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【この記事のエキスパート】
山岳/アウトドアライター&プロデューサー:高橋 庄太郎
1970年宮城県仙台市出身。高校山岳部で山歩きを始め、早稲田大学卒業後は出版社に勤務。
その後、フリーランスのライターに。著書に『山道具 選び方、使い方』(枻出版社)、『テント泊登山の基本』(山と渓谷社)などがあり、近年はテレビ番組やイベントへの出演も増えている。また、アウトドアメーカー各社とのコラボレーションを行なう自身のブランド「SCREES」を立ち上げ、製品開発にも取り組んでいる。
山歩き専用の靴であるトレッキングシューズ。この記事では、山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さんに聞いた、ローカットトレッキングシューズの選び方とおすすめ商品を紹介します。構造が山登りに特化しているため、一足持っているとアウトドアシーンで大活躍してくれます!
目的・サイズ・素材などに注目
ローカットトレッキングシューズの選び方
山岳/アウトドアライターの高橋庄太郎さんに、ローカットトレッキングシューズを選ぶときのポイントを教えてもらいました。サイズや素材などの選び方を参考に、自分に合った1足を選んでみてください。ポイントは下記。
【1】目的にあったシューズを選ぶ
【2】ワンサイズ大きめでワイドなものを選ぶ
【3】素材の耐久性と防水・通気性にも注目
【4】ローカットの弱点は靴ひも部分でカバー
【5】ソールに注目! 歩きやすい横ミゾ、安全重視の縦ミゾ
【6】同じサイズでも、メーカーによって形が異なる
上記のポイントを押さえることで、より欲しい商品をみつけることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】目的にあったシューズを選ぶ
低い山や自然のなかを歩くトレッキング。けっして平坦とはいえない道を歩くためにつくられたのがトレッキングシューズです。しかし、実は一般的にトレッキングシューズと呼ばれているものにも3種類あります。
トレッキングシューズ | 中級程度の登山向き
トレッキングシューズは、一泊二日程度の登山に向いているシューズです。アッパーやソールは硬めに作られているのでごつごつした岩場があっても疲れにくく、シューズの重量により安定して歩けます。
ローカットタイプは、足首を固定してしまわない程度に柔軟性があり、さらに防水性がある素材のものであれば、悪天候などで足場が悪い日のハイキングなどにもぴったりです。
ハイキングシューズ | 低い山や平坦な道向き
遊歩道など、整備された平坦な道を歩くときや、低い山を登る際に用意したいシューズです。整備された道で会ったとしても、荷物を背負って数時間歩くのは足腰に負担がかかります。適度にクッション性のある厚めのソールのものを選びましょう。
山の天候は変わりやすいので、防水性のある素材で軽量のものであれば心配はないでしょう。
トレイルランニングシューズ | 山道を駆け抜ける
トレイルランニングとは山道を駆け抜けるアクティビティのひとつです。その目的で作られたシューズをトレイルランニングシューズ、略してトレランシューズと呼ぶこともあります。
トレイルとは本来未舗装の道を指す言葉で、山中の岩や木の根などにも影響を受けないように、ソールの凸凹が大きくはっきりしていることや、全体的なプロテクションがしっかりしている必要があります。ソールは地面の様子を足でキャッチできる「感覚」タイプと、足腰への負担を避ける「クッション」タイプから選べ、初心者はクッションタイプからはじめるといいでしょう。
アプローチシューズ | 登山靴とタウンユースの中間
クライミングを楽しむ人が、岩場までの山道を歩く目的で作られたアプローチシューズ。それほど険しくない岩場や、山道にも向いています。タウンユースとしてもぴったり。
大きな特徴としては、つま先の部分にクライミングゾーンがついていること。クライミングする際に滑り止めになるラバー製のパーツなので、足場が悪い場所でのトレッキングにも重宝します。
ほかにも選択肢はあるが、山歩きならトレッキング
山歩きに使えるローカットタイプのシューズとして、トレランシューズやアプローチシューズがあります。しかし、トレランシューズは「山を走る」ことを想定したやわらかなつくり、アプローチシューズは「岩場を歩く」ことも想定したかたいつくりとなっており、その特徴や用途がはっきり分かれているのです。
トレッキングシューズはそれらのちょうど中間に位置し、「山を歩く」ためにバランスのよいかたさに調整されています。一般的なトレッキングや低山ハイクに使うことを考えれば、同じような見た目でもトレランシューズやアプローチシューズは使いにくくなりますので、トレッキング用のシューズとして開発されたものを選びましょう。
【2】ワンサイズ大きめでワイドなものを選ぶ
登山用の靴下には「クッション性」「つま先の保温」「足の吸汗」などの目的があり、デイリーユースの靴下より厚めにできています。そのため、トレッキングシューズを選ぶ際には、自分のサイズより0.5~1cm大きめのサイズを選びましょう。
靴幅も少し広めのものを選ぶと、シューズのなかにゆとりがある分、下りの道でも疲れにくくなります。ただしあまり大きいサイズだと、足が不安定になるおそれもあるので注意しましょう。
【3】素材の耐久性と防水・通気性にも注目
ローカットタイプは軽量性と足さばきのよさを重視したデザインのため、アッパーに使われている素材も軽量でうすいものが中心です。そのままでは耐久性に欠けてしまうため、傷みやすい部分に補強素材を組み合わせたり、樹脂をコーティングして耐久性を増したりしています。
補強の程度によっては歩行中に違和感が生まれる場合もありますので、自分の足になじむものを探すとよいでしょう。アッパーが華奢(きゃしゃ)なタイプは、その内側に張られた透湿防水性メンブレン(膜)が傷みやすく、使用しているうちに防水性が損なわれていきます。長く使いたい方は、いくぶん重くなりがちですが、強靭(きょうじん)なレザーのものを選ぶというのもひとつの手です。
予算に少し余裕があるのであれば、アウトドア用に開発されたゴアテックスを使用したシューズを選択肢に入れてもいいでしょう。これまでゴアテックスは防水機能にウェイトを置いていましたが、通気性や保温性にも着目した製品を作っています。また類似する機能をもつ素材も多く開発されています。
快適でトラブルのないトレッキングを楽しむために、初期投資としてハイスペックな素材を使用したものを選ぶのも必要です。
【4】ローカットの弱点は靴ひも部分でカバー
アッパー(足の甲をおおう部分)が足首までおおっていないローカットタイプは、必然的に靴ひもで絞められる部分が足先から足首の曲がる部分までしかありません。そのため、ハイカットやミッドカットタイプよりもフィット感の調整が不得意といえます。
したがって、靴ひもを通すフックやアイレットに工夫があり、しっかりとフィット感を調整できるものを選びましょう。また、かかとの部分がずれやすくもなるので、かかとのホールド感にも着目してください。
【5】ソールに注目! 歩きやすい横ミゾ、安全重視の縦ミゾ
ローカットタイプのトレッキングシューズはスニーカーに近いデザインで足首が自由に動くため、その特性をいかして前方への推進力を重視したモデルが多くなっています。とくにソールがやわらかくて曲げのばししやすいもののほうが蹴りだしやすく、無駄な力を使わずに歩くことができます。
ソールのパターンもスニーカーと同様で、つま先を上にしてソールを見たときに、横方向のミゾが深く刻まれているものは前方へ進みやすいです。前への推進力が多少犠牲になってもスリップを減らして安全に歩きたい方は、縦方向にミゾが切られているものを選ぶとよいでしょう。
【6】同じサイズでも、メーカーによって形が異なる
トレッキングシューズは、各メーカー、ブランドにより基準となる足形がオリジナルで作られています。そのため、同じサイズでも、メーカーやブランドによって足幅が違ったり、クッションがある部分に違和感を感じたりすることもあります。
シューズ選びに失敗しないためにも、ベストなのは、ショップで試着して歩いてみることですが、近くに取り扱っている店がない場合は、公式サイトやレビューをリサーチして、選びましょう。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)