iPhoneを学生証代わりに利用できるというのは、iOS 12.1からサポートされた「Student ID」のことでしょうか。2019年5月現在、デューク大やアラバマ大、オクラホマ大といった米国の一部大学で導入されているに過ぎませんが、iPhoneの用途を大きく広げる機能といえます。
Student IDは、文字どおり学生を対象としたIDカード機能で、NFC搭載のiPhone(6/6 Plus以降)を身分証や入館証として利用可能にします。非接触ICカードを端末にかざすことで出欠/退勤管理や施設の入退館を許可するシステムは、日本でもすでに多くの企業や学校に採用されていますが、それをiPhoneに統合したものと考えればわかりやすいでしょう。
このStudent IDは、「Wallet」アプリに登録する形で利用されます。エクスプレスカードとして登録しておけば、iPhoneを端末にかざすだけで(カードを選ぶことなく)利用できますから、非接触IDカードと同じ感覚で使えるメリットがあります。扱いはエクスプレスカードと同じですから、iPhone XS/XS Max/XRであれば、バッテリーが切れてもしばらくStudent IDとして機能することが可能です。
なお、Student IDは米ブラックボード社との提携により実現されています。同社が提供するアプリ「eAccounts」を利用し、教育機関向けシステム(Blackboard Mobile Credentials)にアクセスすることで機能を発揮するという大掛かりなシステムであり、どの学校でもすぐに導入できるわけではありません。