ゴルフシーズン真っ只中。上司や取引先など、接待としてゴルフに行く機会も多くなるこの時期。ルールやマナーは勉強できても、実際にラウンドする際には、どのような気遣いや振る舞いが好印象につながるのかは、なかなか分からないもの。
そこで、ゴルフ女子のラウンド派遣で"ゴルフマッチングサービス"を展開しているMJスクールの代表取締役・関口亜耶さんにインタビュー。ルール本には載っていない「人と差をつけるラウンドでの気遣い」を7つの心得として教えてもらった。男女問わず参考になることばかりなので、ぜひご一読いただきたい。
1.「さしすせそ」の声かけで楽しい空気作り
ラウンドで1番大切なことは「空気作り」。大袈裟なくらいの笑顔で「さすがです!」「すごい!」など「さしすせそ」の声かけをすれば、場の空気がよくなり、男女問わず好印象につながる。明るい空気作りができれば自然と楽しいラウンドになるので、その為にも、一緒にラウンドする人が良い球を打てば、「ナイスショット!」と声をかけ、失敗しても「前に進んでるから大丈夫!」などの相手が気持ちよくプレーできるようポジティブなフォローをすることが大事。
もしあなたが、初心者で全くルールが分からない場合は、とにかく「打って・走って・笑う」こと。ゴルフの上手い下手を気にすることはなく、むしろ相手に「この子の初めてのラウンドは俺が連れていった」という特別感を与えられるので、喜ばれることも多いはず。
2.わいわい?ストイック?その場に合わせた対応を
一緒にラウンドを回る相手のニーズに応えられる人は、次回の誘いも掛けられやすい。とにかく楽しくゴルフをしたい人なら、しっかり笑顔を作って声かけも積極的に。逆に、ストイックにゴルフをしたい人なら、一生懸命プレーする姿勢を見せる。その場その場の空気感に合わせてプレーすることで、「どこに呼んでも良い対応をしてくれる」という印象を残すことができる。
ゴルフは丸1日など長時間一緒に過ごすスポーツ。相手が調子の悪い時にどんな対応をするのかなど、「人柄を見るためにゴルフをする」という人も多い。だからこそ、きちんと場の空気を読みながらプレーができれば、「A社の人はきちんと対応してくれるから、B社とのゴルフにも連れて行こう」といった新たなビジネスチャンスの機会創出にもなるのだ。
3.ゴルフウェアにもこだわって
シックなものから華やかなものまで種類が多いゴルフウェア。特にゴルフ女子の場合は男性が喜びそうなウェアを着て、場を華やかにすることも喜ばれるポイントだ。特に人気なのはスカートやニーハイといった女性らしいウェア。他にも、スポーティーなゴルフウェアでプレーした後、私服にはワンピースをチョイスしたり、プレー中に結んでいた髪をおろす。ゴルフの時とのギャップを作り印象を変えることも好印象へのポイントだ。
4.相手が好んで使うメーカーやブランドに注目
よくゴルフをする人は、クラブのメーカーやウェアのブランドにこだわりを持っていることも多い。1回目のゴルフで好みをチェックしたら、次の機会に同じメーカーやブランドのウェアを着るのもおすすめ。「先日○○さんがこのブランドを着てらっしゃったので、お好きかなと思って着てきました」「○○さんが着ていたものが素敵だったので私も買いました」と一言を添えれば、会話のきっかけにもなり相手を喜ばせることもできる。
また、一緒にラウンドする人がよく使うクラブがあれば「○○さんが使ってるクラブ、素敵ですよね。私も気になってるんです」と一声。自分が使っているものを褒められて嫌な気持ちになる人は居ないので、「プレゼントしますよ」といったたなぼたも期待できるかも。
5.ゴルフボールやピンなどの「おみや」を渡せ
何度か一緒にラウンドを回ったら、「いつも誘ってくださるお礼です」とプレゼントを渡すのも効果的。相手が好きなメーカーのゴルフボールやピンなどであれば、そんなに高価なものではないので、相手も気を遣わず受け取りやすい。帰り際に渡すなどちょっとした気遣いは、印象にも残りやすく周りに差をつけるテクニックのひとつ。
6.会話のきっかけになるゴルフ情報を収集せよ
人気のコースや試合結果などの情報は、プレー中の会話のネタになるので前もって調べておくのがベストだ。他のスポーツと同様、誰もがプロ御用達の場所でプレーしてみたいもの。有名なトーナメントコースを回ってみたいという人も多いので、「石川遼君が回ったコース行ってみたいんですよね」など、会話の中にコースの話を混ぜることで「じゃあ今度はそのコースに行きましょう」と次回の約束につなげることもできる。
7.送迎をしてくれる人への気遣いも忘れずに
ゴルフに行くときは大体が車移動。迎えに来てもらう場合、遅刻厳禁はもちろん、運転してくれる人への心配りも大事だ。運転手が「何時に着くよ」と連絡をくれた時間の5分前にはゴルフバッグを持って外で待ったり、連絡が来たらすぐ出られるように準備を済ませておくのが基本。ゴルフ場までのルートは決まっているので、5分以上待たせると、次の迎えの予定がずれる。待たせない行動を心がけること。
また、ゴルフは朝が早いので、前日に「明日はよろしくお願いします」などの連絡を入れる気遣いもありがたいもの。連絡があるだけで安心して迎えに行くことができるのだとか。もちろん、ゴルフが終わったらお礼連絡も忘れないようにしたい。その日のゴルフで印象的だった出来事や、スコアが悪かった場合は「リベンジに行きましょう」などのフォローを入れることが、「楽しんでくれたんだな」と思ってもらえるコツ。
ゴルフで人を楽しませるコツは、普段の人付き合いでも活かせるものばかり。笑顔で相手に接することや、ちょっとした気遣いを忘れないこと、そういった行動が取れるようになるためには、「相手に関心を持つこと」が大切になる。相手にクエスチョンを持ち、「この人は自分に興味があるんだな」と思ってもらう所から人付き合いはスタートする。自分に関心を持ってくれた相手には自然と興味も湧くものだ。だからこそ、ビジネスやプライベートの場だけでなく、ゴルフの場でも、まずは相手に関心を持つことから始めてみてはいかがだろうか。
■取材協力:関口亜耶さん
MJスクール株式会社代表取締役。
小学2年生の時にゴルフを始め、人と人を繋ぐゴルフというスポーツの素晴らしさを広めるために、ゴルフマッチングサービスを展開するMJスクール株式会社を設立。銀座のホステスやライザップの立ち上げに携わった経歴を持ち、そこで得た知識や経験を活かしゴルフ業界の活性化を目指す。