JR東日本は15日、「DeutscheBahnAG」(ドイツ鉄道)と1992年から実施している技術交流の一環として、案内ロボットのユーザー評価試験を共同で実施すると発表した。
JR東日本とドイツ鉄道は、これまで各々に案内ロボットの開発を行ってきたが、両社共通の課題である「お客さまに使っていただけるロボット」をめざし、タイプが異なる案内ロボットを設置し、ユーザー評価試験を共同で実施する。
実験内容は、JR東日本とドイツ鉄道が駅構内に異なるAIを使用した「SEMMI(セミ)」と「Pepper(ペッパー)」の2種類の案内ロボットを設置し、利用者からのアンケート調査を実施するというもの。案内ロボットは日・英・中といった多言語に対応しており、駅構内および駅周辺の道案内などを行う。両社で異種ロボットについての受容性評価と2種類のAIの性能・運用の評価を行い、その結果を分析することで、案内ロボットの今後の研究開発に生かしていくという。
「SEMMI」はドイツ鉄道が開発してきた案内ロボットで、今回の実証実験のためにJR東日本と共同で案内データの学習を実施。リアルな顔立ち・多彩な表情・内照式がおもな特徴となる。「Pepper」は案内ロボットとして日本で比較的多く活用されており、比較対象ロボットとしてJR東日本が案内データの学習を実施。人型ロボット・ジェスチャーによる表現・画面一体型といった特徴がある。
JR東日本では、5月20~31日の10時30分から17時までの時間帯、東京駅地下1階グランスタステーションコンシェルジュ付近で実験を行う予定。「SEMMI」と「Pepper」を設置し、日本人や訪日外国人の利用者に対し、東京駅構内の施設、飲食店、おもな場所への行き方をはじめ、多言語で案内する。ロボットの外見が利用意向に与える影響や、AIの使いやすさ、学習しやすさなどを多面的に評価する。