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【この記事のエキスパート】
コラムニスト・イラストレーター:岩田リョウコ
コロラド大学大学院で日本語教育学を学び、2009年から外務省専門調査員としてシアトル日本国総領事館勤務。
趣味で立ち上げたコーヒーのトリビアをイラストで紹介する『I Love Coffee』が月間訪問者数60万人のサイトに成長しアメリカで書籍化される。
中国語、韓国語、ロシア語に翻訳出版されている。
日本語著書に『シアトル発ちょっとブラックなコーヒーの教科書』。
宝島社リンネルwebやTABI LABOでコーヒーコラム連載中。
お湯さえあればサッと入れられて、手軽に本格的な味を楽しめる「ドリップバッグコーヒー」。AGFやUCC、KEY COFFEEなどから、ブレンドを中心に様々な商品が発売されています。この記事ではドリップコーヒーの選び方とおすすめ商品を紹介!辻本珈琲・スタバや、コスパの高い大容量タイプまで幅広くピックアップしています。
ドリップコーヒーの選び方
では、好みの味のドリップコーヒーを選ぶにはどうすればいいのでしょうか? コーヒーの味は、「苦味」「酸味」「甘味」「コク」で構成されています。それらは、産地や焙煎方法などで異なってくるので、下記ポイントを参考にしてみてください。
【1】豆の産地
【2】豆の種類
【3】焙煎のタイプ
【4】淹れ方
【5】ブレンドかストレートか
【6】パックの粉の量
【7】その他の特徴
さて、早速ひとつずつ解説していきます。
【1】豆の産地による味わいの違いで選ぶ
コーヒーは世界各国で生産されており、栽培された土地や品種などでさまざまな銘柄が存在します。ここでは、よく知られている有名な3つの産地とそれぞれの地域にある銘柄、その特徴を簡単に紹介していきます。
中南米:万人受けする味や酸味で初心者でも飲みやすい
市販されているコーヒーに、多く使われているのが中南米産のコーヒー豆です。酸味と苦みのバランスが取れているため、幅広い人の好みに合いやすい味わいになっています。
生産量の多いブラジル産のもののほか、ジャマイカ産の「ブルーマウンテン」が知られています。ブルーマウンテンはコーヒーの王様とも呼ばれ、調和のとれた味わいと香り、なめらかな喉ごしが魅力です。
アフリカ:フルーティーな香りとすっきりした酸味が特徴
アフリカのコーヒー豆は、エチオピアやイエメンで栽培されるまろやかなコクと酸味が楽しめる「モカ」、タンザニア産の香りの高さとキリっとした酸味が特徴の「キリマンジャロ」などがあります。
アフリカ産のコーヒー豆は、フルーティーな香りと酸味が特徴です。すっきりした飲み口のものを求めているときに向いています。
アジア:酸味は控えめ・苦味は強めな個性的な味わいが楽しめる
インドネシア産の「マンデリン」などアジア産のコーヒー豆は、穀物やハーブのような独特の香りと、深いコクと苦みが特徴です。豆のなかにしっかり火を通すために深めに焙煎しているため、酸味はひかえめ、苦みとボディの強さがある味わいが楽しめます。
味わい深い個性的なコーヒーを飲みたいとき、ミルクと一緒に飲みたいときに向いています。
(★)希少な最高級コーヒーも紹介!
上記で紹介したコーヒー豆は、どれも特定の限定された品質の高いコーヒー豆であることは間違いありませんが、希少価値が高いのが下記のコーヒーになります。
・コピ・ルアク:インドネシアで栽培されたコーヒーチェリーを野生のジャコウネコが食べ、消化されずに糞と一緒に出てきた豆をきれいに洗浄・乾燥させたもの
・モンキーコーヒー:サルがアフリカで栽培されているコーヒーチェリーを食べ、こちらも糞に含まれた豆からできたコーヒー
・タヌキコーヒー:タヌキがベトナムで栽培されているコーヒーチェリーを食べて吐き出したもの
そのほか、象の糞からとれるブラック・アイボリーも希少価値が高いコーヒーになります。
【2】コーヒー豆の種類で選ぶ
ドリップコーヒーに使われるコーヒー豆にはさまざまな品種があります。主に飲用として流通しているのは「アラビカ種」と「ロブスタ種(カネフォラ種)」です。それに「リベリカ種」を加えたコーヒーノキが、3大原種と言われています。
酸味が強く、甘い香りの「アラビカ種」
エチオピアが原産国で、世界で流通しているコーヒー豆の約60%を占めるともいわれています。酸味が強く、花のような甘い香りが特徴です。標高1,000~2,000mの熱帯高地で栽培され、乾燥や害虫などに弱いため、栽培が難しい品種でもあります。
苦みが強く香ばしい「ロブスタ種(カネフォラ種)」
苦みが強く香ばしい香りがするのが特徴。そのためアラビカ種とブレンドして飲むのが一般的とされています。栽培はアラビカ種とは逆で、標高300~800mほどの地帯で育ち、病気にも強いため比較的栽培しやすいです。
風味豊かで酸味が強めの「リベリカ種」
原産地はアフリカのリベリア。流通量は世界全体の1%以下なので、めったに見ることはないかもしれません。多くは熱帯のあるマレーシアやフィリピンなどで生産され、豊かな風味と酸味が強めなのが特徴です。
【3】焙煎のタイプで選ぶ
ドリップコーヒーには、深煎り、中煎り、浅煎りの3タイプの焙煎方法があります。好みの味わいのものを選びましょう。
深煎り|強い苦みと深い味わいが魅力
焙煎時間が長く、しっかりとコーヒー豆に火を通したのが深煎りです。焙煎の度合いに応じてシティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストとも呼ばれています。
酸味が少ない深い味わいで、コーヒーの強い苦みと高い香りが楽しめます。強めの味わいのコーヒーが好みの人や、コーヒーを飲みなれている人におすすめです。
中煎り|バランスがよく飲み方もいろいろ
市販のコーヒーでも多い焙煎タイプが中煎りです。ミディアムローストと、より焙煎が深いハイローストがあります。基本的な焙煎タイプのため苦みと酸味のバランスが取れていて、口当たりがよく飲みやすいのが特徴です。
ブラックで飲めばコーヒーだからこその苦みと香りを楽しめます。まろやかな味わいを楽しみたいときに、ミルクと合わせるのにも向いています。
浅煎り|すっきりとした味わい
焙煎の時間が短いのが浅煎りです。焙煎の時間によりライトロースト、シナモンローストに分かれています。焙煎時間が短いことで、コーヒーの苦みや香りは低めの一方、強い酸味が特徴です。コーヒー豆に含まれているクエン酸やリンゴ酸による酸味のほか、フルーティーな香りが楽しめるものもあります。
苦いコーヒーが苦手な人や、すっきりとした味わいのコーヒーを求めている人におすすめです。
【4】浸水型? ドリップ型? 入れ方で選ぶ
ドリップコーヒーには、浸水型とドリップ型があります。飲み方や重視したいポイントに合わせて選びましょう。
浸水型|お湯に浸して作るタイプ
浸水型とは、お湯を注いだときにドリップパックがコーヒーのなかに浸かるタイプです。一般的なドリップコーヒーは浸水型が多くなっています。
カップにパックがフィットするためお湯を注ぎやすく、コーヒーの成分を抽出しやすく手早く作れるのがメリット。電気ケトルなどから抽出をしなければいけないときも、失敗なくコーヒーを淹れることができますよ。一方パックを上げるときに液体がしたたり、テーブルなどが汚れやすいデメリットがあります。
ドリップ型|お湯につからないタイプ
ドリップ型のドリップコーヒーは、ドリップパックがコーヒーのなかに浸からないタイプです。パックを引き上げたときに液体がたれるのを防ぎたい人に向いています。
よりおいしく楽しむためには、蒸らし作業やパックのうえからゆっくりとお湯を注いでいく作業が必要です。手早くコーヒーを楽しみたいときには向いていません。一方、ドリップの練習をしたときや、手間をかけてもおいしく飲みたいときにはぴったりです。
【5】ブレンドかストレートかで選ぶ
ブレンドコーヒーは、複数のコーヒー豆を混ぜて作ったコーヒーです。それぞれの豆の持ち味を生かした、コーヒーに仕上がります。
一方、ストレートコーヒーは、1種類のコーヒー豆しか使っていないので、その味わいを存分に堪能することができます。代表的なコーヒー豆として、「ブルーマウンテン」「キリマンジャロ」「ハワイコナ」「グァテマラ」「エメラルドマウンテン」「マンデリン」「モカ」などがあげられます。
【6】粉の量で選ぶ
コーヒーの濃度は、ドリップバッグの粉の量で変わってきます。市販されているドリップコーヒーバッグは、約7~12gが多いです。アメリカンコーヒーのようなさらっとした薄めの味わいが好きなら7g程度、ガツンとした濃い味わいが好きなら10g以上がおすすめ。
【7】その他の特徴で選ぶ
上で紹介した生産国や焙煎方法以外にも、カフェインを気にせず飲める「デカフェタイプ」や健康を気にする方向けの「オーガニックコーヒー」などの種類もあります。また、コーヒーの濃度など、ほかのチェックポイントもあるので確認していきましょう。
デカフェタイプ|妊娠中や授乳中の方に
妊婦の方や授乳中の方や、寝る前にもコーヒーを飲みたい方にはデカフェタイプがおすすめ。コーヒーの苦味が少ないシンプルな味わいが特徴で、一般的に「やさしい」「飲みやすい」と多くの人が評価しているコーヒーでもあります。カフェインが取り除かれたデカフェコーヒーは口当たりが軽いため物足りなさを感じる場合もありますが、最近は技術の発展により、その味わいの違いの差は少なくなってきているのだとか。
苦味の元であるカフェインが少ないのでミルクや砂糖の味わいが際立つのでカフェラテやカプチーノが好きな方にもおすすめです。
オーガニックコーヒー|化学肥料や農薬を使用していない
オーガニックコーヒーは、農薬や化学肥料を使わずオーガニック農法によって生産されたコーヒーの生豆を使用したコーヒーのことを指します。オーガニック農法は一般的な農法に比べると手間がかかるため一般的なコーヒーよりもコストがかかります。しかし、世の中に食の安全と健康志向の人が増えるにつれて、オーガニック食品の需要が伸びているのも現状です。
オーガニックコーヒーの場合は、OCIA(国際的認証機関)やUSDA(オーガニック認定全米統一基準)などの機関のほか、多くの認定機関が各国に設立され、きびしい品質チェックが行われており、許可されたものだけがラベルを貼付することができます。健康を考える方はこれらの認証マークをチェックしてみてくださいね。
プレゼント用ならおしゃれなパッケージのものを
コーヒーミルやドリッパーなどの器具を使わず美味しいコーヒーが楽しめるドリップコーヒーは、贈り物にも向いているアイテムです。贈り物としてドリップコーヒーを探している場合は、おしゃれなパッケージに入っているものや、ギフト用の個装がされているものを選びましょう。
アソートやバラエティパックなら、見た目も華やか、いろいろな味のコーヒーが楽しめるので贈った相手からも喜ばれるでしょう。
コ―ヒーを愛するコラムニストからアドバイス
ドリップコーヒーを日常に
【エキスパートのコメント】
コーヒーを淹れるための器具もコーヒー豆も、用意する必要はなし。バッグを開けて、カップに載せて、お湯を注ぐだけで本格的なコーヒーが味わえるドリップコーヒー。インスタントコーヒーのようにすでに調合された、いつも同じ味ではなく、豆の産地や焙煎の違いによって、ドリップコーヒーは味が違うことを知る必要があります。
また、お湯を注ぐスピード、お湯の温度の違いなどで味が変わることもだんだんわかってくるでしょう。インスタントの気軽さと、本格的なドリップコーヒーの風味と味わいを併せもったドリップコーヒー。飲んでいるうちに、もしかするとドリップの器具を揃えて、自分でコーヒーを淹れたくなるかもしれません。