西武鉄道は14日、今年度の鉄道事業設備投資計画について発表した。2019年度は総額316億円を投じ、安全対策やサービス向上に努める。新型特急車両001系「Laview(ラビュー)」を5編成増備し、ロングシートの40000系を2編成増備する。

  • 40000系は今年度、ロングシートの2編成が新造される

40000系は10両編成で、2016年度に2編成、2017年度に4編成を導入。現在は有料座席指定列車「S-TRAIN」「拝島ライナー」をはじめ、一般列車としても運行される。これまで導入された6編成はロングシート・クロスシートに転換可能な座席を備えていたが、2019年度に増備する2編成はロングシートの通勤車として新造される。

新型特急車両「ラビュー」は8両編成で、2018年度に2編成を導入。今年3月から特急「ちちぶ」「むさし」の一部列車で運行開始した。2019年度は引き続き5編成を導入し、池袋線・西武秩父線で運行中の10000系「ニューレッドアロー」の全編成を置き換える予定としている。西武鉄道は「ラビュー」やロングシートの40000系を増備することにより、「一層快適な移動空間を提供します」と説明している。

  • 新型特急車両「ラビュー」。今年度は5編成を増備し、池袋線・西武秩父線の10000系「ニューレッドアロー」を置き換える

駅ホームの安全性向上をめざし、ホームドアの整備も進める。すでに整備を終えた池袋駅2~6番ホームをはじめ、2020年度をめどに練馬駅・西武新宿駅・高田馬場駅・所沢駅・国分寺駅でホームドアが整備される予定。これら既存の設置予定駅に加え、新たに石神井公園駅・中村橋駅・富士見台駅・練馬高野台駅・新桜台駅の5駅も2021年度以降のホームドア整備に向け、検討を進めることになった。

ひばりヶ丘駅・所沢駅・多磨駅において、駅空間のさらなる利便性・快適性の向上や地域活性化などに向けた駅改良工事を引き続き推進。その他、新宿線連続立体交差事業の推進、耐震補強や線路に面した法面の改良など安全対策も進める。異常時における運行情報の配信を多言語化し、「西武線アプリ」の機能追加も予定している。

  • ゴールデンウィーク期間中、「ラビュー」の臨時特急列車が新宿線・池袋線本川越~飯能間で運行された

なお、2019年度を初年度とする「西武グループ中期経営計画(2019~2021年度)」も策定された。この中で、計画達成のため施策として「ラビュー」の導入に加え、「有料座席指定列車の増発」「新宿線の特急車両更新検討」などを挙げている。