろなメーカーが販売を行なっており、刃物形状もひじょうにさまざまな種類があります。
そのためトリマーを最大限活用するなら、いろいろな刃物を取り付けることができる6mm軸がおすすめです。海外ブランドや安価なトリマーの場合、軸径が特殊な場合もあります。念のため確認するように注意しましょう。
【2】回転数が変更可能かチェック
【エキスパートのコメント】
電動トリマーは刃物を回転させながら削り取る工具です。木材に対しての使用が主ですが、一括りに木材と言っても硬い木や柔らかい木があり、硬度により適切な回転数は変わります。
回転数を変更できるタイプのトリマーは、材料の硬さに合わせ、効率よい加工が可能。材料の焦げを予防したり、綺麗な加工面に仕上げることができます。少し価格は上がってしまいますが、回転数の変更ができるトリマーをおすすめします。
【3】ベースプレート・加工精度をチェック
電動トリマーは。加工材にベースプレートを押し当てながら削る電動工具なので、接地するプレートの作りが直接、加工精度に影響します。また、トリマー刃の出し具合の微調整もベースプレートの上下で行ないます。
つまみを回してギアにより上下させるタイプだと、刃の出し具合の微調整を行ないやすいです。本体とプレートの固定が甘いと、加工中にプレートがズレて刃が設定した出し幅よりも出てしまいます。プレートの固定がしっかりできる機種を選ぶ方がいいでしょう。
【4】電源をチェック
電動トリマーの電源タイプには「コード式」と「充電式」があります。それぞれ特徴が異なるので、使いやすいものを選びましょう。
コード式:長時間の作業が必要な方に
コード式のメリットは、バッテリー残量を気にしなくてよいので、長時間でも作業できる点です。コードが届く範囲でしか作業できないという制約はありますが、バッテリー切れや充電などを気にしなくて済みます。
価格も充電式のものより安い傾向にあり、長時間じっくり作業したい人やコストを掛けずに電動トリマーを購入したい人にぴったりです。
充電式:取り回しに便利
充電式のメリットは、持ち運びがしやすく、電源を気にしなくてよい点です。充電さえしておけば、どこでも作業できます。コードがないため、移動範囲の制限もありません。
ただし、長時間作業するときは、バッテリー切れを起こしてしまうおそれがあります。価格もコード式より高価なものが多いです。
取り回しやすさや持ち運びやすさを重視する人に適しています。
【5】便利な機能をチェック
電動トリマーを選ぶときは、便利な機能にも注目してみましょう。
(a)電子制御機能:DIY初心者におすすめ
DIY初心者の人は、電子制御機能つきの電動トリマーを選ぶとよいでしょう。電子制御機能は、自動で刃の回転数を調節してくれる機能です。
ブレることなく安定して使えるので、初心者でもらくに木材の断面を加工できます。
回転数が一定になることで、力のコントロールもしやすくなるので、電動トリマーの扱いに慣れていない人はぜひ電子制御機能つきのものを選んでください。
(b)吸塵機能:削りかすを取り除いて作業がラク
木材を削ると、どうしても削りかすが手元に溜まります。溜まった削りかすをそのままにしておくと作業ミスにつながってしまうこともあるので、注意が必要です。
削りかすをこまめに取り除くのが面倒な人は、吸塵機能つきの電動トリマーを選ぶとよいでしょう。削りかすを吸い込んでくれるので、手元に削りかすが溜まらず、見やすいです。
使い終わったあとの掃除もかんたんにできます。
(c)静音機能:作業時の音対策に便利
電動トリマーの音が気になる人は、静音機能がついたものを選びましょう。
電動トリマーは、刃を高速で回転させて木材を削る道具なので、どうしても作業音は発生してしまいます。人によってはうるさいと感じることもあるでしょう。
しかし、静音機能がついた電動トリマーであれば、ある程度音を抑えて作業ができます。騒音が気になる人はぜひチェックしてみてください。
エキスパートのアドバイス
【エキスパートのコメント】
電動トリマーで、ワンランク上のDIYにチャレンジ
電動トリマーは、持っているとDIYのクオリティーや作業効率がぐっと上がる工具。意外と知られていませんが、他の工具ではできない加工がこなせます。
使い慣れるまでには少し練習が必要ですが、紹介したようないい電動トリマーは上達するのも早く、精度も出しやすいため、おすすめです。お気に入りのトリマーを見つけて、楽しくワンランク上のDIYにチャレンジしてみましょう。