第45期棋王戦予選8組準決勝の藤井聡太七段―牧野光則五段戦が5月15日、関西将棋会館で行われ、藤井七段が勝って決勝に進出しました。

3期連続3回目の予選抜けまであと1勝

棋王戦のほか、竜王戦でも決勝トーナメント入りまであと1勝としている藤井七段

対局は後手の牧野五段が「一手損角換わり」(※もともと1手遅れる後手がさらに1手遅らせる出だしの角換わり)に誘導し、お互いに手を出しづらいこう着状態が長く続きました。先に手を出したのは藤井七段。攻めの成否は微妙でしたが、最終盤に抜け出して勝利を収めました。

棋王戦予選は8組に分かれて行われ、それぞれの優勝者が挑戦者決定トーナメントに出場します。挑戦者決定トーナメントは予選通過者と20数人のシード棋士、合わせて30数人(※第44期は33人、第43期は34人)によるトーナメントで行われ、優勝者が時の棋王(※現在は渡辺明棋王)への挑戦権を獲得します。

挑戦者決定トーナメントの本戦ベスト4以上からは「2敗失格システム」が採用されていて、敗者は復活戦に回り、挑戦者決定戦は本戦の勝ち上がり者と敗者復活戦の勝ち上がり者により行われます。「2敗失格システム」ですので、決定戦は本戦側の棋士は1勝すれば挑戦権獲得ですが、敗者側の棋士は2勝が必要となります。

挑戦者決定トーナメントは例年6月から始まり、挑戦者決定戦は12月に、五番勝負は翌年2月から行われます。

藤井七段は本棋戦3回目の出場。前々期第43期、前期第44期とも予選を通過し、決勝トーナメントに出場していますが、第43期は豊島将之八段、第44期は菅井竜也王位(※いずれも当時)と、上位陣の厚い壁に阻まれ初戦で姿を消しています。今期は3期連続3回目の決勝トーナメント進出、初の初戦突破、そしてさらにその上、勝ち上がってのタイトル戦初登場は叶うでしょうか。

気になる予選決勝の相手は都成竜馬五段。これまでの対戦成績は藤井七段が5勝0敗と圧倒していますが、都成五段も高勝率を誇る棋士であり、第一、最年少棋士に好きなように勝たれるのでは面白くはないでしょうから、入念に準備を行うはずです。好勝負が期待されます。