パナソニックは、電気圧力なべの新製品「SR-MP300」を発表し、圧力なべで作った料理を試食できるプレス向けの試食・体験会を開催。あわせて、発表済みの炊飯器「Wおどり炊き SR-VSX9」シリーズの試食会も開催しました。
電気圧力鍋は7月1日発売で価格はオープン、市場推定価格は3万円前後(税別)。Wおどり炊き SR-VSX9シリーズは6月1日発売で、こちらも価格はオープン。市場推定価格は5.5合炊きの「SR-VSX109」が11万円前後、一升炊きの「SR-VSX189」が11万5,000円前後(いずれも税別)になります。
時短だけど「手抜き」じゃない料理が作れる電気圧力鍋
電気圧力鍋は、ここ数年で注目を集めている調理家電です。圧力鍋とは、鍋内部に圧力をかけて食材を加熱することで、100℃以上での高い温度での加熱を実現。高圧力と高熱により、一般的な鍋よりも短時間で調理ができるのが特徴です。
短時間でも、固い肉や野菜を柔らかく煮ることができるなど、圧力鍋は非常に便利。ただし、パナソニックの調査によると、日本における圧力鍋の認知率はなんと半分以下しかありません。さらに、実際に圧力鍋を所有しているユーザーは、全体の3割以下だったそうです。
便利にもかかわらず、コンロで加熱する従来型圧力鍋の普及率が低い原因としては、「圧力を利用するので使い方を間違えるのが怖い」「加熱のタイミングや圧力の調整など、調理中に火加減を調整するのが面倒」などが考えられます。そして、これらのデメリットを解消するのが、鍋が自動的に加熱温度の調整などを行ってくれる安全な「電気圧力なべ」なのです。
時短調理ができることや、電気ならではの便利さから、いままでもティファールや象印マホービン、シロカなどが電気圧力なべを発売していました。そんななか、パナソニックも電気圧力なべ「SR-MP300」を発表。後発となる製品のためか、実際に触ってみるとかなり使いやすさにこだわっているのがわかります。
会場では実際に角煮を作る実演もありました。作り方は簡単で、豚肉、しょうが、調味液を鍋に入れて「自動メニュー」で「角煮」を選択。あとはできあがるのを待つだけ。面倒な下ゆでや火力調整は必要ありません。
メニューを選択後は、本体正面の液晶画面に角煮の調理時間である「20分」と表示されます。ただし、これは「加圧調理」の残り時間。圧力がかかるまで加熱する「余熱」時間と、加圧加熱後に「減圧」する時間などは入っていません。このため20分と表示されるものの、余熱と蒸らし時間などを入れると、メニューを選択して調理スタートしてから、フタを開けて食べられるようになるまで約60分かかります。このあたりは少々不親切に感じました
できあがった角煮は?
驚いたのが、調理中にほとんど水蒸気がでないこと。加熱中は「シュンシュン」という蒸気の音が聞こえることもあるのですが、目視ではほとんど蒸気を確認できませんでした。角煮の調理後も、露受けにはまったく水分がたまっていません。圧力鍋の「勢いよく蒸気が噴き出すのが怖い」というユーザーにはうれしい仕様ですね。
試食・体験会では、SR-MP300のレシピの一部を監修し、雑誌・テレビなどでも人気の料理家・みないきぬこ氏も登壇しました。みない氏は「圧力鍋は(台所以外でも)電源があればどこにでも置いて調理できるので、子どもの手の届かない場所に置いて使っています」と、子どもがいる家庭での電気調理なべのメリットを説明。
また、SR-MP300が食材の水分だけで煮物などを作る「無水調理」に対応している点にも言及しました。無水調理はうまみが凝縮されておいしく調理できるほか、栄養価が高い料理も多いのが特徴です。ただし、焦げ付きやすいなど調理の難しさもありました。みない氏は、SR-MP300を使えば難しい無水料理も失敗なく作れるといいます。また、柔らかな料理がすばやく作れるため、離乳食や介護食を作るにも向いているとコメントしました。