京阪電気鉄道は14日、鋼索線の車両デザインを一新し、あわせて通称・駅名を変更すると発表した。車両デザインの変更は6月19日、通称・駅名の変更は10月1日を予定しており、現在の通称「男山ケーブル」から「石清水八幡宮参道ケーブル」となる。

  • ケーブルカーの新デザイン。新たな愛称は「あかね」「こがね」(画像:京阪電気鉄道)

    ケーブルカーの新デザイン。新たな愛称は「あかね」(画像左)・「こがね」(同右)

現行の男山ケーブルは京阪線と接続する八幡市駅から男山山上駅までを結び、水平長400m・勾配長411mで運転時分(片道)は約2分30秒。京阪特急のカラーリングを施した2両が活躍している。2001年以来、18年ぶりというリニューアル工事は安全性向上を目的に実施。巻上装置の制御装置と誘導無線の更新、索条(ロープ)の交換に加え、車両の標識灯・車内予備灯をLED化し、車両デザインを変更することになった。

変更後の新デザインは石清水八幡宮らしさを表現したものとなり、車両ごとに「あかね」「こがね」の愛称を新たに設定。「陽(赤)の遣い」と「月(黄)の遣い」をデザインコンセプトに、片方が上ると片方が下るケーブルカーを太陽と月に見立て、「それぞれが発する陽(赤)のひかりと月(黄)のひかり」「石清水八幡宮の社殿の朱と金」「京阪特急伝統の赤・黄のツートンカラーの組み合わせ」をモチーフにしているという。

「あかね」は太陽、「こがね」は月の光をイメージした外観デザインとし、メタリックフィルムのラッピングで光の情緒感と神聖さを表現。側面の模様に、「男山の神秘感と歴史の積層、車両の上昇感」をイメージしたオリジナルの霞文様を採用する。

  • 「あかね」「こがね」の外観デザイン

  • 「あかね」「こがね」の内装デザイン

  • ブランドシンボルマークも制定され、「あかね」「こがね」の車両外観にも採用される

内装も赤・黄の色相をモチーフに、扉と座席を左右で切り替えるデザインとし、扉の柄に石清水八幡宮のつがいの鳩と男山の青竹をイメージしたオリジナルの紋を配した。座席表地にはオリジナルの霞文様を採用。石清水八幡宮を象徴する「阿吽の鳩」「流れ左三つ巴」をモチーフにシンボルマークが製作され、車両外観にも盛り込んだ。

リニューアル工事の実施にともない、男山ケーブルは5月27日から6月18日まで運転休止期間となり、八幡市~男山山上間で代行タクシー輸送(片道運賃は大人200円・小児100円)を実施。6月19日から新デザインの車両による運行が開始され、10月1日から新たな通称「石清水八幡宮参道ケーブル」(略称「参道ケーブル」)を使用する。

  • ケーブル八幡宮口駅(現・八幡市駅)イメージ

  • ケーブル八幡宮山上駅(現・男山山上駅)イメージ

あわせて八幡市駅を「ケーブル八幡宮口」駅、男山山上駅を「ケーブル八幡宮山上」駅に駅名変更。駅舎ファサードの美装化も行う。なお、京阪線の八幡市駅も、10月1日から駅名を「石清水八幡宮」駅に変更する予定となっている。