はい、対応しています。対応しているどころか、2016年6月以降Appleはデベロッパーに対しすべてのアプリについてIPv6対応を求めています。2019年5月現在、システム(iOS)はもちろん、公開されているアプリのほとんどがIPv6対応と考えていいでしょう。
インターネットの登場以来利用してきたIPアドレス(IPv4)と比較すると、IPv6は無限といっていいほどのアドレスを利用できます。IPv4は32ビットで構成されるため(2^32)、最大で約43億の重複しないアドレスを利用できますが、128ビットのIPv6(2^128)は約340澗という天文学的な数になります。インターネットの普及により、IPv4の割り当て可能なアドレスは枯渇しかけていますが、IPv6では世界の総人口70億人全員に兆単位のアドレスを割り当ててもまだ余るほどです。
AppleがアプリのIPv6対応を進める理由には、スマートフォン/携帯電話に対しIPv6の通信サービスしか提供しない通信事業者が現れることへの対策が挙げられます。現状、iPhone/iOSはIPv4とIPv6の両方でデータ通信回線に接続されますが、IPv6しかサポートされない場合、インターネットに接続できなくなってしまうからです。
ドコモのSPモードやauのLTE NETなどスマートフォン向け通信サービスは、従来IPv4でしか提供されていなかった事情から、IPv6の利用はなかなか進まずにいましたが、2017年あたりから状況が変わってきました。iOS 11以降、利用中の通信サービス(MVNO含む)が対応している場合は自動的にIPv6を選択するようになったこともあり、IPv6で通信するiPhoneは増えています。
iPhoneがIPv6で通信しているかどうかは、「Test your IPv6」などのWEBサイトで確認できます。Wi-Fi接続時は、『設定』→「Wi-Fi」画面で接続中のアクセスポイントの「i」をタップし、現れた画面の「IPv6アドレス」欄にfe80から始まるアドレス(リンクローカル)が表示されているかどうかでわかります。