2018年にCDデビューし、シングル「シンデレラガール」が大ヒットとなったアイドルグループ・King & Prince。メンバーである永瀬廉が、このたび映画『うちの執事の言うことには』(5月17日公開)で初主演を務める。

現在朝ドラ『なつぞら』でも注目を受ける清原翔や、同グループのメンバーである神宮寺勇太と話題のキャストが集まった同作は、シリーズ累計 110 万部を越える高里椎奈による同名小説を実写映画化した。英国帰りのメガネ男子で、社交界の名門・烏丸家27代当主となる主人公・烏丸花穎(永瀬)が、青年執事・衣更月蒼馬(清原翔)とともに、烏丸家を襲うピンチに立ち向かう。今回は、主演の永瀬にインタビュー。初主演の心境や、撮影時の思い出について話を聞いた。

■オファーの時には二度聞きした

――映画に初主演とのことですが、オファーのときはどのような心境でしたか?

マネージャーさんから聞いたんですが、二度聞きしました。「え? もう一回言って? ほんまにおれ?」って(笑)。飲み込んで消化するまでの時間がかかっちゃいましたし、もちろん嬉しかったけど、すごく緊張しました。プレッシャーが1番でしたが、日が経つにつれて、ちゃんと喜べるようになって、「頑張ろう」と思いました。話を聞いた時には神宮寺も一緒に呼ばれて、お互いに「頑張ろうなあ」と言っていましたが、内心は「え、まじ!?」みたいな感じでした。

――作中で、「大きく見せようとせず。小さく萎縮せず。媚びて自らを変えず。強いて相手を変えることを願わず」というアドバイスを思い浮かべる感じが、ステージに立つ感覚とも通じてるのかな? と思って印象的でした。

言ってること、すごく刺さりました。大きく見せようとせず、ありのままでいいんだよ、という。そして、相手を輪の中に入れて守ってあげる、ということが作品のテーマにもなっている。あのセリフは、撮影中もずっと残っていました。

――永瀬さん自身がステージに立つ上では、どういうことを心がけてるんですか?

ファンの方、一人一人の顔を見るようにしています。僕は「みんな、元気?」って、勝手に友達感覚で接してしまうタイプなんです。2〜3年くらい前から、急にキャラ変しました(笑)。ファンの人も、そういう方が嬉しいのかな? と思うし、もともと、人と絡む時も距離感が近いんです。だから、ファンの方に向けても、距離感の近さが出ちゃっているのかもしれないです。

――撮影の中では、どのシーンが1番思い出に残っていますか?

最後のクライマックスシーンです。いろんな思いがこみあげて、2〜3時間くらい撮影してたんですけど、ずっと泣いていました。カットがかかったら大丈夫なんですが、撮影を再開するとまた出てくるので、びっくりしました。

――メンバーも今いろいろと作品に出られていますが、相談はされたりしたんですか?

岸(優太)くんには「クランクインを迎える前に、どういうことをしてた?」と聞いたりしました。岸くんは台本にめっちゃ書く人だと聞いて、僕もキャラクターのバックボーンや、場面ごとの細かい設定をできるだけ考えてやってみました。映画ではシーンが切り替わっているけど、実はこの間に何があったのか、とか。どういうタイプなのかは、人それぞれらしいんですが、僕はまだ自分のタイプがわからないから。

監督は「日に日に、花穎になっていってたよ」と言ってくださったので、すごく嬉しかったです。クランクアップの時に花束もいただけて……普段泣かないんです。映画などを見てても、泣きそうにはなるんですけど、どうしても最後の一滴が垂れない。でも、今回は久しぶりに涙というものを流しました。撮影でも、めっちゃ昂ったので、演技ではなく、気 持ちが高ぶって自然と涙が出ました。本当になりきっていて、「俺はみんなに支えてもらっていたんだ」という気持ちで泣きました。

――そこまで気持ちが入り込んでいたんですね。撮影時には「差し入れどうするか問題」が勃発していましたが、その後解決したんですか?

それは、事務所の方に頼みました(笑)。わからんから! あとは、ジン(神宮寺)が買ってきてくれた差し入れを、「2人からってことにしよう」と言って、お金を払いました。評判も良かったし、結果オーライです!

――クレープ屋台の差し入れなどは……。

屋台系は、もっと大きくなったら!(笑)

――クランクアップのときには、神宮寺さんがサプライズで登場していましたね。

あれは、株を上げに来てましたね(笑)。でも、嬉しかったです。ほんまは翔くんも来てくれる予定だったんですけど、仕事で来れなかったみたいで、「なんでおらんねん。仕事と俺、どっちが大事なん?」と冗談で電話したら、「仕事」と言ってました(笑)。

――作品名の『うちの執事が言うことには』にちなんで、清原さんから「言われたこと」で印象に残ってるのはどんなことですか?

「廉って、ガキだよね」と言われたことを覚えてます。そのときは、神宮寺と3人でお菓子の取り合いをしてたんですよ。俺とジンが、翔くんに「大人やから、食べんでええやん」と言って、結果俺がめっちゃお菓子食べたら、翔くんが「廉って、ガキだよね」と。いやいやいや、精神年齢的には変わらんぞ! お菓子の取り合いに参加してるわけですから! 「誰が言うてんねん!」と思いました(笑)。

■永瀬廉
1999年1月23日生まれ、東京都出身。11年に関西ジャニーズJr.として活動を開始。13年には『信長のシェフ』にドラマ初出演し、森蘭丸役を演じる。15年、期間限定ユニットのMr.King vs Mr.Princeのメンバーに選出され、以降、Mr.KINGとして活動を続ける。18年、King & Princeとして『シンデレラガール』でCDデビューし、第69回NHK紅白歌合戦へ初出場を果たした。6 月 19 日には、本作 の主題歌「君に ありがとう」も収録された 1st アルバム「King & Prince」をリリース。現在はドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ 毎週土曜22:00〜)に出演中。