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【この記事のエキスパート】
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート:石関 華子
埼玉県出身、高知県在住。一児の母。慶應義塾大学文学部仏文科卒。三越日本橋本店の洋酒担当を経てワインやビール、ウィスキーなどの洋酒全般の知識を培い、2016年、J.S.Aワインエキスパートの資格を取得。
現在はOffice Le Lionの代表として、高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。
格安で高品質な商品が数多くそろっているチリワイン。しかしなぜチリワインは安い価格で手に入るのでしょうか? この記事では、チリワインの選び方とおすすめの商品をユーザー、エキスパート、編集部の視点からそれぞれ厳選してご紹介します。チリワインを入り口に、ワインの世界をもっと広げてみましょう。
おいしいのに安い!
チリワインの特徴
南北に細長いチリには山脈や海が多く、ブドウ畑を取り巻く自然環境が多彩であることが特徴です。温暖・冷涼など、その土地ごとの環境に合わせながら、多種多様なワインが作られているため、味わいを楽しむ幅が広がります。
基本的には乾燥した気候のため、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネといった、質のよいワイン用ブドウが育ちやすく、おいしいワインが作りやすいのです。
チリワインが安くておいしい理由とは?
チリワインは、コスパにすぐれていることも大きな魅力です。元々、ワイン生産国として知られるフランスなどの地域より人件費が低く、また環境的に、良質なブドウが育ちやすいこともあって、生産コストが抑えられるというアドバンテージを持っていました。
さらに、2007年にチリと日本の間でEPA(経済連携協定)が結ばれたことにより、段階的に関税が撤廃されたこともあって、良質ながらもリーズナブルな価格が実現しています。
ブドウ品種や産地、ワイナリーをチェック
チリワインの選び方
チリワインに限らずですが、ブドウの品種やワイナリーによって味わいに特徴があります。ただ、ワイン初心者にとってはどれも似たように見えてしまい、なにが違うのかわかりにくいもの。ここでは、選ぶポイントについてわかりやすく説明していきます。
ポイントは下記。
【1】品種
【2】産地
【3】ワイナリー
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】品種で選ぶ
チリでは、ワイン用のブドウ品種が幅広く栽培されています。品種ごとの特徴から、好みのワインを見つけるのもひとつの方法です。
カベルネソーヴィニヨンやカルメネール、ピノノワール、メルロは赤ワイン、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネといった品種からは、白ワインが醸造されます。ここからは、それぞれの品種の特徴をご紹介しましょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン|チリワインの代表品種
赤ワインに使われる黒ブドウの中で、もっとも主力品種である「カベルネ・ソーヴィニョン」。いまや「チリカベ」の愛称で親しまれているほど、チリワインのなかでも人気です。熟成度合いによって味わいが変わるのが特徴です。若いうちはしっかりとしたタンニンが感じられますが、熟成させることで角が取れ、エレガントな味わいに変化します。ステーキなど肉料理はもちろん、チーズとの相性もよいです。
チリはカベルネ・ソーヴィニョンの栽培に適した気候で、カシスのような黒系果実の香りやハーブを思わせるさわやかさが感じられます。チリ全土で栽培されているので、産地ごとの違いを楽しんでみるのもよいでしょう。
ピノ・ノワール|ほどよい酸味と渋みのバランス
フランス・ブルゴーニュ地方が原産の「ピノ・ノワール」は、繊細な口当たりと華やかな香りをもつ品種です。暖かく、日照時間が多いチリでは、より力強さが感じられるパワフルなピノ・ノワールが作られています。
イチゴなどベリー系の果実の香りと甘みが特徴。チリ産のピノ・ノワールで作られたワインは全体的に濃縮した強い果実味があり、渋みと酸味のバランスがちょうどよく、飲みやすいです。
カルメネール|渋みが少なく飲みやすい
「カルメネール」は、フランスのボルドー地方が原産のブドウ。近年はボルドー地方で栽培されておらず、おもにチリで栽培されています。実はフランスからチリに移植された際、メルローだと勘違いされ一緒に栽培されていたという逸話も。
カルメネールを使ったワインは、まろやかな口当たりと豊かなコクが特徴。樽で熟成させることで、コーヒーやビターチョコレートのようなニュアンスも出てきます。
メルロー|料理との相性も
フランスのボルドー地方が原産の「メルロ」は、料理と合わせやすい赤ワイン用のブドウ品種です。シルキーなテクスチャーで、タンニンのトゲがなくまろやかな味わいですが、ただまろやかなだけでなく、コクや奥行きのある複雑な味わいも感じられるのがポイント。
チリ産の熟したメルロからは、ブルーベリーなどの黒い果実やカカオ、ミントのような香りをもったワインが作られています。
シラー|スパイシーで力強い味わい
ブドウの風味がギュッと詰まった「シラー」は、濃厚かつスパイシーな個性派赤ワインが醸造できる黒ブドウです。
高級ワインにも使用されるほどの高い品質を誇りますが、栽培自体はあまり難しくないため、世界中で栽培され、コスパのいいワインが作られています。個性的な味を求めるなら、シラーがおすすめです。
ソーヴィニョン・ブラン|スッキリとした味わい
温暖な気候で栽培されるチリの「ソーヴィニョン・ブラン」は、パッションフルーツのように華やかな香りが感じられます。とくに、レイダ・ヴァレーはチリ産ソーヴィニョン・ブランの銘醸地です。
ソーヴィニョン・ブランを使ったワインは、キレのあるフレッシュな酸味と味わいが特徴。サッパリとした白ワインが好みの方にぴったりです。チリでは、アコンカグアが産地として知られています。
シャルドネ|フルーティーで飲みごたえあり
白ワイン用のブドウとして有名な「シャルドネ」は、栽培される土地によって味わいが変わる特徴があります。南北に長いチリでは、地方によって気候が大きく異なります。それぞれの地方ごとの個性も楽しめるのがチリ産シャルドネの魅力です。
冷涼な気候で育つとスッキリとシャープな味わいに、温暖な気候で育つとコクが感じられる味わいになります。チリのシャルドネは、バナナやパイナップルといったフルーティーな香りをもつのが特徴です。
チリ原産の品種「パイス」はレアなブドウ
チリ原産のブドウ「パイス」は、大航海時代に伝道師によってチリにもたらされた品種です。1980年代までは広く栽培されていましたが、近年はカベルネ・ソーヴィニョンなどの品種に押され、徐々に栽培されなくなりました。
最近になって再び作られるようになったパイスのワインは、チェリーのような赤い果実の香りとなめらかな口当たりが特徴。タンニンが少ないので、サングリアなどにも適しています。
【2】産地で選ぶ
南北に長いチリには、複数のワイン産地が存在しています。生産地ごとの特徴から、ワインを選んで観ましょう。
アコンカグア地方|しっかりした赤ワインを生産
チリの中央に位置する、アコンカグアは、チリワインの生産の中核を担っているエリアです。日照量にすぐれており、なかでもカベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、シラーといった赤ワインの味わいがしっかりとしています。
アコンカグア内にあるカサブランカ・ヴァレーとサン・アントニオ・ヴァレーは冷涼な気候が特徴で、繊細さが特徴のソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールが生産されています。
セントラル・ヴァレー地方|個性派ぞろいのワインを生産
チリ中央部のセントラル・ヴァレー地方は温暖で安定しており、カベルネ・ソーヴィニヨン・メルロー・カルメネール・シラーなどの栽培に適しています。首都サンティアゴ周辺のヴァレーが一帯を占めており、ヴァレーごとに異なる味わいが楽しめるのが特徴です。
とくにマウレ・ヴァレーはチリ最大のワイン生産地で、チリワイン生産量の5割を占めるといわれています。また日照量が多く、寒暖差が激しいカチャポアル・ヴァレーでは、カルメネールやマルベック、メルロなどのブドウが栽培されています。
コキンボ地方|冷涼な気候を活かしたワイン
コキンボは、チリの北部に位置しています。元々は価格が低いワインの産地だったため重要視されていませんでしたが、近年では冷涼な気候の土地を求めて数多くの栽培者がやってくるようになりました。
とくにソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールの栽培が増えています。標高2,000mほどあるリマリ・ヴァレーでは、冷涼な気候を活かしながら、エレガントなワインが生産され、注目を得ています。
【3】ワイナリーから選ぶ
チリには、上質なワイン造りに取り組むワイナリーが多数あります。次に、とくに知られるワイナリーをご紹介しましょう。
ロス・ヴァスコス|チリワインのパイオニア
1750年に創業した、ワイナリーです。1988年に、ロスチャイルド家が設立したドメーヌ バロン ド ロートシルト ラフィット社に経営が渡り、プレミアムチリワインのパイオニアを目指して出発しました。
上質なブドウを生み出すのに適した自然環境に恵まれており、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどを使った、バランスのいい上品なワインを製造。チリワインのなかでもとくにエレガントさが感じられるワインを取りそろえています。
モンテス S.A.|質の高いワインを味わえる
質の高いプレミアムチリワインなら、「モンテスS.A.」のワインがよいでしょう。「モンテス S.A.」のワインは、農薬をほとんど使わずに育てられたブドウで造られます。
洗練された味わいが好みなら、アルファシリーズを。ボルドーのグランヴァンに引けをとらない香りと味わいです。クラシックシリーズは、デイリーワインにぴったりの価格帯と味わい。リミテッドシリーズは、そのクォリティに根強いファンが多いです。
コノスル|リーズナブルなのにおいしい
いつもの食卓でカジュアルに楽しみたいなら「コノスル」がぴったりです。チリ全土にいくつものブドウ畑を持ち、そこで収穫されたブドウを使って、品種ごとの個性がしっかりと感じられるワインを醸造しています。
買い求めやすい価格と質の高さのバランスがよいので、デイリーワインを探している人はぜひチェックしてみてください。
サンタカロリーナ|数々の受賞歴を持つ
1875年創業のワイナリー「サンタカロリーナ」は、これまでに何度も国際コンペティションで賞を受賞しているワイナリーです。伝統と革新を大切にしたワイン造りのなかで生み出されるワインはバリエーション豊かで、プレミアムなワインからテーブルワインまで好みやシーンに合わせて選べるのがポイント。
新たに発売されたフラッグシップワイン「エレンシア」は、カルメネールらしい濃厚な果実味と豊かな香りが感じられ、チリワインのポテンシャルを存分に感じさせてくれます。
サンタ・ヘレナ|「アルパカ」で有名
1942年に創業したサンタ・ヘレナは、チリワインでもいち早く海外進出をおこなったパイオニアブランドです。コルチャグア・ヴァレーに拠点があり、上質なワインを生み出しています。
人気の「アルパカ」シリーズは、豊かな果実味があり、まろやかな味わいが人気。あらゆる料理と相性がよく、ふだんの家飲みからパーティーまで幅広いシーンで気軽に利用しやすいです。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)