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【この記事のエキスパート】
レコーディングエンジニア:小野寺 孝樹
1989年株式会社ゼロスタジオに入社。
アシスタントを経て、1992年チーフエンジニアに昇格。
その後、数々のレコーディングに携わる。
2001年ゼロスタジオを退社、フリーランスとなる。
以降、レコーディング・ミックスからプログラミングまで、またアイドルソングからプログレまでなんでもこなす便利な人として、活躍中。"
チューナーとは、ギターやベースの弦を、正しい音程が出るよう調節するためのアイテム。この記事では、レコーディングエンジニアの小野寺孝樹さんへの取材のもと、使用するシーンに合った機能付きチューナーの選び方、クリップ型やカード型などタイプ別のおすすめ商品をご紹介します。
チューナーとは|必要性も解説
チューナーとは、ギターやベースの弦を、正しい音程が出るよう調節するためのアイテム。
ギターやベースのチューニング(調弦)は、弾き続けたり、少しの衝撃で正しい音程からズレてしまうことが多いです。そのため頻繁にチューナーを使うことで、音調を合わせることが必要になります。チューニングがズレたギターやベースでは、上達に大きな障壁になるため、必ず用意しておきたいアイテムです。
チューナーを用意することは必要?
ギター初心者の方や、軽音楽部の方の中には、チューナーを借りている人も多いと思います。しかし、できるだけ自分のチューナーを用意しておく方がいいでしょう。
実は、人によって自分の好きな音作りのため、チューナーを半音下げる・上げるといった設定をするなど、あえてチューニングをズラしている場合もあります。また、ライブ中や練習中などでチューニングがズレたとき、好きなタイミングでチューナーを使用できないと困ることも多いです。マイチューナーを用意し、チューニングをすること自体も慣れていくことで、結果ギターやベースの上達にもつながるのです。
チューナーの精度の基礎知識
一般的なチューニング精度は「±1セント」。ライブや練習時はこの数値を目安にすることで、おおよそ正確なチューニングが測れるでしょう。
一方、高機能モデルなどに関しては「±0.5セント」、さらに高品質なモデルの場合は「±0.02セント」と、よりズレの少ない精度になります。
精度が高ければ高いほど、耳コピなどもしやすく、より好きな音作りが可能です。しかし、チューニングするのに多少時間がかかります。ライブなどでは、ざっくり・早く調整するため、「±1セント」のチューナーを、練習では「±0.5セント」のチューナーを使うというように、シーンごとで使い分けた方が便利です。
(★)機能が多ければいいという訳ではないので注意
【エキスパートのコメント】
基本的な機能しかついていないシンプルなチューナーでも使い勝手は良く、低価格で手に入れることができます。メトロノーム機能などチューニング以外の機能が必要でない人は、余計な機能がつかない低価格のものを選ぶ方がいいでしょう。低価格なものを複数用意して各楽器に取り付けておけば、持ち替えなどの際にいちいち付け替える手間が省けます。
チューナーの種類
ここでは、主要な3種類のチューナータイプについて、その特徴を解説します。特徴を知って、自分の演奏環境にあったチューナーを選びましょう。
クリップ型:手軽にチューニングが可能なタイプ
取りつけさえできれば、さまざまな楽器に使えて便利なクリップ型チューナー。楽器本体から直接振動をひろいます。楽器にクリップで取りつけるだけの手軽さがポイントです。
そのため2004年に登場して以来、楽器のジャンルを越えて広く使用されています。とくに軽音楽系の弦楽器の場合、ヘッドに取りつけるため、演奏者との距離が近くピッチを確認しやすいのが人気の理由です。
ペダル型:ステージ用にピッタリのタイプ
ペダル型チューナーは、足元に置いて使用するため、フロアチューナーとも呼ばれています。暗いステージのうえでも、足元をみればLEDでピッチを確認できるのがポイント。その視認性の高さから、ステージ用チューナーといえば、ペダル型です。
携帯性では、ほかのチューナーにはかないませんが、ペダル型チューナはリハーサルやステージでの演奏の際には欠かせません。
カード型:テーブルや譜面台のうえに置けるタイプ
クリップ型が台頭していますが、まだまだ根強い人気を誇るカード型。その人気の理由は、安価でコンパクト、さらに譜面台に置けたりテーブルのうえに立てられるからです。バイオリンやチェロなどオーケストラ系の弦楽器や管楽器では、譜面台を使って演奏しています。
カード型には、メトロノームを内蔵しチューナーとメトロノームを同時に使える多機能型もあるので便利です。
楽器に合わせていくつか持っていると尚よし!
【エキスパートのコメント】
チューナーは使用するシーンによりどのタイプがいいのか変わってきます。主にライブで使うようなら、視認性がよくスピーディーにチューニングできるもの、時間があるスタジオではより正確にチューニングできるものなどがおすすめです。
いまの主流は液晶やLED表示ですが、針式のもののほうが精密なチューニングが可能です。また、クリップタイプは視認性はよくても出音はミュートされないため、ライブなどではチューニング時にミュートする機能があるストンプボックスタイプがいいでしょう。エレクトリックギターとアコースティックギターなどいくつかの楽器を使い分けている人は、できれば複数持っていたほうが便利かもしれません。
ギター・ベース用チューナーの選び方
それでは、チューナーを選ぶ際のチェックポイントをご紹介します。選び方のポイントは次の3つです。
【1】キャリブレーション機能
【2】変則チューニング対応かどうか
【3】ミュート機能
上記のポイントをおさえることで、より具体的に欲しい機能を知ることができます。一つひとつ解説していきます。
【1】キャリブレーション機能をチェック
使用する状況によって、チューニングをおこなう際に使用する周波数が変わってきます。例えば、スタジオに設置してあるアコースティック・ピアノなどはA(=ラの音)が441〜442Hzほどの周波数で調律している場合が多いです。
そのピアノと演奏する際はキャリブレーション機能を利用して、周波数を変更しピアノのAに合わせてチューニングをする必要があります。しかし、低価格のシンプルなチューナーは、その機能がないものがあるので注意しましょう。
ちなみに、ギターとベースをチューニングする際の周波数は基本440Hzで、キャリブレーションの機能が備わっていないチューナーは主に周波数440Hzです。したがって、周波数440Hz以外の楽器と演奏する場合があるかないかでキャリブレーション機能付きのチューナーを使うか判断しましょう。
【2】変則チューニングに対応できるかチェック
ギタリストで変則チューニングを多用する人や多弦ギターを使用している人は、変則チューニングの設定をメモリーする機能がある機種を選びましょう。
基本的に、大抵のチューナーにあるクロマチックモードを使えば対応できますが、各弦の音階を記憶して、すばやく正確にチューニングするのは意外と難しいものです。それをアシストしてくれる機能があれば、ハードルが高く感じてしまう変則チューニングも手軽にできます。
【3】ミュート機能があるかチェック
ミュート機能はほとんどのチューナーに内蔵されていますが、スタジオやライブでの使用も考え、しっかりチェックしておきましょう。仕組みとしては、ミュート機能を起動し、ギターの音が出なくなり、その間にチューニングを行うものです。
例えば、演奏の練習時、ライブ中のMC時など、周りに音や声が飛び交っている際は、チューニングを行うと、自分の音が邪魔してしまう場合があります。そんなとき、ミュート機能があれば、周りを気にせず、正確にチューニングすることが可能。
また、チューナーのミュート機能を活用すれば、演奏中、あえて無音の音を出す「キルスイッチ」といった演奏もできるようになります。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)